3年ぶりのインプラント学会

こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。

12月8日の日曜日に、私の所属している国際口腔インプラント学会の年次大会が開催されましたので参加しました。
この学会への参加は最近タイミングが合わなかったので、3年ぶりになります。
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今回の学会の会場は、日本橋の会議室でした。
当日は雨が降っていましたが、地下鉄の日本橋駅直結だったので楽でした。
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会場には勉強熱心な先生が多数参加されていました。
内容が高度なインプラントということもありベテランの先生が多いのですが、若い先生も増えてきたように思われました。
もしかして私が年を取ったのでそう見えるだけかもしれませんが。。。
この学会にはインディアナ大学歯学部のインプラントコースで一緒だった先生がお二人いらっしゃるのですが、今回は残念ながら参加されていなかったみたいです。
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今回もインプラント治療で有名な先生の講演が朝から夕方まであり、とても有意義な一日でした。
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午後は、インプラント処置の際に行う歯肉の縫合についての実習に申し込みました。
この実習はとても人気があったらしく、すぐに満席になってしまったそうです。
歯肉を縫う方法にはいろいろな種類があります。
闇雲に縫ってしまうと、傷口が開いてしまいます。
インプラント初心者の先生だと、しっかり縫ってあるほうが良さそうに見えてしまい、ついきつく縫ってしまいます。
しかしそうすると歯肉の血流が止まってしまい、どんどん歯肉がだめになってしまうのです。
正しい方法を用いることが、インプラント治療の成功につながります。
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今回はドイツのボン大学の教授のProf. Dr. Karl-Heinz Utz先生の講演がありました。
インプラントとかみ合わせに関するとても参考になる話でした。
この大会と提携しているドイツインプラント学会 (DGZI) は、ヨーロッパで一番長い歴史をもったインプラント学会で、来年で創立50周年だそうです。
来年の11月5日から始まる年次大会は盛大に行われる予定だそうで、私もぜひ参加したかったです。
しかし来年のスケジュールを確認したところ、すでに予定が入っているため行くことができそうにもありません。
またとない機会でしたが仕方ありません。とても残念です。
ドイツは医療先進国なので、再来年以降で機会があれば一度は訪れてみようと思います。
しかもドイツのインプラント学会が創立50周年ということは、歯科用インプラントというのは少なくともすでに50年の歴史があるということです。
特にここ20年はインプラント治療はほぼ確立しており、決して最近始まったばかりの実験的な医療ではありません。
残念ながら今でも 、「インプラントは失敗が多いし、他の方法で大丈夫なので必要ない。インプラントをすすめる歯医者は悪い医者だ。」 という人がいますが、それはとんでもない間違いです。
奥歯が3本もなくなってしまうと、インプラントがなければ口の中にとても大きな入れ歯を入れるしかありません。
入れ歯はプラスチックや金属の塊で、奥に歯がないと食事の際はぷかぷか動いてしまいよくかめません。自分の歯とはまったく違うものなのです。
よく手足がなくなってしまうと義手や義足を使いますが、現代の技術では自分の手足とまったく同じようには動く義手・義足は存在しません。
入れ歯も 『義歯』 といって、義手や義足と同じなのです。
しかし、『インプラント』 は失った歯の根の代わりに人工の根を入れることで、自分の歯の80~90%の力でかむことができるのです!
もちろん見た目も本物の歯が生えているようです。(ちなみに義歯では、よくできていても40~50%ぐらいの噛む力だそうです)
ただ、インプラント治療というのは、かなり高度な技術と知識が要求されます。
またリスクもありますし、患者様の経済的負担も必要です。
とはいえ、歯科医師として患者様の生活の質の向上を考えたときに、『インプラント治療』 というのは絶対に必要な治療方法なのです。
今後もできる限りセミナーや学会に参加して、最新の知識と技術の習得に努めていきます。