【歯科医師監修】 骨粗しょう症の薬を飲んでいる方は要注意!歯科治療を安全に行うためのポイント

こんにちは、歯科医師の鈴木です。
今回は、「骨粗しょう症のお薬を飲んでいる(または注射を受けている)方の歯科治療」についてお話しします。
現在治療中の方にとって、安全に歯科治療を行う上で非常に大切な内容となりますので、ぜひご一読ください。
骨粗しょう症の薬と「顎骨壊死(がっこつえし)」のリスク
骨粗しょう症の治療に使われる「ビスホスホネート(BP)製剤」や「デノスマブ」などの骨吸収抑制薬は、骨密度を上げて骨折を予防する非常に重要なお薬です。多くの方が服用、あるいは注射を受けられています。
しかし、2003年に海外で「BP注射薬を使用している患者さんの顎(あご)の骨が溶けてしまう『顎骨壊死』が発生した」という報告があり、それ以降、歯科治療の際には特別な注意が必要喚起されるようになりました。
日本でも2023年に専門の委員会による最新のガイドライン(ポジションペーパー2023、以下PP2023)が発表されており、当院でもこの基準に基づき、医科と連携した安全な治療を行っています。
歯科治療時に注意が必要なお薬一覧
ご自身が使用しているお薬が該当するかどうか、以下の表でご確認ください。
| 薬剤の種類 | 主な商品名(飲み薬・注射・点滴) |
| ビスホスホネート | ゾメタ、ゾレドロン酸、リクラスト、パミドロン酸二Na、フォサマック、ボナロン、アレンドロン酸、ボンビバ、ボノテオ、リカルボン、ミノドロン、アクトネル、ベネット、リセドロン酸Na |
| デノスマブ | プラリア皮下注、ランマーク皮下注 |
| ロモソズマブ | イベニティ皮下注 |
| 血管新生阻害薬 | アバスチン(ベバシズマブ)、スニチニブなど |
もし上記のお薬を飲んでいたり、点滴や注射を受けたことがあったりする場合は、必ず当院のスタッフへお知らせください。
歯科治療を安全に行うための注意点(最新ガイドラインより)
原則として、整形外科などで骨粗しょう症の治療を開始する際は、治療を始める前に歯科治療(特に抜歯)を終えておくことが推奨されています。
しかし、すでに骨粗しょう症の治療を始めている最中に、虫歯などで歯科治療が必要になることももちろんあります。その場合の注意点は以下の通りです。
1. お薬手帳の確認と主治医との連携
当院では治療前に必ず「お薬手帳」を確認させていただきます。ただし、病院で打つ注射薬はお薬手帳に記載されないことも多いため、問診でもしっかりと確認いたします。
顎骨壊死のリスクを予防するため、必要に応じてお薬を処方している整形外科などの主治医の先生と連携をとって治療を進めます。
2. 虫歯や歯周病の治療について
ガイドライン(PP2023)では、骨粗しょう症のお薬を使用していても「虫歯・根の治療・歯周病の治療など、一般的な歯科治療は継続することが望ましい」とされています。
3. 抜歯時の「休薬」について
抜歯に関しては、現状では「お薬を休む(休薬する)ことで顎骨壊死が防げる」という明確な根拠がないため、「原則として休薬せずに抜歯を行う」ことが提案されています。
ただし、リスクが高い患者さんについては短期間の休薬を検討することもあるため、主治医と歯科医師の強い連携によるリスク評価が不可欠です。
4. デノスマブ(プラリア)を使用中の方のスケジュール
プラリアなどのデノスマブは、投与を中止すると骨折のリスクが急激に上がるため、休薬は避けることが重要です。
そのため、「投与から4ヶ月頃に抜歯を行い、粘膜の治りが良ければその1〜2ヶ月後に再度投与を行う」というような、安全な治療スケジュールをご提案しています。
5. インプラント治療について
お薬を多量に、かつ長期間使用されている方のインプラント治療は難しいとされています。少量の使用であれば禁忌(絶対にやってはいけない)ではありませんが、主治医と歯科医師でかなり厳密なリスク評価を行う必要があります。
お気軽にご相談ください
お薬のことでお気づきの点や、ご不安なことがございましたら、当院のスタッフや歯科医師に何なりとお申し付けください。
患者さんの全身の健康を守りながら、安全最優先で歯科治療をご提供いたします。
歯科医師 鈴木 孝美
谷村歯科医院
ネット予約はこちらから
〒157-0072
東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階
TEL:03-3789-8241
URL:https://tanimurashika.jp/
Googleマップ:https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7