【活動報告】3年ぶりの「東京デンタルショー」へ!処理速度が劇的進化した最新CTと画期的な歯の型取り材料

こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村 将光です。

少し前のことになりますが、10月に開催された国内最大級の歯科機材展示会『東京デンタルショー2022(TOKYO DENTAL SHOW)』に行ってまいりました。 この東京デンタルショーも、新型コロナウイルスの影響によってずっと開催が見送られており、今回が実に「3年ぶり」の現地開催となりました。

3年ぶりの東京ビッグサイトは歯科関係者で大盛況!

 

開催された10月下旬(10月22日・23日)は、ちょうど国内のコロナ感染者数が落ち着いていた時期だったこともあり、会場内はご覧の通りたくさんの人で埋め尽くされ、ものすごい熱気と賑わいを見せていました。

ちなみに、このデンタルショーは一般の方向けのイベントではなく、「歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士などの歯科関係者」および「歯科関連学校の学生さん」のみが入場できる専門展示会となっています。つまり、この広い会場にいる大勢の人たちは、全員が歯科関係の仕事に携わっているプロか、未来の歯科医療を担う学生さんということになります。 やはり3年ぶりの開催ということもあり、最新の機材を直接見て触れようと大盛況でしたが、会場全体のブース規模としては以前よりもややコンパクトになっており、完全にコロナ禍前の規模に戻るにはまだもう少し時間がかかりそうだなという印象も受けました。

画像表示が劇的に速い!『ヨシダ』の最新式歯科用CT

会場を回る中で、まず私が足を運んだのは、いつもお世話になっている老舗歯科機械メーカー『ヨシダ(YOSHIDA)』の展示ブースです。 実は、私たち谷村歯科医院に設置している診療台(ユニット)やレントゲンなどの大型歯科機械は、信頼性とメンテナンス性の高さからすべてこの『ヨシダ』の製品を導入しています。

今回、ヨシダのブースで最新式の『歯科用3次元CT』の実機とモニターを確認したのですが、一番驚いたのが「撮影後に3D画像が処理されてモニターに出てくるまでのスピードが、劇的に速くなっていたこと」です!

現在当院で稼働しているCTでは、撮影を行ってからコンピュータが膨大なデータを3次元に画像処理し、診察室のモニター上に表示されるまでに「数分間」の待ち時間がかかります。そのため、外来の予約が混み合って忙しい時間帯などは、その場で画像が出そろうのを待つことができず、撮影したCT画像を患者さまと一緒に確認してご説明するのが「次回の診療時(後日)」になってしまうことが多くありました。 しかし、今回の最新モデルのスピードであれば、撮影してすぐその場で立体画像を確認できるため、患者さまをお待たせすることなく診断・ご説明ができ、診療時間の大幅な効率化にもつながるため非常に素晴らしい進化だと感じました。

学生時代からの常識を覆す!画期的な「歯の型取り」材料

そして今回の東京デンタルショーの中で、私がもう一つ非常に衝撃を受け驚いたのが、こちらの「新しい歯の型取り(印象採得)の材料」です。

虫歯治療などで歯を削ったあとは、詰め物やかぶせ物を作るために必ず「歯の型取り」を行います。 日本の歯科医院で保険診療の型取りを行う際、通常は『寒天(かんてん)』と『アルジネート』という2種類の異なる材料を組み合わせて使用します(専門的には「寒天・アルジネート連合印象」と呼びます)。

  • 寒天(かんてん): いわゆるスーパーで売っている「食べる寒天」と同じような海藻由来の成分でできていますが、もちろん歯科医療用に作られた材料ですので食べることはできません。温めるとドロドロの液体になり、冷えると固まる性質があります。

  • アルジネート: 専用の粉と水を練り合わせると軟らかいペースト状になり、お口の中に入れて数分経つとゴムのように固まる、歯科の型取りで最もポピュラーな材料です。

従来の型取りでは、まず「専用のヒーターで温めて軟らかくした寒天」を注射器のような器具で削った歯の周りの細かい隙間に流し込み、その上からすぐさま「少し冷たい水で練ったアルジネート」をトレーに盛ってパッと被せるようにして、2つの材料を一体化させて型を取ります。

しかし、ここに従来の大きな弱点がありました。 つまり、「温かい寒天」と「冷たいアルジネート」という温度も性質もまったく違う2つの材料を重ねるため、お口から外す際に材料同士がパカッと剥がれて分離してしまったり、うまく接着せずに失敗してしまったりすることがあるのです。 もし分離してしまえば、精密な詰め物が作れないため最初からやり直しとなり、それが時間と労力の大きな無駄になっていました。何より、お口を大きく開けて何度も同じ型取りをやり直される患者さまご自身も、本当にうんざりしてしまいますよね。

ところが、今回展示されていたこの新しいシステムは、なんと「最初に削った歯の周りの精密なところを取る注射器の材料も、上から被せる材料と同じ『アルジネート』でできている」という画期的なものだったのです! 同じアルジネート同士が化学的にピタッと一体化して固まるため、温度差によって材料同士が分離してしまうリスクがほぼゼロになります。

「精密な型取りは、寒天とアルジネートを組み合わせるもの」というルールは、私が東京歯科大学の学生だった頃から何十年も当たり前の常識として決まっていましたので、この「オール・アルジネート」のシステムを目の当たりにした時は本当に衝撃的でした。

ただし、一見すると良いことずくめに思えるこの新しいシステムにも、従来の熱でトロトロになる寒天と比べると「歯ぐきの奥の極めて細い隙間などには材料が流れ込みにくく、細かい部分の型が取れないことがある」といった欠点(限界)もあります。 そのため、すべての治療をこれ一つに変えるのではなく、削った歯の形や部位など、患者さまのケースによって従来の方法と適切に使い分けていくのがベストだと考えています。

3年ぶりに訪れた東京デンタルショーでしたが、歯科医療の機材や材料が日々着実に進化していることを肌で感じることができました。これからも患者さまのご負担を少しでも減らし、より精密で快適な治療をご提供できるよう、優れた最新の機器や材料を積極的に取り入れてまいります!

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