【歯科医師監修】いびきや日中の眠気…『睡眠時無呼吸症候群』は歯科のマウスピースで治療できる?

こんにちは、歯科医師の鈴木孝美です。

ご家族から「いびきがひどい」と指摘されたり、日中に強い眠気を感じたりすることはありませんか? 今回は、そのような症状を引き起こす「睡眠時無呼吸症候群」についてお話しいたします。

実はこの病気、治療法の一つとして歯科医院で作ることができる専用のマウスピースがとても有効なケースがあります。詳しく解説していきますね。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:通称SAS)とは、その名の通り睡眠中に繰り返し呼吸が停止、または低下する病気です。

質の高い睡眠がとれなくなるため、日中の強い眠気や集中力の低下を引き起こすだけでなく、放置すると高血圧症や心疾患、脳血管疾患などの重大なリスクが高まる原因としても知られる深刻な病気です。

睡眠時無呼吸症候群の3つのタイプ

この病気は、原因によって主に以下の3つのタイプに分類されます。

① 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)

喉や上気道(空気の通り道)が狭くなったり、塞がったりして起こるタイプです。「いびき」や「日中の眠気」が出やすいのが特徴で、無呼吸症候群の中で一番多いのがこの病態です。

② 中枢性睡眠時無呼吸(CSA)

脳の呼吸中枢からの指令が低下し、呼吸をしようとする働き自体が失われることで起こります。心臓の疾患や高血圧症が背景にある場合が多いタイプです。

③ 混合型睡眠時無呼吸(MSA)

①の閉塞性と、②の中枢性が混合しているタイプです。

最も多い「閉塞性(OSA)」の診断と治療法

一番多いタイプである「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」は、睡眠中に10秒以上の呼吸停止や換気量の低下が繰り返されるのが特徴です。

診断は医科(呼吸器内科、耳鼻咽喉科、睡眠外来など)で行われます。睡眠ポリグラフ検査などの結果により、1時間あたりの無呼吸・低呼吸指数(AHI)を算出し、「軽度」「中等度」「重症」の3つに重症度が分けられます。

診断された重症度に応じて、以下のような治療法が選択されます。

  • ① CPAP(シーパップ)療法: 中等度〜重症の場合の第一選択。睡眠中に鼻マスクから空気を送り込み、気道を広げます。効果は高いですが、装着の不快感や旅行時の持ち運びが不便という声もあります。

  • ② 口腔内装置療法(スリープスプリント): 軽度〜中等度の場合に行われる、歯科で作るマウスピースを使った治療です。(※後ほど詳しく解説します)

  • ③ 外科的治療: 扁桃腺肥大や顎が小さいなど、解剖学的に喉を広げる必要がある場合に行われます。

  • ④ 舌下神経電気刺激治療: 特殊な治療で、保険適用の条件があります。

  • ⑤ 薬物治療: 舌の筋肉の緊張を高め、気道の閉塞を防ぎます。

歯科で作る「マウスピース(スリープスプリント)」のメリット

上記の治療法の中でも、副作用がなく、手軽に使用できるのが歯科医院で作成する口腔内装置(スリープスプリント)です。

上下の歯に装着する専用のマウスピースで、下の顎を少し前に出した状態に固定してお作りします。これにより、寝ている間に気道(喉の奥)が広がり、いびきや無呼吸を軽減する効果があります。

大掛かりな機械が不要なため、出張や旅行に行く機会が多い方にも非常に適しています。

保険適用でマウスピースをお作りできます

スリープスプリント(マウスピース)は、呼吸器内科、循環器内科、耳鼻咽喉科、睡眠外来などの医科のドクターからの紹介状(情報提供書)があれば、健康保険を適用してお作りすることが可能です。

「単なるいびきだと思って医科を受診したら、実は無呼吸症候群だった」というお話もよく耳にします。まずは医科でしっかりとした診断(重症度の判定)と治療方針の決定をしていただき、当院のような歯科医院が装置の製作と長期的な管理(メンテナンス)を担当するという連携をとります。

当院でも、睡眠時無呼吸症候群治療用のスリープスプリントを作成しております。 ご自身のいびきやご家族の睡眠中の無呼吸が気になる方、また医科からのご紹介をご希望の方は、何なりと当院までお申し付けください。


歯科医師 鈴木 孝美

谷村歯科医院
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