ブラキシズムの人の特徴
みなさんは『ブラキシズム』という言葉をご存知でしょうか?
あまり聞きなじみがないかもしれませんが、実は多くの方が気づかないうちにこの症状を抱えています。
ブラキシズムとは、無意識のうちに歯を強く噛みしめたり、歯ぎしりをしたりする習慣のことを指します。
寝ている間に起こることが多いため、自覚がない人が多く、放置していると歯や顎、全身にさまざまな影響を及ぼすこともあります。
◆ブラキシズムの主な種類
まず、ブラキシズムには以下の3つのタイプがあります。
・グラインディング:上下の歯をギリギリとこすり合わせる(歯ぎしり)
・クレンチング:歯を強く噛みしめる
・タッピング:上下の歯をカチカチと打ち鳴らす
いずれも就寝中やストレスのかかる場面で無意識に行われることが多いです。
◆ブラキシズムの人に見られる特徴
以下のような症状や傾向がある方は、ブラキシズムの可能性が高いと考えられます。
1. 歯がすり減っている・欠けている
上下の歯がこすれ合うことで、歯の表面(エナメル質)が削れて平らになったり、欠けたりすることがあります。かみ合わせの歯同士が『ぴったり合いすぎている』状態も要注意です。
2. 顎が疲れる、痛い、音がする
噛む筋肉に強い負担がかかるため、朝起きたときに顎が疲れている、または顎関節にカクカクと音がするなどの症状が出ることがあります。
3. 詰め物・被せ物がよく外れる
歯への過剰な力が原因で、詰め物や被せ物が頻繁に取れる場合は、ブラキシズムを疑う必要があります。
4. 知覚過敏がある
歯のすり減りや歯ぐきの退縮によって、冷たいものがしみるようになることもあります。
5. 肩こり・頭痛・首の痛みがある
一見関係なさそうですが、慢性的な噛みしめは筋肉の緊張を引き起こし、肩こりや頭痛の原因にもなります。
◆なぜブラキシズムが起きるのか?
原因はさまざまですが、代表的なものは以下の通りです。
・ストレスや精神的緊張
・かみ合わせの異常
・生活習慣や姿勢の問題
・遺伝的要因
特にストレスが大きな要因とされており、現代社会では年齢や性別を問わず、誰にでも起こり得る症状です。
◆対策・治療法はあるの?
歯科では、ブラキシズムへの対策として『ナイトガード(マウスピース)』の装着をおすすめすることが多いです。これは寝ている間に歯を保護する装置で、歯の摩耗や顎関節への負担を軽減します。
「マウスピースとつけると違和感で寝られないのでは?」と思われるかもしれませんが、殆どの方が問題なく寝ることができるようで、逆に「ぐっすり眠れるようになった」と喜んでいる患者さんがとても多いです。
当院で実際に作製したナイトガード(マウスピース)。患者さんのお口に合わせて一つずつ精密に作っています。
ナイトガードに加えて、ストレスマネジメントや生活習慣の見直し、かみ合わせの調整なども重要なポイントになります。
実は最近このブラキシズムに対する治療方法として『ボトックス注射(ボツリヌストキシン)』が脚光を浴びるようになってきました。
ボトックス注射は、美容外科やエステでヒアルロン酸と同様にとてもメジャーな治療方法になります。
美容外科ではボトックス注射は主にシワの防止等、美容や見た目の改善のために使用します。
しかし歯科ではボトックス注射を治療行為、すなわちブラキシズムの改善として使用します。
ボトックス注射が筋肉を動きを制限し、力を弱める作用を利用して、ブラキシズムの改善として噛む筋肉である『咬筋』に注射をします。
ボトックスがブラキシズムを止めるわけではありませんが、噛む筋肉の過剰な力が弱まり、歯がかけたり詰め物が外れることを防ぐことができます。
ボトックスの効果は約半年前後と言われていますので、数か月に一度の注射で効果が持続します。歯ぎしりで悩んでいる方、他の方法で改善しなかった方に特におすすめです。
このボトックス治療ですが、ブラキシズム対策として取り入れている歯科医院はまだまだ少ないのが現状です。
当院では専門の講習を受けたベテランの口腔外科医が在籍していますので、当院でボトックス治療を受けることができます。
ブラキシズムは放っておくと、歯の破損や顎関節症、体の不調につながる可能性があります。
『朝起きたときに顎が痛い』『歯がすり減ってきた』などの気になる症状がある方は、ぜひ一度、歯科医院でご相談ください。
早期発見・対策によって、大切な歯や健康を守ることができます。
歯科アシスタント 松本
谷村歯科医院
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