谷村歯科医院ブログ
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歯周病の原因菌となりやすい人の特徴について
みなさんこんにちは。だんだん肌寒くなってきましたね。体調にはくれぐれも気を付けましょう。今日は、『歯周病の原因菌の種類と歯周病になりやすい人の特徴』 についてお話しします。皆さん歯周病ってどんな病気かご存知ですか?歯周病とはただ歯ぐきが腫れているというだけではありません。あごの骨が溶けて、最後は歯が抜けてしまうとても怖い病気です。歯周病初期では細菌の塊、歯垢(プラーク)によって歯ぐきが炎症を起こし、歯と歯の間の歯ぐきは丸く腫れぼったくなります。更に色は真っ赤になります。歯周ポケットは4mm以内です。皆さんの中には歯ブラシをして出血してくる方もいるのではないでしょうか?それはもしかしたら歯周病の初期状態かもしれません。歯周病中期では初期症状から更に進行すると歯周ポケットは5mm~7mmまで深くなります。歯周病は骨が溶けて歯を支えきれなくなり揺れてきてしまう病気ですが、痛みがほとんどないので痛くないから大丈夫と思っていると、気づかないうちに骨が溶けていることがあります。重度の歯周病になってしまうと、歯ぐきは下がり骨が溶け歯と歯の間が目立ってきます。さらに歯がグラグラしてくるので噛み難かったり、話しづらい、口臭が気になると言ったことも出てきてしまいます。こうなるといくら歯科医院で治療しても元には戻りません。《歯周病の菌について》歯周病は様々な有害な菌が原因で発症してしまう病気です。歯周病の原因菌にはたくさんの種類がありますが、今回は特に 『red complex(レッド コンプレックス)』 と言われる最も害を及ぼす3種類を紹介します。◎porphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス)偏性嫌気性グラム陰性桿菌で、他の菌とバイオフィルム(歯ブラシでは取れないほどの強固な病的な膜)を作ります。更にこの菌は内毒素を持っています。この内毒素によって歯を支えているあごの骨(歯槽骨)の吸収を引き起こします。◎tannerella forsythensis(タンネレラ・フォーサイセンシス)嫌気性グラム陰性菌。紡錘状のような形をしており、同じく内毒素を持っています。 ◎treponema denticola(トレポネーマ・デンティコラ)嫌気性グラム陰性菌。らせん状のような形をしています。歯茎の隙間から血管の中に入り込みます。今紹介したのは3つだけですが、歯周病の主な菌は約15種類以上もいるそうです!歯周病の原因菌の多くは嫌気性菌という、空気を好まない菌です。歯周ポケットが深くなると空気があまりない空間が多くなり、この歯周ポケットで大繁殖してしまいます。《歯周病になりやすい特徴》歯周病になりやすい人には以下のような特徴があります。①喫煙タバコを吸う人は吸わない人に比べると歯周病リスクが圧倒的に高くなっています。なぜかというとタバコの中に含まれているニコチン、これは免疫力を低下させる作用があります。他にも血管収縮作用があるため歯茎からの出血が起こりにくいので、歯周病にも気づかないことがあります。また、唾液の分泌量も低下するため歯石やプラークがつきやすくなります。すると歯周病原因菌が繁殖して、さらに歯周病が悪化するのです。②糖尿病歯周病と糖尿病は双方で密接な関係にあります。・糖尿病→歯周病糖尿病により免疫の働きが落ち感染症に罹患しやすくなります。さらに高血糖になると炎症が強くなるので悪化しやすくなります。糖尿病の人が歯周病になると、治療もかなり困難になります。・歯周病→糖尿病歯周病により炎症性物質がたくさん作られ、インスリンの働きが抑制されてしまいます。そうなると血糖コントロールが悪くなり糖尿病になってしまいます。糖尿病になると、失明や手足の血流循環不足で壊死して切断になるリスクも出てきます。③ストレスストレスを感じていると自律神経が乱れ免疫が低下して歯周病になってしまうことがあります。歯周病の原因菌をゼロにすることはできませんが、通常は白血球などの免疫作用で病気になるのを体が防いでいるのです。しかし、ストレスが続くことで口腔内環境が悪化して歯周病になってしまうのです。これら喫煙・糖尿病・ストレスの他にも、食習慣・薬の影響・不適合なかぶせもの・肥満・遺伝なども歯周病の感染と重症化に関係があると言われています。以上、歯周病の原因菌と歯周病になりやすい人について解説をいたしました。歯周病にならないように毎日の歯ブラシやフロスと歯科医院での定期検診を徹底して、80歳まで自分の歯を20本以上残せるように頑張りましょう!ちなみに当院では、通常歯石が付いてくる3ヵ月ごとの定期健診と歯石の除去をお勧めしています。日頃どんなケアをすれば良いのかわからないなどあればスタッフに声をかけてくださいね。 DH 関
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インプラント・ブリッジ・入れ歯
こんにちは(^^) まだ汗ばむ気温ですが、空気は秋の匂いになってきましたね! 感染対策を怠る事なく日常に楽しみを見つけていきたい秋ですね♪♪ 歯を失ってしまった時の治療法である、インプラント・ブリッジ・入れ歯について、それぞれの特徴などを簡単に。 ★審美性 インプラント→ ジルコニアやセラミックス冠なので審美性に優れていて、 天然歯に近い仕上がりになる。 インプランのかぶせものは、周囲の歯に合わせた形・色を選択できるので、不自然さがほとんどない。 ブリッジ→ 保険適応だと奥歯は銀歯になる。保険外治療の場合はとても優れており、ジルコニアやセラミックなどの審美材料を使用すれば天然歯に近い仕上がりとなる。 入れ歯→ 保険適応の場合、部分入れ歯に使用するバネが金属部分のため目立つし見た目に劣る。保険適用外材質を使えば金属のバネのない部分入れ歯を作ることができる。 ★噛む機能 インプラント→ 天然歯と比較すると90%程度と言われているが、自分の歯(天然歯)とほぼ同じ物を噛むことができる。 ブリッジ→ 支えとなる歯の状態で異なるが、天然歯の6~7割程度の咀嚼力になる。 入れ歯→ 噛む力は天然歯よりも大きく低下してしまい、天然歯と比較すると20%程度。 固い物などが食べにくくなったり、くっつきやすいものは食べれなかったり小さく切ってから食べる必要が出てくる。 ★違和感 インプラント→ チタン合金製の人工歯根を顎の骨に入れ、その上にセラミックスのかぶせものをつけているで、天然歯に近い使い心地で違和感はほとんどない。 ブリッジ→ つながったかぶせものを接着剤で固定しているので安定感があり、違和感は少ない。歯がないところの隙間が気になることがある。 入れ歯→ 外形が大きく厚みがあり、口内に違和感があり、なかなか馴染まない。 総入れ歯は粘膜のみで支えているので、ズレたり痛みを感じたりすることがある。 ★味覚への影響 インプラント→ ほとんどない。 ブリッジ→ ほとんどない。 入れ歯→ 歯ぐきや上あごがプラスチックや金属で覆われるので、温度や味が感じにくくなる。 ★他の歯への影響 インプラント→ 自立しており他の歯へ影響を与えることはほとんどない。 ブリッジ→ 失った歯の両脇の歯を大きく削り支柱とするため、削られた歯へ大きな負担がかかる。 無理に噛んだり歯ぎしりがある人は、支台となる歯が折れてしまうことがある。 入れ歯→ 部分入れ歯の場合、バネをかける歯に大きな負担がかかる。揺さぶられるためグラグラになりやすい。 ★歯槽骨の吸収 インプラント→ 歯槽骨の吸収を抑制できる ブリッジ→ 歯槽骨の吸収が進んでしまう 入れ歯→ 歯槽骨の吸収が進んでしまう ★清掃のしやすさ インプラント→ 歯ブラシやフロスなど、自分の歯(天然歯)と同じ清掃方法でできるので、口の中を清潔に保ちやすい。 ブリッジ→ 天然歯と同じように清掃できるが、天然歯とダミーの歯の間に食べかすが詰まりやすく、また歯ブラシが届きにくいので、残っている歯が虫歯になりやすい。 入れ歯→ 義歯用ブラシや義歯洗浄剤を使っての清掃が必要。残っている歯にも食べかすが残りやすくなるので丁寧に歯ブラシをしないと虫歯になりやすい。 また、入れ歯は食事の後は毎回外して清掃が必要。 ★外科的治療 インプラント→ 顎の骨に直接ネジ穴をあけ人工の歯根を埋入するので、外科的治療が必要になる。 ブリッジ→ 必要ない。 入れ歯→ 必要ない。(骨が尖っていたり出っ張っている場合は必要になることがある) ★費用 インプラント→ 保険が適用とならないので費用が高くなる。 ブリッジ→ 材質によっては保険適用のものがある。自費だとインプラントと同じぐらいになることがある。 入れ歯→ 材質によっては保険適用のものがある。自費だとインプラントと同じぐらいになることがある。 ★治療期間 インプラント→ 治療期間が長くなる。 ブリッジ→ 短期間で治療可能。(抜歯した歯ぐきの状態による) 入れ歯→ 短期間で治療可能。(抜歯した歯ぐきの状態による) ★耐久性 インプラント→ 定期的なメンテナンスを欠かさずに行っていれば、10年以上も問題なく使える。 ブリッジ→ 定期的なメンテナンスを欠かさずに行っていれば長く使うことはできるが、支柱にした歯が虫歯になったり、負担がかかるため折れてしまうことがある。 入れ歯→ 人工の歯がすり減ったり、構造が複雑なためバネが折れたりすることがある。 歯ぐきの状態が変化するので約3年ほどで傷みが出てきたりゆるくなることがある。 歯を失ってしまった場合は以上の3種類の治療方法があります。 これらのどの方法も一長一短がありますが、定期的に検診に行くことでできるだけ長く安全に使うことが可能です。 治療が終わってもメンテナンスフリーというわけにはいきませんので、治したあとも定期検診を欠かさないようしましょう。 歯科アシスタント 松本
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非歯原性歯痛
今回は、歯が痛いにもかかわらず、痛みの原因が歯ではない場合についてご紹介致します。 1・歯はどんな時に痛むのか? 通常は歯が痛い場合、虫歯だったり歯周病で痛い場合がほとんどです。 ほかには歯が割れたり折れたり、ぶつかって脱臼した状態の時ももちろん歯が痛みます。 虫歯の場合は、歯が細菌が出す酸によって溶けることで歯の中の神経(歯髄)に刺激が伝わり痛みとなって脳に信号が送られます。 歯周病の場合は、歯ぐきが腫れて膿を持ち、骨が溶けてしまいます。 そうなると歯がグラグラして歯を支えている骨や歯ぐき(歯周組織)が痛くなったり、歯の根が露出してしみるようになり歯が痛みます。また歯と歯を支えている骨をつないでいる『歯根膜』という繊維が引っ張られて痛みが出ます。 しかし、歯や歯の周りの歯周組織が原因でないのに歯が痛むことがあります。 このような場合の痛みを 『非歯原性歯痛』 (ひしげんせいしつう)といいます。 歯が痛くなって歯科医院に行き、レントゲンを撮ってもらったりしても何もないため、「しばらく様子を見て下さい」 と言われてしまいます。 『非歯原性歯痛』 の場合、様子を見ても痛みがおさまらない場合があるので、本人もどうしたらいいのか分からなくなってしまいます。 この、歯自体はなんとも無いのに歯が痛い、『非歯原性歯痛』 にも様々な原因があるため、歯科医院で何が原因なのかしっかりと把握してもらって、適切な処置を受ける必要があります。 ちなみに 『非歯原性歯痛』 に関しては、私が所属しています日本口腔顔面痛学会では以下のように分類されています。 https://jorofacialpain.sakura.ne.jp/?page_id=3129 いかがでしょうか? 『非歯原性歯痛』 にもこのようなさまざまな原因があります。 お口の周り、口腔領域以外の原因に関しては、残念ながら歯科医院で治すことはできません。 今回は、この分類の中でも比較的頻度が高い、『①筋・筋膜性歯痛』 をご紹介致します。 2・筋・筋膜性歯痛について 上記の画像は、左側が噛むための筋肉の一つ 『咬筋』 からの痛み、右側が同じく噛むための筋肉の一つ 『側頭筋』 という筋肉の筋膜痛を示します。 これはどういうことかというと、筋肉痛にもかかわらず、歯が痛いと錯覚してしまうのです。 なぜこのように錯覚を起こすのかというと、筋肉の痛い部分(トリガーポイント)を5秒間圧迫すると、関連痛として歯の痛みとして感じてしまうという事実があります。 咬筋のトリガーポイントを押すと、上の奥歯に痛みがでます。 側頭筋のトリガーポイントを押すと、側頭筋の前の方では上の歯の前歯、後ろの方では上下の奥歯に痛みが生じる場合が多いです。 痛みの特徴としては、ずーっと重い鈍痛、長い痛みの時間を感じます。 それからストレスがかかるとより一層悪化します(休日には楽になるなど)。 同じ姿勢を30分以上すると悪化する。 なお、原因不明の歯の痛みの78.8%がこの筋膜痛を感じるといった報告もあります。 また、増悪する原因として、筋肉痛である肩こり、首こりで悪化するといった報告もあります。 3・筋・筋膜性歯痛の治し方について 咬筋や側頭筋を触わって歯が痛む場合は、筋・筋膜性歯痛だと考えられます。 その場合は、ご自身で行えるセルフストレッチや、歯科医院で行うレーザー療法などの理学療法、お口の開口訓練などの治療方法があります。 (セルフストレッチに関しては必ず歯科医師の指示の下で行ってください。 自己流で行うとかえって症状が悪化する場合があります。また肩こりと違うので指で強くグリグリと押したり、ハンディマッサージ機などで強い刺激を与えないようにしてください) 筋・筋膜性歯痛を診査・治療するうえで大事なことは、診るべきポイントは歯だけではないということです。 下の歯を支えている下顎骨はフリーな状態になっていて、いろいろな筋肉と繋がっています。 この下顎骨は鎖骨などとも筋肉がくっついて全身の体の一部ですので、広い視野を広げて全身の状態を診察しながら診断をする必要があります。 実際に、この筋肉痛が脊髄に痛み刺激として入った時に、脊髄で収束や投射といった反応が起こり歯に痛みが生じます。 歯の神経はとても繊細です。また、歯に関連する感覚はすべて痛みとして感じます。 歯に伝わっている神経は頭の中の神経、12神経の中の一つですので、このような現象が起こるので、注意しながら診察していく必要があります。 当院では原因不明の歯の痛みがある場合には、口腔外科担当医が診察をいたします。 また状況に応じて、専門の大学病院にご紹介することが可能です。 もしもこのような症状をお持ちでしたら、お気軽にスタッフまでご相談下さい。 口腔外科医 歯科医師 鈴木
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子供の歯並びのズレについて
こんにちは、歯科医師の鈴木です。今回は、子供の歯並びが悪くて下の一番奥の歯(下顎第二大臼歯)が正しく生えないことについてお話ししたいと思います。最近の社会では、子供達が軟らかくて食べやすい食事を好むようになり、咬む力、咀嚼機能が低下して、下の顎が小さくなり、その影響で子供達の歯並びが悪くなっています。この状態では上と下の歯がしっかり噛まない、『不正咬合』 という噛み合わせになってしまいます。一口に不正咬合と言っても、いろいろなパターンがあります。奥歯でしか噛んでおらず、前歯に隙間が空いてしまっている開咬。隣同士の歯が外側に向いていたり内側に向いていたりする叢生。歯が噛める位置まで生えてこないで止まってしまう低位萌出。上の歯よりも下の歯のほうが外側に生えて噛んでいる反対咬合などがあります。その中でも、11歳~12歳に生えてくる下の一番奥の歯(下顎第二大臼歯)※が、何らかの原因で生えてくることができずに骨の中に埋まった状態が多くみられます。※親知らずは除きます 上の図は、6~8歳の子供の下の歯の生え替わりを示した状態です。乳歯から永久歯への交換の仕方ですが、順番に乳歯の下に永久歯が生えてきて交換されるのですが、一番奥の7番目の歯、つまり下顎第二大臼歯が、顎が小さくて、ずっと骨の中に埋もれて、生えてこない問題が生じています。現代人の食事は調理され、一生懸命に咀嚼しなくても食事ができて、歯を道具として使わなくなってきています。このため、一回の食事に要する咀嚼回数が減少しているのも事実です。咀嚼回数が減少するということは、唾液の分泌量も減少し、結果的に飲み込めない現象が生じています。そのためお茶やジュースなどで口の中の食べ物を流し込む子供が増加しています。つまり、軟らかい食べ物ばかりなので、噛む必要がなく、唾液が出ないのでジュースで流し込む。すると顎がしっかりと成長せず、歯並びが悪くなるということになるのです。そうならないように、日常の食生活をまずは噛み応えのある食べ物に変えて、食べ物をよく咬んで食べ、咀嚼回数を増やすことが大切であると考えます。親知らずに関しては、はるか昔、人類の顎がまだ大きかったときには必要でしたが、顎が小さくなったものの歯の本数は変わりませんでした。そのため親知らずは積極的に抜歯したほうがいいのです。しかし現代人の食生活は、親知らずの手前の第二大臼歯も生えてこなくなったり、変な方向から生えてくるようになってしまいました。お子様の歯並びが悪くならないように、お父様、お母様に置かれましては、お子さんに加工食品だけでなく、できるだけ硬い食べ物も出すようにして下さい。子供の虫歯が減少し、歯並びへの関心が高まる現在、不正咬合の早期発見が歯科医師としてとても必要だと思います。この下顎第二大臼歯の萌出障害は今後増えていくと考えられます。この状態を放置していると、前の歯の第一大臼歯(6歳臼歯)への悪影響も考えられ、さらにかみ合わせは不安定になります。学校歯科検診で萌出が遅れていると指摘を受けたり、12歳になっても下顎の第二大臼歯が生えてこなければ、歯科医院にてX線写真による精密な検査を必要とします。当医院では、いつでもご相談をお受け致しております。
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歯間清掃用具について
みなさんこんにちは!梅雨も明けて本格的に暑くなってきましたね。コロナウイルス予防もとても大事ですが、同時に夏は熱中症にもならないよう予防しなければいけませんね!さて今回はテーマは、歯間ブラシやデンタルフロスなどの 『歯間清掃用具について』 のお話です。 みなさんは歯ブラシの他に歯間清掃用具はお使いですか?いつまでも自分の歯で美味しく食事をして、健康な生活をおくるためには日々のご自身による歯とお口の正しい 『セルフケア』 が欠かせません。そのためには年齢による成長や老化や生活環境により変化するお口や歯と歯茎には、それぞれの状況に対応した、正しい清掃用具とその使い方によるセルフケアをすることが必要です!そこで歯ブラシだけでは磨けない、歯と歯の間磨きにくい汚れを歯間ブラシやデンタルフロスなどを使って取ることも重要になってくるのです。歯と歯が接している部分の虫歯は、歯間ブラシやデンタルフロスを使うことで予防ができます。デンタルフロスや歯間ブラシなどの 『歯間清掃用具』 は、様々な種類やサイズがあります。ご自分に合っている歯間清掃用具はどのようにして選んだらよいのでしょうか?今回は私がおすすめの歯間清掃用具の選び方のポイントをこれからご紹介しますので、是非参考にしてみてください!1 歯間清掃用具の種類についてブラッシングをしただけでは、歯と歯の間は十分に磨けていない事があり、プラーク(歯垢)や食べかすが残ってしまいます。そして、虫歯や歯周病になってしまうところも多くはこの歯と歯の間、隣接面なのです。この隣接面の汚れを効率よく落としてくれるのが、『歯間ブラシ』 と 『デンタルフロス』 です。この歯間ブラシとデンタルフロスですが、必ずしもすべての部分で必要というわけではありません。使い方を間違えるとむしろ歯ぐきを傷つけてしまいます。2 歯間ブラシとデンタルフロスの違い<歯間ブラシ>歯と歯の間の隙間が広い歯と歯ぐきの間の三角の溝には、歯間ブラシが適しています。歯間ブラシは、ワイヤーにナイロン毛をつけたものやゴム製の小さなブラシで、歯と歯の間のプラークを効率よく取り除くことができます。<デンタルフロス>歯と歯の間の隙間が狭い部分の清掃に適しています。ナイロンやポリエチレン等の弾力性のある細い繊維を数多く寄り合わせて作られています。その繊維が歯と歯の間の汚れ(プラーク)をからめとります。3 歯間ブラシのサイズの選び方歯間ブラシのブラシ部分は、様々なサイズ(太さ)があります。効率よく歯と歯の間を磨くためには、歯と歯の隙間の広さやご自分のお口の状態に合った歯間ブラシのサイズを選ぶことがとても重要になってきます!<選び方のポイント>歯茎に近い歯と歯の間にすっと抵抗なく挿入でき、動かす時にきついと感じない程度の大きさが適切な大きさです。初めて歯間ブラシを使用する場合、小さいサイズから順々に試しましょう。小さいサイズでも入らない場合はデンタルフロスで清掃することをおすすめします。お口の状態によっては、デンタルフロスと併用したり、数種類の歯間ブラシのサイズを組み合わせたりするとよい場合もあります。またサイズは部位によっても異なってくるのでお口の状態に合わせて選ぶのが大切です。4 1日3日使わないといけないのか?1日3回は理想的ですが、1日に使う回数より、毎日続けていくことがとても大切です。食べカスは24時間で歯垢(プラーク)に変わり始めますので、1日1回はお使いになることをおすすめします。特に寝ている間は唾液が減り、お口の中の細菌が増えてしまいますので、1日の最後にハミガキと一緒に使う習慣をつけるととても良いです。5 自分自身にあった歯間清掃用具を選択するためにこのように、歯間清掃用具には様々な種類があります。お口の状態に合っていないものを使い続けると、歯や歯茎を傷つけてしまう可能性や炎症を悪化させることがあるため、歯間清掃用具を選ぶ際は慎重に行う必要があります。また歯茎の状態など、お口の中の状態は常に変わっていくので、定期的に歯間清掃用具の種類を見直していくこともとても大切です。なかなか自分にあった歯間清掃用具が分からない方や普段使っていて自分に合っているか不安な方もいらっしゃると思います。当院では歯科衛生士が 『歯間清掃用具』 の選び方や使い方のアドバイスなども行っています。みなさんが普段使用しているデンタルフロスや歯間ブラシなどがあればお持ちになって、気軽にお声掛けやご相談下さい!DH 池田
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舌の痛みの種類と主な原因 2
みなさんこんにちは!最近は雨の日が多くジメジメして気分もなかなか上がりませんね、、、早く梅雨明けしてほしいですね。今回は、前回舌の痛みをお話させていただいたのでその続きを書きたいとおもいます。前回、舌の痛みには様々な種類と原因があることをお伝えしたかとおもいます。『ストレスなどの精神的なもの』 と、『器質的変化を伴う痛みがあるもの』 と様々ありましたね。①炎症によるもの②悪性腫瘍によるもの③外傷によるもの④貧血によるもの今回は、5つ目からまた他の原因についてご説明していきますね!器質的変化を伴う痛みの5つ目は、⑤口腔乾燥症唾液分泌量低下の原因として、シェーグレン症候群などの唾液腺炎による器質的病変もありますが、ストレスなとの精神疾患による自律神経の不調を原因とする場合もあります。唾液分泌量が低下すると、口の中の細菌が増殖してしまいます。口腔乾燥による舌の痛みは、カンジダの増殖が関わっていることも多いです。口腔乾燥は、加齢と共に増えていきますので、唾液腺マッサージなども取り入れるといいかもしれませんね。耳の近くの頬をマッサージしたり、顎の下あたりをマッサージするといいですよ!ネットなどでも唾液腺マッサージと調べるとたくさんでてきますので、是非見てみてください!⑥アレルギーお口の中は、様々なアレルギーが引き起こりますが、口腔アレルギー症候群がとても多いです。花粉症の人では、花粉と果物や野菜に含まれるアレルゲンが共通しているため、果物や野菜を食べた際に反応が起こります。⑦栄養欠乏通常の食事を摂取できていると栄養欠乏は発症しにくいです。なにか疾患があって薬を飲まれている方は、その副作用の可能性もあります。これらのように、舌が痛くなるのには様々な理由があります。また、器質的変化を伴わない舌の痛みは、精神、心理状態が症状の発現に大きく関わっています。うつ病の患者さんが舌痛症を発症している場合もあります。さて、前回と今回の2回で舌の痛みには、器質的変化を伴うものと、伴わないものなど様々ご説明させていだきました。日々、舌の色の違いや、舌苔(舌の上についている汚れ)の量、腫瘍ができていないか、鏡でチェックしておくと、変化があったときに分かりやすいかもしれませんね。口の中が乾燥していないか、食物アレルギーなどはないか、貧血になっていないか、などもチェックするといいかもしれませんね!もしなにか舌の痛みて不安がある方や、診て欲しい方は、1度当院に来院してくださいね!月に1度の大学病院の先生がいらっしゃる外科外来の日もありますし、平日の夕方まででしたら口腔外科の先生もいらっしゃいます。DH大久保
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舌の痛みの種類と主な原因 1
みなさんこんにちは!まだまだ新型コロナウイルスが終息する気配がなくストレスも多く溜まる毎日ですね。3密をせずにリフレッシュできる方法をみつけたいですね!みなさん今まで舌が痛くなったことはありませんか?今回は、『舌の痛みの種類と主な原因』 について書きたいと思います。舌がピリピリしたりヒリヒリしたり、火傷をしたような痛みだったり、なにもしなくても痛かったり様々あるかと思います。舌を動かすと痛い、食事で舌がしみる、食物などの刺激が加わることで痛くなる、などおっしゃる方も多いです。舌の痛みが周期的であったり生活環境の変化によって痛みが増幅することもあります。痛みを感じる部位は舌の先、真ん中、側面、奥などで、片方だけの場合と両側である場合があります。舌痛症と言われる病気では火傷をしたようなヒリヒリとした痛みが両側性に、場合によっては唇や口蓋(上あご)にまで広がっていることがあります。そして食事中に痛みが増えることはなく、逆に痛みが和らぎ、痛みは午後から夕方にかけて強くなることが多いです。ストレスにより痛みが強くなることもあります。しかし、『カンジダ症』 では食事がしみ痛みが強くなるという特徴があります。歯科医院て舌の診察を受ける際には、正確に症状をお伝えくださいね!これから、器質的変化を伴う舌の痛みをご説明していきます。①炎症によるもの白炎病変や潰瘍性病変として出現することが多いです!②悪性腫瘍によるもの舌癌の多くが扁平上皮癌です。白色として出現するために、発見が比較的容易です。ただし、病理診断をしなければ確定診断になりません。③外傷によるもの褥瘡正確に潰瘍には必ず原因があります。入れ歯や、合っていない被せのも(補綴物)の存在、舌を必要以上に動かすような悪習癖がある方は、要注意です。また、食いしばりが強く、舌に歯の跡がついているような場合や、舌の先の部分が軽度に赤くなっている場合は、外傷による痛みも考えられます。痛みがあるために気になって無意識のうちに舌を動かしてしまい気づかないうちに軽度の外傷を起こしていることもあります。④貧血によるもの貧血による舌炎では、鉄欠乏性貧血の 『PlummerVinson症候群』 と悪性貧血による 『HUNTER舌炎』 が有名です。舌乳頭の消失や、発赤などの肉眼的所見が舌炎の診断には有効です。血液検査で診断することが多いです。また、鉄欠乏性貧血は持続的な出血が原因であることが多いので、月経過多や、子宮筋腫による出血の有無など、患者さんからの問診がとても大切になります。歯科医院で診察してもらうときには、正確にお伝えくださいね!今回は、まず4つの器質的変化を伴う舌の痛みをご説明させていただきました。次回もまた続きをご説明させていただきますので興味のある方は読んでみてくださいね!DH大久保
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入れ歯の種類と違いについて
みなさんこんにちは、最近は雨の日が多くジメジメしていますね。今日は、入れ歯の種類についておはなしします。『入れ歯』 といっても、大きく分けて、歯がまだ何本か残っている時に使う 『部分入れ歯』 と、歯が全部なくなってしまった時に使う 『総入れ歯』 があります。部分入れ歯とは、自分の歯がまだ残っている場合に使う入れ歯です。バネを自分の残っている歯(天然歯)にかけて安定させて使います。総入れ歯とは、全部の歯がない時に使います。これは陰圧によって吸着しています。(吸盤効果で動かないようにしています)保険の部分義歯 ・安価に作ることができます。・発音しにくかったり食べ物のの味が変わったりする場合があります。・入れ歯の強度が弱く、寿命が短いと言えます。・残ってる歯にも負担がかかる恐れがあります。・見た目の改善や厚みなどは考慮されません。保険で決められたルールで作る必要があります。コバルトクロムの部分義歯・保険の入れ歯に比べて、強度に優れているため壊れにくいです。・舌が触れる部分を薄く作ることができるため、装着感に優れており、発音もしやすいです。・レジン(保険のプラスチック)の1/3の厚さで作ることができます。・金属が丈夫なので長持ちします。修理も可能なことが多いです。・冷たいものや温かいものが感じられ、食べ物のを美味しく食べることができます。チタンの部分義歯・コバルトクロムの部分義歯より軽く、体に優しく、強固な材料なので金属アレルギーのある方におすすめです。・チタンは人工関節にも使われている金属で、生体親和性に優れています。・薄く作ることができるため、装着感に優れており、発音もしやすいです。・歯垢(プラーク)がつきにくいので汚れにくいです。・冷たいものや温かいものが感じられ、食べ物のを美味しく食べることができます。・チタン合金はコバルトクロム合金よりも硬いので、めったな事では壊れませんが、壊れた場合は修理が難しいです。ノンクラスプデンチャー・柔らかい材料でできており、バネに金属を使わないため、目立ちません。バネ(金属)が気になる方にとてもおすすめです。・今までにないフィット感があり、とても軽いため、違和感がなくなじみやすい入れ歯です。・ノンクラスプデンチャーには材質によって種類がいくつかあります。硬めのものは修理が簡単ですが、柔らかめのものは快適な反面、修理が難しいか不可の場合があります。ノンクラスプデンチャーの入れ歯洗浄剤について入れ歯洗浄剤は、過酸化物・過酸化物+酵素・酵素・次亜塩素酸・銀系無機抗菌剤・生薬・酸・消毒薬などに分類されます。中でも熱に溶けてしまうプラスチック(熱可塑性樹脂)は強アルカリ性または酸性タイプのものを使うと変色や劣化してしまう可能性が高いので、中性タイプ(酵素系、過酸化物+酵素系)がいいです。今市販されているものは弱アルカリ性から中性を示す過酸化物+酵素系・酵素系のものが多いので熱可塑性樹脂への影響は少ないです。入れ歯は洗浄剤を使わないと歯垢(プラーク)が付きやすく、一旦プラスチックの隙間に入り込んでしまうと硬い歯石となってこびりついてしまいます。入れ歯の隙間に入り込んだ歯石は、洗浄剤を使ってもなかなか取り除くことができなくなってしまいます。また入れ歯に歯垢・歯石がついたままだったり、入れ歯を洗わないでおくと、材質の劣化や誤嚥性肺炎や義歯性口内炎のリスクが出てきてしまうので、きちんとお手入れをしましょう。DH関
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口腔ケアと様々な病気
こんにちは(^^)皆さんもゆっくり、少しずつではありますが元の生活に近づけている事と思います。まだまだ大変な時期の中、梅雨も近づきどんよりしがちですが、晴れた日には日光に当たり外の空気を吸って気分転換を忘れずに。今回は口腔ケアと病気の繋がりを調べてみました。『口腔ケア』 とは歯みがきだけではなく、歯ぐき、舌、粘膜など口の中の全てから入れ歯まで含めた清掃のことです。食べ物を咀しゃくし飲み込む機能を維持・回復する口からのどにかけてのリハビリテーションなど、幅広い意味で使われる言葉です。歯と歯の間・歯の付け根部分や、歯と歯ぐきの境目に歯垢が溜まると、虫歯や歯周病になります。口腔ケアを適切に行うことで虫歯や歯周病予防が期待できます。また、口腔ケアは虫歯や歯周病以外にも様々なメリットがあります。どのようなメリトがあるのか、それぞれ説明をしていきます。⚪︎誤嚥性肺炎の予防日本人の死亡原因の上位である肺炎。特に高齢者に多い誤嚥性肺炎は、唾液や飲み物、食べ物が誤って気管から肺に入り込んでしまい、口腔内の細菌が肺に入ってしまうことで起きます。口腔ケアで口腔内の細菌数を減らし、飲み込みの機能を維持向上することで誤嚥性肺炎を防ぐ効果が期待できます。⚪︎唾液の分泌を促す要介護の方の多くが口の機能が低下し、内服薬の副作用などにより唾液が出にくく口腔内が乾燥しがちになります。また、唾液には口の中をきれいに保つ自浄作用もあるので、こちらも低下します。唾液が減って自浄作用が弱くなると虫歯や歯周病になりやすくなります。口腔ケアで口の中を刺激することで唾液が出やすくなります。⚪︎口臭の改善虫歯や歯周病が進行している場合や、舌の表面に汚れが付着すると口臭の原因になります。口腔ケアを行い、歯と歯茎の境目や舌、頬などを優しく擦り口の中を清潔に保つことは口臭を予防します。⚪︎味覚の改善舌に多く汚れが付着したり、口腔内の乾燥が進むと味覚が鈍くなってしまいます。舌ブラシなどを使用して舌をきれいにし、口腔内がしっかり潤ってくると味覚の改善効果があります。味覚が良くなると、食事も薄味で大丈夫になるので成人病予防にもなります。⚪︎認知症の予防歯がほとんどなく入れ歯を使用していない人は20本以上歯が残っている人に比べて1.9倍、あまり噛めていない人は何でも良く噛める人に比べて1.5倍、認知症になる確率が高くなるというデータがあります。歯を大切にする口腔ケアで大切な歯を失わないようにしていきたいですね。⚪︎心臓病や糖尿病の予防歯周病菌が血中に入り込むことで心内膜炎、心筋梗塞や狭心症などの心臓病を引き起こすリスクが高まると言われています。また歯周病が悪化すると、糖尿病も悪化するとも言われています。口腔ケアで歯周病菌を減らしましょう。⚪︎インフルエンザの予防口は食べ物だけでなく、細菌やウイルスの入り口にもなります。歯科医師や歯科衛生士が、専門的な口腔ケアを実施したところ、通常の口腔清掃だけをしていた人に比べ、予防接種の有無にかかわらずインフルエンザの発症が10分の1に抑えられたといった報告があるそうです。口腔内の状況と様々な身体の病気には繋がりがある事が分かりましたね。定期的な歯科検診はもちろん、毎日の自分でのケアがとても大切です。今は元気な方も、感染症予防の為、そして今後の身体の健康の為に口腔ケアをしっかりして清潔な口腔内を保ちましょう! 歯科アシスタント 松本
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『新型コロナウイルス感染症』に関する歯科医師からのご提案
こんにちは、歯科医師の鈴木です。現在、新型コロナウイルスの感染予防のため、歯科治療を控えている患者さまがとても多いです。しかし、歯垢と歯石がついていたり虫歯や歯周病があると、ウイルスによる感染を起こしやすくなります。歯科医師の立場からすると、歯科医院ではコロナウイルスによる感染の騒動が起きる以前からきちんと感染予防対策が行われていますので、決して怖がることなくちゃんと歯科治療を受けられたほうがいいと思います。これからそれについて詳しく説明をしていきます。【歯科の病気の面から】歯科治療を受ける第1の理由は、まず 『虫歯と歯周病の治療』 です。虫歯と歯周病は、ご自分の口の中に存在する細菌による感染症です。そして、自身の免疫力が低下すると、細菌の活動性が高まり、痛みや腫れが出現します。そうならないためにも、できるだけ早く虫歯と歯周病を治す必要があるのです。歯科治療を受ける第2の理由は、『ウイルス感染を未然に防ぐ』 ためです。仮に、ウイルスが口の中に侵入したとします。これらのウイルスは舌や喉で増殖して体の中に入り込みます。しかしそうさせないためには、歯に付着する歯垢をきれいに取り除くのがたいへん効果的です。どうして歯垢を取ることがウイルス感染を防ぐのに効果的かというと、歯垢はウイルスによる感染を助けてしまう のです!歯垢の中には 『プロテアーゼ』 『ノイラミニダーゼ』 という酵素が存在します。これらの酵素はウイルスが実際に口の中に入った後で、ウイルス感染を助けてしまうのです!まず 『プロテアーゼ』のせいで、ウイルスはより粘膜を通過しやすい状態になり、『ノイラミニダーゼ』 のせいで、細胞内で繁殖したウイルスが、他の細胞へと広がりやすくなります。ウイルス感染を防ぐためにも、歯垢、歯石を取り除くことはすごく大事です。お口の隅々まで歯垢を取り除くことは、セルフケアのみでは不可能です。そのためかかりつけの歯科医院で、しっかりと歯垢や歯石をとってもらいましょう。現在テレビをつけると不安をあおるよなうな報道ばかりです。今のような自宅にこもって、不安を感じている状態が続くと心身ともに疲弊してしまいます。お口のトラブルも増えてきて、味覚がおかしい、舌が痛い、しびれる、顎が痛い、どこかわからないが歯が痛いといった症状が出やすくなっています。このような不定愁訴は、心労によるストレスで体の免疫力が低下していることから来ています。そのため、以下で述べるような対策をして、コロナや不安感に負けない体を作っていきましょう。【対策のご提案】対策1.毎日、テレビやネットからコロナの情報(主に悪い情報)が入って来ます。なかなかいいニュースは発信させれません。そのためテレビを見続けていると、だんだん憂鬱になってきてしまいます。頭の中がコロナのことばかりになってしまうのを防ぐため、日中にあえてテレビを見ない、スマホなどでSNSを見ない時間を確保しましょう。その時間は、コロナ情報ではなく他のことに意識を向けましょう。できればポジティブになることや、楽しいことを考えると体の免疫力も高まっていきます。対策2.心と身体は密接な関係があります。ストレスが強いと胃潰瘍になるように、心を病んでいると体の働きも悪くなってしまいます。逆に、体を動かすと心も強くなっていきます。なかなか公園やジムに行くことはできませんが、お家でできるストレッチやエクササイズをやってみましょう。安倍首相も非常事態宣言の時におっしゃっていたように、散歩をするのは何ら問題はありません。ぜひ、ウォーキングやストレッチをしてみてください。体を動かすと血液の循環が良くなり、体の隅々まで細胞が活性化されます。脂肪の減少、筋肉の増強、新肺機能の向上、そしてメンタルの強化にとっても役立ちます。対策3.毎日食後はていねいに歯を磨きましょう。家にいてダラダラしてしまうと、歯磨きもおろそかになってしまい、ウイルス感染のリスクが高まります。歯磨きと一緒にマウスウォッシュも併用するととても効果的です。対策4.歯科医院で歯垢・歯石を取り除いてもらいましょう。かかりつけの医院で決められた間隔で通いましょう。今は痛みがなくても、虫歯や歯周病が悪化したり、ウイルスに感染してからでは遅いのです。定期検診はみなさんの健康を守るためにとても役に立ちます。【おわりに】今、私達に出来る大切な事は、『密集・密接・密閉を避ける事』 です。そして、ウイルス感染しないようにしたり、重症化させないためにできる数少ない予防方法が、『歯の治療』 なのです。歯科医院では、スタッフがマスクとゴーグルをして、使い捨てのものを使ったり器具も殺菌消毒をして感染予防対策をしています。むしろ混んでいるスーパーやコンビニに行くほうがよっぽど感染リスクがあります。虫歯や歯周病になっていたり、定期検診で歯 周病の進行を食い止めている患者さんが歯科治療を止める必要は全くありません。皆さんと、この難局を一緒に乗り越えていきましょう。