谷村歯科医院ブログ
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歯石取りとクリーニングとホワイトニングの違い
みなさんは「歯石取り」「クリーニング」「ホワイトニング」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。 どれも歯をきれいにするイメージがありますが、実際には目的も方法も異なります。 今回は、それぞれの特徴をわかりやすく整理してご紹介します。 1. 歯石取り(スケーリング) 歯石取りは、歯や歯ぐきの境目にこびりついた硬い歯石を除去する処置です。 歯石は、歯垢(プラーク)が唾液中のミネラルと結合して石のように固まったもので、歯ブラシでは落とせません。放置すると歯周病を進行させ、歯ぐきの炎症や出血、さらには歯を失うリスクにもつながります。歯科医院では専用の器具や超音波スケーラーを用いて丁寧に除去します。 目的は見た目を白くすることではなく、歯周病予防と口腔の健康維持です。 2. クリーニング クリーニングは、歯の表面に付着した歯垢やステイン(着色汚れ)を落として、歯を清潔にするケアです。タバコのヤニ、コーヒー・紅茶・ワインなどによる色素沈着が代表的な汚れで、専用のブラシや研磨ペースト、ジェットクリーニングなどを使ってきれいにします。仕上がりは歯が本来の白さに戻り、表面がつるつるになるため汚れが付きにくくなる効果も期待できます。つまり、見た目の改善と予防の両方に役立つケアといえるでしょう。 3. ホワイトニング ホワイトニングは、歯の色そのものを薬剤で漂白して、本来の色以上に白くする審美的な治療です。過酸化水素や過酸化尿素を使って歯の内部の色素を分解し、透明感のある自然な白さを引き出します。クリーニングが「元の色に戻す」処置であるのに対し、ホワイトニングは「歯を今よりさらに白くする」ことが目的です。結婚式や面接、写真撮影など特別なイベントを控えた方、より美しい笑顔を目指したい方に人気があります。 4. 3つの違いをまとめると 歯石取り:歯周病予防・歯ぐきの健康維持が目的 クリーニング:表面の汚れや着色を落とし、清潔さと自然な白さを回復 ホワイトニング:歯そのものを漂白して、より明るい白さを実現 「クリーニングや歯石取りをすれば歯が真っ白になる」と誤解されることがありますが、実際は違います。 基本はまず歯石や汚れを取り除き、その上でさらに白さを求める場合にホワイトニングを行うのが理想的です。 5. 定期的なケアの重要性 歯石は時間が経つほど硬くなり、歯ぐきの奥にまで入り込みます。クリーニングで落とした着色も、食生活によって再び付着します。ホワイトニングの効果も永久ではありません。そのため、定期的な歯科検診とプロフェッショナルケアが欠かせません。毎日のセルフケアに加えて、数か月ごとの歯石取りやクリーニングを続けることで、健康と美しい口元を長く守ることができます。 まとめ 「歯石取り=歯周病予防」「クリーニング=汚れや着色を落とす」「ホワイトニング=歯を漂白して白くする」と整理すると違いがわかりやすいと思います。口元の印象は第一印象を左右する大きな要素です。 健康的で美しい歯を保つために、自分に合ったケアを定期的に取り入れていきましょう。 歯科アシスタント 松本
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インフルエンザ予防と口腔ケアの関係
みなさんこんにちは( * . .) 今日は『インフルエンザ予防と口腔ケアの関係』 についてお話します! インフルエンザ予防には『口の中のケア』が大切です! 寒い季節になると、心配になるのが『インフルエンザ』です。 『手洗い・うがい・マスク』はよく知られていますが、実は お口の中を清潔に保つこと がインフルエンザ予防に役立つことをご存じでしょうか? 今日は、口腔ケアとインフルエンザの関係について、わかりやすくお話しします𖤐 ̖́- 【どうしてお口の中とインフルエンザが関係ある?】 お口の中には、もともとたくさんの細菌が住んでいます。 普段はあまり悪さをしませんが、歯みがきをサボったり、唾液が減ったりすると、細菌が増えてしまいます。 この細菌が出す『酵素』や『毒素』が、インフルエンザウイルスが体に入りやすくする“手助け”をしてしまうのです。 つまり、口の中が不衛生だと、インフルエンザにかかるリスクが高まると言われています。 逆に言えば、毎日の口腔ケアで細菌を減らすことで、ウイルスが侵入しにくくなるのです。 また、高齢者は特に注意です! 研究では、介護施設に入っている高齢者で『毎日歯科衛生士による口腔ケア』を受けているグループの方が、インフルエンザの発症率が明らかに低かったという報告もあります。 高齢者は免疫力が下がりやすく、肺炎やインフルエンザにかかると重症化しやすいため、歯みがきや舌みがき、入れ歯の清掃などがとても大切になります。 【家でできるインフルエンザ予防の口腔ケア】 ① 毎日の歯みがき(1日2〜3回) 特に寝る前の歯みがきは必ず行いましょう。 寝ている間は唾液が減るため、菌が増えやすい時間帯です。 ② 舌の清掃 舌の表面には『舌苔(ぜったい)』と呼ばれる白い汚れがつきます。 ここに菌が多くいるので、舌ブラシややわらかい歯ブラシでやさしく清掃しましょう。 ③ 歯間ケア(フロス・歯間ブラシ) 歯と歯の間は歯ブラシだけでは磨き残しやすい部分です。 菌を減らすために、フロスや歯間ブラシを使いましょう。 ④ 入れ歯の清掃 入れ歯を使っている方は、寝る前に外してしっかり洗い、専用洗浄剤を使うことがおすすめです。 ⑤ うがいで乾燥予防 口やのどが乾燥するとウイルスが付着しやすくなります。うがいや加湿器で乾燥を防ぎましょう。 【歯医者さんでできる予防】 ① 定期的な歯のクリーニング(PMTC) ご家庭の歯みがきでは取りきれない汚れや歯石を除去することで、菌のすみかを減らします。 ② プロによる舌や粘膜のケア 歯だけでなく、お口全体を清潔に保つサポートを受けられます。 ③ お口の乾燥チェック ドライマウスがあると感染リスクが上がります。 歯科で相談すれば対策もアドバイスしてもらえます。 【まとめ】 インフルエンザ予防と聞くと、つい『手洗い・うがい』ばかりに目が向きがちですが、お口の中を清潔に保つこともとても大切です! 特に高齢者や免疫力が下がっている方は、お口の中のケアをしっかり行うことで、感染症の予防につながります。 『歯みがき=むし歯予防』だけではありません。 歯みがきは全身の健康を守る大切な習慣なのです。 この冬はぜひ、ご家族で『お口からできるインフルエンザ予防』を意識してみてくださいね! 歯科衛生士 辻村
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歯痛について
みなさんこんにちは^_^ 「なんとなくしみるな…」「噛むとズキッとする…」そんな小さな違和感を放置していませんか? 歯の痛みは、ある日突然強く現れ、食事や睡眠に支障をきたすこともあります。 最初は我慢できる程度でも、原因を放置するとむし歯や歯周病が進行し、治療が大がかりになることも少なくありません。 早めに受診すれば、シンプルな処置で済むことも多いため、日常の小さなサインに気づいて行動することが大切です。 多くの方が一度は経験する症状ですが、その原因や背景は非常に多岐にわたります。 放置してしまうと悪化してしまうケースも多いため、早めの受診がとても大切です! 今回は、歯痛の主な原因や注意すべきポイントについてご紹介します😊 まず最も多い原因は「むし歯」です。 むし歯は初期段階ではほとんど痛みを感じませんが、進行して歯の神経に近づくと、冷たいものや甘いものがしみるようになり、やがてズキズキとした強い痛みが出てきます。この段階まで放置すると、神経を取る治療(根管治療)が必要になることも少なくありません。 さらに進行すると、炎症が根の先まで広がり、顔が腫れるなどの重症化を招くこともあります。 次に多いのが「歯周病」に関連する痛みです。 歯周病は歯を支える骨や歯ぐきに炎症が起こる病気で、初期の段階では痛みを伴わないことが多いため、自覚しにくいのが特徴です。 しかし、進行すると歯ぐきが腫れたり、膿がたまったりして痛みが生じます。 歯を失う原因の第一位ともいわれる病気ですので、日常的なケアや定期的な検診が欠かせません。 また、「歯の根のトラブル」や「噛み合わせ」が原因で痛みが出ることもあります。 例えば、歯ぎしりや食いしばりが強い方は、歯や歯ぐきに過剰な負担がかかり、鈍い痛みや違和感が続く場合があります。さらに、親知らずが斜めに生えて周囲の歯ぐきを圧迫したり、炎症を起こしたりすることで、強い痛みが生じるケースも少なくありません。 歯痛の特徴として、「冷たいものがしみる」「温かいもので痛む」「噛むと痛い」「何もしていなくてもズキズキする」など、症状の出方が人によって異なります。 こうした違いは、原因を見極めるうえで非常に大切な手がかりになります。 自己判断で市販薬を飲んで一時的にごまかすと、痛みが軽減して安心してしまいがちですが、根本的な治療にはつながりません。 もし歯の痛みが出てきた場合、まず大切なのは「早めに歯科医院を受診すること」です。特に夜眠れないほどの強い痛みや、顔の腫れ、発熱などを伴う場合には、急性の炎症が広がっている可能性があるため、できるだけ早い対応が必要です。 また、痛みを予防するためには、毎日のセルフケアと定期的なプロフェッショナルケアが欠かせません。 歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを併用し、歯と歯の間や歯ぐきの境目を清潔に保つことが大切です! さらに、定期的な歯科検診によって小さなむし歯や歯周病を早期に発見すれば、大がかりな治療を避けられる可能性が高まります。 歯の痛みは、体からの大切なサインです。「まだ大丈夫」と放置せず、気になることがあればお気軽にご相談ください。 また、歯に痛みが出てからでは大変は治療になる可能性が高いため早期発見・早期治療をして口腔内環境を整えましょう! 歯科衛生士 楠 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ:https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
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舌痛症について
こんにちは、歯科医師の鈴木孝美です。 今回は舌がヒリヒリ、ピリピリしたり、痛かったりする『舌痛症』について現在私が所属する学会で分かっている事があるのでそれについて報告したいと思います。 舌痛症(BMS)の分類 ①一次性BMS 舌に傷など見た目の変化がなく、全身的な病気も無い状態での舌の『痛み』『ひりひり』が存在する状態です。 ②二次性BMS 全身的なご病気(糖尿病、貧血、口腔粘膜の異常)がある方が、舌にも痛みやヒリヒリがある状態です。 二次性BMSの場合は原因の病気の治療で治ることが多いです。 二次性であるご病気や舌の傷など無いことをしっかり確認します。 そして二次性ではない場合、多くの舌痛症は一次性BMSに該当します。 原因が分からないのに自分の舌が痛い、ヒリヒリするなんて不安になりますよね。 この一次性BMSの原因が三つ分かっていますのでご説明いたします。 一つ目の原因 舌の知覚神経は実は二つあり、三叉神経の中の舌神経と鼓索神経が舌前3分の2と舌後方3分の1で二つの神経が混在しています。 この二つの神経は研究により二つあることで抑制(お互いに暴走しないように)し合っているのです。 例えは、一つの鼓索神経が傷ついて障害を受けるともう一方の舌神経の機能を抑制できないため神経が暴走してしまう状態が原因と考えられています。 二つ目の原因 舌痛症の患者さんの舌の細胞診(組織を取って病理検査する)を行った結果より分かった原因なのですが、舌痛症の患者さんの細胞にはTRPV1という主に痛みや熱の刺激を感知するイオンチヤンネル型受容体であります。 カプサイシン、43度以上の高温、わさび成分のアリルイソチオシアネートにより活性化され、活性化されると灼熱感のある痛みを引き起こすのです。 舌痛症の患者さんはまさに舌の灼熱感があるため、この理論はとても納得ができます。 三つ目の原因 舌に繰り返される刺激やそれによるストレスにて脳に誤作動が生じることによります。 局所ではなく、脳の中枢が痛みを間違って伝え続けてしまうことによる原因です。 治療法 3つの原因を考えて、アメリカの学会や論文や様々な勉強会で拝聴して今時点で有効な治療法をお話しします。 二つ目の原因より、TRPV1はカプサイシン受容体です。 この受容体は、過度にカプサイシンを与える事で一時的にその痛みが伝わる事が低下する事が分かっているため、口の中にカプサイシンを停滞させる事により治療する事もあるようです。 50㎖の水にタバスコを1~2滴たらした水を口に含ませる治療もあります。 一つ目と三つ目の原因から、症状がお辛い場合は、中枢や神経の暴走を止める抗うつ薬や抗てんかん薬、中枢での神経の間の痛みの伝達を遮断する薬などを使う治療もあります。 さらには漢方薬の治療もあり、むくみの治療に使われる五苓散という漢方薬が舌痛症に効くとの報告があり、一日三回食前にお湯に溶かして服用するとの治療法もあります。 ラフチジンという胃潰瘍の薬がTRPV1受容体の拮抗薬、つまりはTRPV1受容体を働かせないとの事も分かっており、その薬を使用する事もあるようです。 また、口の中をより清潔に保つという意味で舌痛症に抗真菌薬を使用することもあるようです。 ここに列記した治療法は、まだ保険診療では歯科医院で認められていないものが多く、当院では保険診療内でできる患者さんの症状に合わせた治療を行っておりますので、ご安心なさって下さい。 また、当院の治療にてなかなか改善しない場合は、大きな大学病院と連携していますので迅速にご紹介も致しております。 舌痛症は治らない病気ではないため、何かご不安な事がございましたら、何なりとご相談くださいませ。 より詳しく原因を直接ご説明致します。 歯科医師 鈴木孝美 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ:https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
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歯がしみる原因
冷たい飲み物を飲んだ時やアイスを食べたときに、「あれ、歯がしみる?」と思ったことはありませんか? それ、もしかしたら歯からのSOSかもしれません💦 「冷たいものがしみるのって、虫歯?」と思われがちですが、実は原因はひとつではないんです。 今回は、歯がしみる原因とその対策についてお話しします。 原因①:知覚過敏 しみる原因で最も多いのが、この知覚過敏です。 歯の表面は『エナメル質』で守られていますが、歯ぐきが下がったり、歯がすり減ったりすると、その内側にある『象牙質(ぞうげしつ)』がむき出しになります。 この象牙質には神経につながる細い管が通っていて、そこに冷たいものや風が触れるとしみる症状がでます。 ▼こんな方は要注意! •ゴシゴシ強く歯を磨いている •歯ぎしりや食いしばりがある •酸っぱいものや炭酸をよく飲む 市販の知覚過敏用歯みがき粉で症状がやわらぐこともありますが、症状が長引く場合は、歯科医院でのコーティングも効果的です。 原因②:虫歯 虫歯の初期症状でもしみることがあります。 特に、冷たいものや甘いものがしみるときは、虫歯のサインかもしれません。 虫歯がエナメル質の内側、象牙質まで進んでいると、しみ方も強くなります。放っておくと神経まで届き、ズキズキ痛み始めることも…。 ▼虫歯のしみる特徴 •甘いものもしみる •しみる場所がはっきりしている •徐々に痛みが強くなっている 「ちょっとしみるだけだし…」と様子を見るのは危険です⚠️早めに治療すれば、歯を削る量も最小限に抑えられます! 原因③:歯周病・歯ぐき下がり 歯ぐきが下がってくると、歯の根っこの部分が表に出てきます。 ここにはエナメル質がないため、知覚過敏のようにしみやすくなってしまうんです。 ▼こんな症状がある方は歯周病かも? •歯ぐきが赤く腫れている •歯ぐきが下がって歯が長く見える •歯みがきのときに血が出る 歯周病の治療はもちろん、進行を防ぐためのセルフケアも大切です。 原因④:歯のヒビ 見た目は問題なくても、歯に小さなヒビが入っていることがあります。 冷たいものがしみたり、噛んだときに痛みが出たりします。 ▼クラックのしみ方の特徴 •特定の歯だけがしみる •噛むときにズキッと痛む •詰め物の周りがしみることも ヒビの深さによって治療法が異なります。放置せず、早めに診てもらいましょう。 原因⑤:治療直後の一時的な反応 実は、虫歯治療をしたあとや、詰め物・被せ物をしたあとに、一時的にしみることがあります。 これは、神経が一時的に敏感になっている状態で、数日~数週間で自然に落ち着くことがほとんどです。 ただし、痛みがどんどん強くなったり、しみる期間が長引いたりする場合は、神経に炎症が起きているかもしれません。気になるときはすぐに歯科医院へ。 まとめ:しみる原因は人それぞれです。放置せず早めに相談を! 『しみる=知覚過敏』と決めつけてしまいがちですが、虫歯や歯周病、歯のひびなど、原因はさまざまです。 どれも放っておくと悪化してしまうこともあるので、違和感を感じたら早めの受診がおすすめです。 冷たいものがおいしい季節、歯のトラブルで夏を楽しめないのはもったいないですよね。 気になる症状は早めに対処して、快適なお口で夏を満喫しましょう! 何かお困りのことがあれば、いつでもご相談ください。 歯科衛生士 花畑 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ:https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
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ブラキシズムの人の特徴
みなさんは『ブラキシズム』という言葉をご存知でしょうか? あまり聞きなじみがないかもしれませんが、実は多くの方が気づかないうちにこの症状を抱えています。 ブラキシズムとは、無意識のうちに歯を強く噛みしめたり、歯ぎしりをしたりする習慣のことを指します。 寝ている間に起こることが多いため、自覚がない人が多く、放置していると歯や顎、全身にさまざまな影響を及ぼすこともあります。 ◆ブラキシズムの主な種類 まず、ブラキシズムには以下の3つのタイプがあります。 ・グラインディング:上下の歯をギリギリとこすり合わせる(歯ぎしり) ・クレンチング:歯を強く噛みしめる ・タッピング:上下の歯をカチカチと打ち鳴らす いずれも就寝中やストレスのかかる場面で無意識に行われることが多いです。 ◆ブラキシズムの人に見られる特徴 以下のような症状や傾向がある方は、ブラキシズムの可能性が高いと考えられます。 1. 歯がすり減っている・欠けている 上下の歯がこすれ合うことで、歯の表面(エナメル質)が削れて平らになったり、欠けたりすることがあります。かみ合わせの歯同士が『ぴったり合いすぎている』状態も要注意です。 2. 顎が疲れる、痛い、音がする 噛む筋肉に強い負担がかかるため、朝起きたときに顎が疲れている、または顎関節にカクカクと音がするなどの症状が出ることがあります。 3. 詰め物・被せ物がよく外れる 歯への過剰な力が原因で、詰め物や被せ物が頻繁に取れる場合は、ブラキシズムを疑う必要があります。 4. 知覚過敏がある 歯のすり減りや歯ぐきの退縮によって、冷たいものがしみるようになることもあります。 5. 肩こり・頭痛・首の痛みがある 一見関係なさそうですが、慢性的な噛みしめは筋肉の緊張を引き起こし、肩こりや頭痛の原因にもなります。 ◆なぜブラキシズムが起きるのか? 原因はさまざまですが、代表的なものは以下の通りです。 ・ストレスや精神的緊張 ・かみ合わせの異常 ・生活習慣や姿勢の問題 ・遺伝的要因 特にストレスが大きな要因とされており、現代社会では年齢や性別を問わず、誰にでも起こり得る症状です。 ◆対策・治療法はあるの? 歯科では、ブラキシズムへの対策として『ナイトガード(マウスピース)』の装着をおすすめすることが多いです。これは寝ている間に歯を保護する装置で、歯の摩耗や顎関節への負担を軽減します。 「マウスピースとつけると違和感で寝られないのでは?」と思われるかもしれませんが、殆どの方が問題なく寝ることができるようで、逆に「ぐっすり眠れるようになった」と喜んでいる患者さんがとても多いです。 当院で実際に作製したナイトガード(マウスピース)。患者さんのお口に合わせて一つずつ精密に作っています。 ナイトガードに加えて、ストレスマネジメントや生活習慣の見直し、かみ合わせの調整なども重要なポイントになります。 実は最近このブラキシズムに対する治療方法として『ボトックス注射(ボツリヌストキシン)』が脚光を浴びるようになってきました。 ボトックス注射は、美容外科やエステでヒアルロン酸と同様にとてもメジャーな治療方法になります。 美容外科ではボトックス注射は主にシワの防止等、美容や見た目の改善のために使用します。 しかし歯科ではボトックス注射を治療行為、すなわちブラキシズムの改善として使用します。 ボトックス注射が筋肉を動きを制限し、力を弱める作用を利用して、ブラキシズムの改善として噛む筋肉である『咬筋』に注射をします。 ボトックスがブラキシズムを止めるわけではありませんが、噛む筋肉の過剰な力が弱まり、歯がかけたり詰め物が外れることを防ぐことができます。 ボトックスの効果は約半年前後と言われていますので、数か月に一度の注射で効果が持続します。歯ぎしりで悩んでいる方、他の方法で改善しなかった方に特におすすめです。 このボトックス治療ですが、ブラキシズム対策として取り入れている歯科医院はまだまだ少ないのが現状です。 当院では専門の講習を受けたベテランの口腔外科医が在籍していますので、当院でボトックス治療を受けることができます。 ブラキシズムは放っておくと、歯の破損や顎関節症、体の不調につながる可能性があります。 『朝起きたときに顎が痛い』『歯がすり減ってきた』などの気になる症状がある方は、ぜひ一度、歯科医院でご相談ください。 早期発見・対策によって、大切な歯や健康を守ることができます。 歯科アシスタント 松本 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ:https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
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熱中症対策のスポーツドリンクと虫歯の関係𖤐 ̖́-
今回は、『熱中症対策のスポーツドリンクと虫歯の関係』について説明いたします。 近年は猛烈な暑さによる熱中症が増えています。熱中症対策として多くの方が利用しているのが、ポカリスエットやアクエリアスなどの『スポーツドリンク』です。 適切な水分・電解質の補給はとても大切ですが、実はスポーツドリンクには虫歯のリスクが潜んでいることをご存じですか? 今回は、スポーツドリンクと虫歯の関係、そして歯を守るための工夫についてお話しします! ◆ スポーツドリンクに含まれる『糖』と『酸』 スポーツドリンクは体内の水分やミネラル(ナトリウム・カリウムなど)を効率よく補うために作られていますが、飲みやすくするために糖分や酸味料が含まれています! たとえば、500mlのスポーツドリンク1本には、角砂糖5〜8個分の糖が含まれていることもあります。 さらに、pHも3〜4程度と酸性が強く、歯の表面のエナメル質を溶かしてしまう『酸蝕症』の原因になることも! つまりスポーツドリンクは、『虫歯の原因菌が喜ぶ糖分』と『歯を溶かす酸性』の両方を含んでいるため、虫歯のリスクがとても高い飲み物といえるのです! ◆ 夏はスポーツドリンクを飲む機会が増える 真夏は、部活動や外遊び、屋外イベント、仕事などで汗を大量にかき、脱水症状を防ぐために頻繁に水分補給をします。 その際にスポーツドリンクを習慣的に飲んでいると、歯は長時間にわたって糖と酸にさらされ続けることになります! 特に、ちびちび時間をかけて飲む、夜寝る前に飲む、常に持ち歩いて飲んでいるといった習慣は要注意です! 通常お口の中は、酸性度の高い食べ物や飲み物を飲んでも唾液で洗い流して時間がたつと中性になります。 しかし常に飲んでいると唾液による中和が追いつかず、虫歯になりやすい口内環境になってしまいます! ◆ 虫歯を防ぐためのポイント とはいえ、「熱中症は重症だと命に関わるから、虫歯のことは後回しでいいよー」という気持ちもわかります。 そこで、熱中症対策としてスポーツドリンクを上手に取り入れつつ、しかも歯を守るためのコツを紹介します。 ① 一気に飲む ちびちび飲まずに、のどが渇いたときは短時間でゴクッと飲むことで、歯に糖分が触れる時間を短くできます! お口の中で味わうようにじっくりと飲むのはやめましょう。 ② 飲んだ後は水やお茶でゆすぐ 口の中に糖や酸が残らないように、飲んだ後は水やお茶で軽くうがいをすると効果的です! お口をゆすぐ際は、奥歯の方までしっかりとブクブクすることが大事です。 ③ ストローを使う スポーツドリンクができるだけ歯に触れないように、ストローで飲むのもいいです! 最近はペットボトルの他に、保冷ボトルでシリコンのストローが付いたものもあるのでそちらにスポーツドリンクの中身を入れ替えて使うのもいいでしょう。 ④ 寝る前のスポーツドリンクはNG 寝ている間は唾液の量が減るため、虫歯のリスクが上がります。 就寝前の飲用は控えるようにしましょう! ⑤ 歯磨きを忘れずに 特にスポーツドリンクをよく飲む日は、フッ素入りの歯みがき粉で丁寧にブラッシングを。 デンタルフロスや歯間ブラシも使えるとさらにいいです! ◆ 虫歯のない夏を過ごそう! 夏は虫歯が増えやすい季節です。とくにお子さんや学生さんは、生活リズムが乱れやすく、ついついダラダラ飲みをしてしまいがちです。 また寝る前はスポーツドリンクを飲まず、麦茶など糖を含まない飲み物を飲むようにしましょう。 スポーツドリンクは熱中症を防ぎ体力の消耗を少なくする飲み物で、決して『悪者』ではありませんが、使い方を誤ると歯にとっては大きなリスクになります! 水分補給の方法を工夫し、日頃のケアを心がけることで、熱中症も虫歯も防げる健康な夏を過ごしましょう! 歯科衛生士 辻村 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ:https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
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皆さん歯科検診行けてますか?
みなさんこんにちは( ¨̮ ) 歯科検診最近行けてますか? 虫歯や歯周病を未然に防ぐために欠かせないのが『歯科検診』です。 特に大人から高齢者にかけては、お口のトラブルが全身の健康に影響することがあるため、予防の意識がとても大切です! 〇どうして検診した方がいいの? みなさんは歯を失う原因1位はなんだと思いますか? 実は、歯周病が虫歯を上回って1位なんです。 歯周病は歯を失う大きな原因の1つであり、自覚症状のないまま進行してしまうことも少なくありません。 歯科検診では歯茎の状態や歯石の有無をチェックし、必要があればクリーニングやブラッシング指導を行います。 虫歯も同様で、早期発見・早期治療が歯を守るカギ。 小さな虫歯を放っておくと、神経の治療や抜歯が必要になることもあります。 〇バイオフィルム プラークはバイオフィルムと呼ばれる強固な最近の膜を作ります。 これに守られ、細菌はさらにどんどん繁殖します。 排水口のぬめりもバイオフィルムの一種です。 ほんの数時間で出来てしまい、とても強固なため歯磨きでは取れません。歯科医院にて落としてもらいましょう。 〇検診の流れ 1.問診 患者さんから、痛むところなどはないか、日頃からご自身で気になっていることや困っていることがないか、お話を伺います。 必要に応じてレントゲンこ撮影を行います。 2.歯茎の検査 歯科衛生士が専用の器具を使って歯周ポケットの深さを測ります。 歯周ポケットとは歯と歯ぐきの間の溝の事で、歯周ポケットの深さが歯周病の程度の目安になります。 歯茎の出血があるかどうか、歯がぐらついていないかも確認し、その程度を数値で記録します。 今後はこの数値の維持または改善を目指してケアをしていきます。 3.歯石取り 歯に付着している歯垢や歯石をきれいに除去します。 4.ブラッシング指導 定期的に歯石を取っていても日頃のケアが上手く出来ていないと歯周病が進行したり虫歯が出来やすくなってしまいます。 そのため、適切なブラッシングの仕方やフロス、歯間ブラシの使い方も一緒に確認していきます。 〇虫歯の早期発見、早期治療 虫歯は痛くなってからでは、手遅れの場合が多いです。 初期の虫歯は痛みが出ないこともありますので定期的なチェックが必要不可欠です。 早期治療のメリットとして初期虫歯の治療は比較的簡単で費用も抑えられます。 〇お口の中の健康と全身の健康の関係性 お口の健康は体全体にも影響を与えます。 歯周病の原因菌が血管に入り込むと、動脈硬化や糖尿病の悪化につながるリスクもあるのです。 さらに、高齢者に多い「誤嚥性肺炎」も、口腔内の細菌が原因となることが多く、日頃の口腔ケアと定期的なチェックが予防に役立ちます! 〇ドライマウス(口腔乾燥症) 年齢を重ねると、唾液が減る「ドライマウス」や、合わない入れ歯の不快感といったお悩みも増えてきます。 こうした問題も、検診で相談することで早めに対処できます。 「少し話しづらい」「食べづらい」といった小さなサインが、実はお口の衰え(=オーラルフレイル)の始まりかもしれません。 〇検診の頻度 検診の頻度としては、一般的に歯石が付くのが2-3ヶ月くらいと言われているのでなるべく3ヶ月に1回は検診を受けていただくのがおすすめです。 特に歯周病のリスクが高い方や、過去に治療歴のある方は、もう少し短い間隔での通院をオススメすることもあります。 〇まとめ 歯医者さんは苦手だなぁーと感じる方も多いとは思いますが、谷村歯科医院ではなるべく痛みに配慮した治療、また声がけ等も行いながら進めていきますので安心してなんでもご相談ください! 一人ひとりに寄り添った治療を行います♩ 歯科衛生士 池田 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ:https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
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頭痛で悩んでいませんか?
こんにちは、歯科医師・口腔外科医の鈴木です。 私が所属しています 『日本口腔顔面痛学会』 にて、現在頭痛がある方を日本頭痛学会に所属している 『頭痛専門医』 に紹介する活動を行っております。そのような経緯で、今回は 『頭痛』 についてお話いたします。 また今回は脳に腫瘍や病気がないのに『頭が痛い』という、いわゆる 『頭痛そのものが病気』 である一次性頭痛の中の 『片頭痛』 について記載したいと思います。 まず頭痛について解説する前に、一次性頭痛の種類を簡単に説明をしていきます。 国際頭痛分類第三版(ICHD-3)では一次性頭痛は次のように分かれています。 一次性頭痛の分類 ① 片頭痛 ② 緊張型頭痛 ③ 三叉神経自律神経性頭痛(TACs、群発頭痛) ④ その他の一次性頭痛 この中で一番多い頭痛が、②の緊張型頭痛です。 主に身体的・精神的ストレスや長時間同じ姿勢からくる肩や首の筋肉のこりが原因です。 治療法は一般的な鎮痛剤を服用することで治り、この頭痛は誰でも起こりうる一般的な頭痛です。 さらに今回は起るととても辛い、①の片頭痛についてお話します。 片頭痛の特徴 ① 一ヶ月に1~2回の発作、数時間から三日持続 ② 悪心・嘔吐を伴う ③ 日常生活に支障をきたす痛み ④ 光、音に敏感になり静かにしていたい ⑤ 体位の変化や運動で傷みが増強する ⑥ 頭痛が起る前に「前兆症状」がおこる 片頭痛の症状は多種多様です。以下にイラストにした図を示します。 このように片頭痛は様々な症状を伴い、世界における日常生活に支障をきたす疾患として腰痛の次の第二位となっております。 つまり片頭痛は生命を脅かす疾患ではないが、生活を脅かす疾患なのです。 片頭痛があると以下のような生活に支障があります。 ・人との約束を遠ざけてしまう ・仕事に集中できない ・次に来る発作が不安になる ・仕事を休んでしまう ・家族との時間を犠牲にしている ・周りの人の理解が得られない など、仕事の生産性の低下による間接経費も生まれ、さらには金銭に代えがたい損失がありこれは救済したい病気です。 幸いにも現在は片頭痛に関する研究がかなり進み、片頭痛の予防治療薬が2021年に開発され片頭痛は正しい治療が行われれば97%治療満足度が高くなる疾患です。 片頭痛の時間的経過 片頭痛には4つの病態経過があります。 ① 予兆期 頭痛が起る前の数時間から48時間起こる症状で、食欲亢進、疲労感、あくび、集中力低下、首の後ろの緊張などがあります。 ② 前兆期 頭痛が起る前の5分から60分起こる症状で、閃輝暗点(せんきあんてん)←視界にギザギザや稲妻のような光が現れ、徐々に広がって視界の一部が見えにくくなる一過性の視覚異常です。 ③ 頭痛期 数時間から三日以内に起こる頭痛 ④ 回復期 頭痛発作後平均23時間以内に起こる症状で、食欲低下、疲労感、気分的高揚、抑うつなどのものがあります。 この4つの病態以外の時間を 発作間欠期 といいます。 基本的には片頭痛がない時期のことを指すのですが、実際この間にもなにかしらの嫌な症状が存在する方が多いのです。 片頭痛の治療 治療においては、前述の4つの病態に合わせて、今どこの病態だからその病態についての治療薬が確立されております。 かなり研究が進み、片頭痛の治療は治療薬が確立されていますのでなるべく迅速な確定診断が必要となってきます。 片頭痛を早く治す事として片頭痛の慢性化を予防することが重要であり発作回数が増えると慢性片頭痛に変容してしまい更に治療に長い期間かかってしまいます。 更に長い期間の頭痛は知らず知らずのうちに鎮痛剤を多く飲む期間が増え、 薬剤(鎮痛剤)の使用過多による頭痛(MOH) を併発してしまいます。 簡単に薬剤の使用過多による頭痛(MOH)について説明します。 薬剤(鎮痛剤)の使用過多による頭痛(MOH) 一次性頭痛を持つ患者さんが、三ヶ月を超えて、一ヶ月に10日/15日以上鎮痛剤を服用するとさらに一ヶ月に15日以上起る頭痛の事を意味します。 単一鎮痛剤だと一ヶ月に15日以上服用する、複合薬剤だと一ヶ月に10日以上鎮痛剤を服用するとこの頭痛になってしまいます。 複合薬剤というのは、一般鎮痛剤でも複数の種類の鎮痛剤が入っている薬の事です。 MOHになってしまうと、鎮痛剤を飲み過ぎて片頭痛が悪化して片頭痛自体が悪化してしまいます! まとめ 片頭痛は漢字が片となっているため左右どちらかと思われがちですが、左右両側に起こることもあります。 片頭痛を見つける方法として4つの質問に答えるだけで分かる 片頭痛スクリーナー という問診があります。 今現在起こっている、つらいご自身の頭痛が何かがすぐ分かりますので、もし頭痛でお困りでしたら、頭痛専門医と連携していますので迅速にご紹介致しますので、ぜひお話くださいませ。 頭痛のために、友達や家族との予定をキャンセルしたり、仕事に行けなかったり、自分を責めてしまったり、ついつい責任感が強くて我慢されたりする方もたくさんいらっしゃると思います。 お困りの際にはお力になれますので、ご相談くださいませ。 歯科・口腔外科医 鈴木孝美 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ:https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
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インプラントのメリット、デメリットについて
みなさんこんにちは(^ ^) 今回はインプラントについてお話ししていきます。 歯を失ったときの治療方法として、入れ歯やブリッジと並んで注目されているのが『インプラント治療』です。 インプラントは見た目や使い心地が自然に近く、多くの人が選ぶようになっていますが、当然ながらメリットだけでなくデメリットも存在します。 ここでは、インプラントの特徴を簡単に紹介しながら、メリットとデメリットをわかりやすく説明していきます。 ■ インプラントとは? インプラントとは、歯を失った部分の顎の骨に、チタン合金製の人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯(上部構造)を装着する治療法です。 人工歯根が骨としっかり結合することで、自分の歯のように何でもしっかり噛むことができるのが特徴です。 ■ インプラントのメリット 1. 自然な見た目と噛み心地 インプラントは顎の骨に直接埋め込むため、安定性が高く、見た目も天然の歯に近く仕上げることができます。 また、骨としっかりと固定されているので、硬いものでも噛む力をしっかり伝えられ、食事の不自由さがほとんどありません。 2. 周囲の歯に負担をかけない ブリッジのように、隣の健康な歯を削って土台にする必要がありません。 そのため、他の歯にダメージを与えずに治療できるのが大きな利点です。 3. 顎の骨がやせにくい 歯が抜けたまま放置すると、顎の骨は徐々にやせていきます。 インプラントは骨に力が加わるため、骨の吸収を防ぎやすく、顔の輪郭や噛み合わせの維持にも効果的です。 4. 長持ちしやすい 適切なメンテナンスを行えば、インプラントは10年以上持つことも多く、入れ歯やブリッジよりも長期間使用できるケースがあります。 インプラントの材料のチタン合金は人工関節にも使われているアレルギーの少ない生体材料です。 5. 入れ歯のように取り外しがいらない 入れ歯は複雑な構造をしているので、食後は毎回外して洗う必要があり余す。 インプラントは本体とかぶせものがネジでしっかりと固定されており、取り外す必要がありません。 ■ インプラントのデメリット 1. 手術が必要 インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込む外科手術を行うため、体への負担がある程度かかります。 手術に対する不安がある方や、全身疾患(重度の骨粗鬆症・糖尿病や脳梗塞、心臓疾患など外科処置全般に関する禁忌症)がある方は適応できないこともあります。 2. 治療期間が長い インプラントは手術後、骨としっかり結合するのを待つ『治癒期間』が必要です。 通常、治療が完了するまでに3ヶ月以上かかるため、すぐに終わる治療ではありません。 3. 費用が高額 インプラント治療は保険適用外(自由診療)であることが多く、1本あたり数十万円かかるのが一般的です。 保険適用の入れ歯やブリッジより高額なため、経済的な負担が大きくなります。 ただし自費治療の入れ歯やブリッジを選ぶと、ほとんど同じくらいの金額になります。 4. メンテナンスが必要 インプラントも天然の歯と同様、定期的なケアが必要です。 けっしてメンテナンスが不要ではありません。 特に『インプラント周囲炎』と呼ばれる歯周病のような炎症が起きると、インプラントが抜け落ちる可能性もあります。 日々のていねいな歯磨きと、定期的な歯科検診が不可欠です。 5. 骨の量や質によってはできないこともある 顎の骨が十分にない、または骨がやせている場合、インプラントを支える力が足りず、治療できないこともあります。 そのためインプラント治療を希望してもこのような理由で断られることがあります。 しかし当院では骨を増やす手術ができるベテランの口腔外科医が在籍していますので、適切の治療計画の下にインプラント治療が可能となっています。 ■ まとめ インプラントは、見た目や噛む機能の点で非常に優れた治療法であり、日常生活の快適さを大きく向上させることができます。 また、結果的に他の歯の過剰な負担が減るために、歯全体を守ることにもつながります。 メリット・デメリットをよく考えて、自分の口の状態やライフスタイルに合っているかどうか判断する必要があります。 歯科医師とよく相談し、他の治療法(入れ歯・ブリッジなど)と比較しながら最適な選択をすることが大切です。 当院ではインプラントの各種認定を受けた院長と口腔外科医の二人で担当しますので、安心してインプラント治療をしていただくことができます。 インプラント治療に関して詳しく聞きたい方はご気軽にお声掛けください🎶 歯科衛生士 花畑