【歯科医師監修】血液をサラサラにする薬(抗血栓薬)を飲んでいる方の歯科治療・抜歯について
こんにちは、歯科医師の鈴木孝美です。
今回は、皆様の中にもお飲みになっている方がいらっしゃるかもしれない、**「血液をサラサラにするお薬(抗血栓薬)」**と歯科治療の関係についてお話ししたいと思います。
高血圧や心疾患などの治療で処方されることが多いお薬ですが、実は歯科での外科処置(抜歯など)に深く関わってきます。
血液をサラサラにする薬(抗血栓薬)とは?
抗血栓薬(こうけっせんやく)とは、血管の中で血が固まって血栓ができるのを防ぐお薬です。血栓ができるメカニズムの違いによって、大きく2つの種類に分けられます。

① 抗凝固薬(こうぎょうこやく)
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代表的なお薬: ワルファリン、直接作用型経口抗凝固薬(DOAC:ドゥアック)など
② 抗血小板薬(こうけっしょうばんやく)
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代表的なお薬: アスピリンなど

上の図には、代表的なお薬の名前を挙げています。もし、ご自身が飲まれているお薬がこの中にありましたら、受診時に必ず私たち歯科医師・スタッフにお知らせください。 (※人によっては、抗血小板薬と抗凝固薬の2種類を併用されている場合もあります。)
自己判断でお薬を止めるのは「絶対にNG」です!
「血液をサラサラにする薬を飲んでいると、歯を抜いた時に血が止まらなくなるのでは?」とご不安に思われる方も多いでしょう。確かに、外科処置時に出血が止まりにくくなるリスクはあります。
しかし、出血を恐れて患者様ご自身の判断でお薬を飲むのをやめてしまうのは非常に危険です。 お薬を中断することで血栓ができやすくなり、重篤な心臓病や脳梗塞を引き起こす恐れがあるため、細心の注意が必要です。
歯科治療・抜歯における最新のガイドライン
2010年より、抗血栓薬を服用している患者様に対する歯科での抜歯に関するガイドラインが発行されています。
最新のガイドラインでは、以下のような基準が設けられています。
普通の抜歯(単純抜歯)の場合
骨を削ったりしない一般的な抜歯であれば、**「お薬は休薬・中止せずに継続して行うべき」**と明確に記載されています。
難しい抜歯(親知らずや骨を削る抜歯)の場合
親知らずの抜歯や、骨の切削を伴うような難易度の高い抜歯については、明確なガイドラインがなく、**「抗血栓薬を処方している主治医(内科などの先生)に対診(照会)をして判断するべき」**とされています。
ワルファリンを服用中の方の指標(PT-INR値)
ワルファリンをお飲みの方には、血液の固まりにくさを示す「PT-INR」という血液検査の数値指標があります。 抜歯を行う72時間前の血液検査で、PT-INR値が「2.0~3.0(70歳以上の方は1.6~2.6)」にコントロールされている場合は、ワルファリンを継続したままの抜歯が可能です。 (※こちらも単純な抜歯のみの指標となるため、難しい抜歯の場合は主治医への対診が必要です。)
当院の安全への取り組み:必ず「お薬手帳」をお見せください
歯科治療は外科処置を伴うことが多いため、事前にお飲みになっているお薬をしっかりと把握し、安全に治療を進めることが何よりも大切です。
当院では、以下の安全対策を徹底しています。
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お薬手帳の確認と院内共有 スタッフ一同、患者様のお薬手帳を必ずチェックし、院内全体で情報を共有しています。
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お薬の飲み合わせ(相互作用)の確認 歯科で処方する「抗生物質」の中には、抗血栓薬の作用を強め、出血傾向をさらに高めてしまう種類のものがあります。当院ではそのような飲み合わせのリスクも全て把握した上で、安全なお薬を処方いたしますのでご安心ください。
少しでもご不安なこと、疑問に思うことがありましたら、どんな些細なことでも構いませんのでお気軽にご相談ください。
歯科医師 鈴木 孝美
谷村歯科医院
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