乾燥に負けない!唾液で守るお口の健康

秋から冬にかけて空気が乾燥し、肌やのどのカサつきが気になる季節になりました。

実はこの 『乾燥』 は、お口の中にも大きな影響を与えることをご存じでしょうか?
『最近お口がネバつく』 『口臭が気になる』 『食べ物が飲み込みにくい』――
そんな症状がある方は、唾液の分泌が減っている可能性があります。

🩺 唾液は“お口の健康を守る万能液”

唾液はただの水分ではありません。健康な大人では1日におよそ1〜1.5リットルもの唾液が分泌され、
その中には細菌を抑えたり、歯を修復したり、食べ物を消化する成分が含まれています。

唾液の成分

  • アミラーゼ:でんぷんを分解し、消化を助ける。
  • リゾチーム・ラクトフェリン:細菌の増殖を抑える。
  • カルシウム・リン酸:歯の再石灰化を促し、むし歯を防ぐ。
  • ムチン:お口の中を潤し、粘膜を保護する。

このように唾液は、むし歯・歯周病・口臭・口内炎を防ぐ“天然のマウスウォッシュ”ともいえる存在です。

🌬️ 乾燥と唾液の関係

冬になると、空気の乾燥や暖房による湿度の低下で体内の水分が失われやすくなります。
また、寒さで水を飲む量が減ったり、マスク生活による口呼吸が増えることで、
お口の中も乾燥しやすい状態になります。

さらに、加齢・ストレス・薬の副作用(抗アレルギー薬・降圧薬など)も唾液分泌を減らす原因となります。

唾液が減ると、次のような問題が起こりやすくなります:

  • むし歯・歯周病になりやすい
  • 口臭が強くなる
  • 口内炎や粘膜の荒れが増える
  • 食べ物を飲み込みにくくなる

💡 唾液を増やすには?日常でできるケア

唾液を増やすためのキーワードは『刺激』と『水分補給』です。
すぐに実践できる方法を紹介します。

① よく噛む

しっかり噛むことで唾液腺が刺激され、唾液の分泌が活発になります。
食事では繊維質の多い野菜や噛みごたえのある食材を取り入れましょう。
『よく噛む』ことは、消化を助けるだけでなく、脳の活性化にもつながります。

② こまめに水分をとる

のどが渇いていなくても、こまめに水分をとることが大切です。
特に睡眠中や暖房の効いた部屋では乾燥が進みやすいため、寝る前や起床時に一口の水を。
コーヒーやアルコールは利尿作用があり、逆に乾燥を悪化させるため控えめにしましょう。

③ 唾液腺マッサージ

唾液をつくる『唾液腺』を刺激することで、分泌が促されます。

  • 耳下腺:耳たぶの前を指の腹でやさしく円を描くように5〜10回マッサージ。
  • 顎下腺:下あごの内側を、親指で押すようにゆっくりほぐす。
  • 舌下腺:あごの真ん中の内側を、軽く押すようにマッサージ。

力を入れすぎず、入浴中や歯みがき後にリラックスしながら行うのがおすすめです。

④ 鼻呼吸を意識する

口呼吸は乾燥の最大の原因の一つ。
マスクの下でも意識して鼻呼吸を心がけましょう。

🤔 唾液とお口の健康Q&A

Q1. 唾液が減るとむし歯になりやすいのはなぜ?
A. 唾液が少ないと酸を中和する力が弱まり、再石灰化が起こりにくくなります。
そのため、歯の表面が溶けやすく、むし歯が進行しやすくなるのです。

Q2. 唾液の量は増やせる?
A. 生活習慣の改善で分泌を促すことが可能です。
よく噛む、マッサージをする、水分をとる、リラックスするなどを習慣にしましょう。

Q3. ドライマウスを放っておくと?
A. 放置するとむし歯・歯周病・口臭・誤嚥性肺炎など、全身の健康にも影響を与えることがあります。

気になる乾きやネバつきがある方は、早めに歯科医院で相談しましょう。

🌸 まとめ

唾液は『歯を守る』『菌を減らす』『粘膜を守る』など、お口の健康を支える欠かせない存在です。
秋冬の乾燥する季節こそ、唾液の力を味方につけて、潤いのある健康なお口を保ちましょう

『お口の乾き』『ネバつき』『飲み込みにくさ』が気になる方は、早めのケアでトラブルを防ぐことができます。
ぜひお気軽にご相談ください。

歯科衛生士 山中

谷村歯科医院
ネット予約はこちらから
〒157-0072
東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階
TEL:03-3789-8241
URL:https://tanimurashika.jp/
Googleマップ:https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7