歯石取りとクリーニングとホワイトニングの違い
みなさんは「歯石取り」「クリーニング」「ホワイトニング」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。
どれも歯をきれいにするイメージがありますが、実際には目的も方法も異なります。
今回は、それぞれの特徴をわかりやすく整理してご紹介します。
1. 歯石取り(スケーリング)
歯石取りは、歯や歯ぐきの境目にこびりついた硬い歯石を除去する処置です。
歯石は、歯垢(プラーク)が唾液中のミネラルと結合して石のように固まったもので、歯ブラシでは落とせません。
放置すると歯周病を進行させ、歯ぐきの炎症や出血、さらには歯を失うリスクにもつながります。
歯科医院では専用の器具や超音波スケーラーを用いて丁寧に除去します。
目的は見た目を白くすることではなく、歯周病予防と口腔の健康維持です。
2. クリーニング
クリーニングは、歯の表面に付着した歯垢やステイン(着色汚れ)を落として、歯を清潔にするケアです。
タバコのヤニ、コーヒー・紅茶・ワインなどによる色素沈着が代表的な汚れで、専用のブラシや研磨ペースト、ジェットクリーニングなどを使ってきれいにします。
仕上がりは歯が本来の白さに戻り、表面がつるつるになるため汚れが付きにくくなる効果も期待できます。
つまり、見た目の改善と予防の両方に役立つケアといえるでしょう。
3. ホワイトニング
ホワイトニングは、歯の色そのものを薬剤で漂白して、本来の色以上に白くする審美的な治療です。
過酸化水素や過酸化尿素を使って歯の内部の色素を分解し、透明感のある自然な白さを引き出します。
クリーニングが「元の色に戻す」処置であるのに対し、ホワイトニングは「歯を今よりさらに白くする」ことが目的です。
結婚式や面接、写真撮影など特別なイベントを控えた方、より美しい笑顔を目指したい方に人気があります。
4. 3つの違いをまとめると
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歯石取り:歯周病予防・歯ぐきの健康維持が目的
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クリーニング:表面の汚れや着色を落とし、清潔さと自然な白さを回復
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ホワイトニング:歯そのものを漂白して、より明るい白さを実現
「クリーニングや歯石取りをすれば歯が真っ白になる」と誤解されることがありますが、実際は違います。
基本はまず歯石や汚れを取り除き、その上でさらに白さを求める場合にホワイトニングを行うのが理想的です。
5. 定期的なケアの重要性
歯石は時間が経つほど硬くなり、歯ぐきの奥にまで入り込みます。クリーニングで落とした着色も、食生活によって再び付着します。ホワイトニングの効果も永久ではありません。
そのため、定期的な歯科検診とプロフェッショナルケアが欠かせません。
毎日のセルフケアに加えて、数か月ごとの歯石取りやクリーニングを続けることで、健康と美しい口元を長く守ることができます。
まとめ
「歯石取り=歯周病予防」「クリーニング=汚れや着色を落とす」「ホワイトニング=歯を漂白して白くする」と整理すると違いがわかりやすいと思います。
口元の印象は第一印象を左右する大きな要素です。
健康的で美しい歯を保つために、自分に合ったケアを定期的に取り入れていきましょう。
歯科アシスタント 松本