子どもの歯について

 こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。
今回は、『子どもの歯について』です。
人間は生まれてからしばらくすると乳歯が生えてきます。
ところで乳歯は全部で何本ありますでしょうか?
正解は20本です。子供の歯である乳歯は0歳から生え始めます。
4歳ぐらいで乳歯が生えそろって、そのあと5~13歳ぐらいの間に順次永久歯に生えかわっていきます。
乳歯の使用期間はわずか10年ぐらいです。
そのため、「乳歯は永久歯が生えるまでの物だからちょっとぐらい虫歯になってもそのままでもいいかな」なんて放置していないでしょうか?
乳歯といえども虫歯がひどくなると強い痛みや腫れで、お子さんがとても苦しんでしまいます。
子どもの歯の状態は大人と比べてかなり異なっています。
それは乳歯と永久歯が存在して歯が生え変わるという過程があるためです。
そのため子供のお口の中の状態はとても複雑なので健康管理は親がチェックして、治してあげる必要があります。
次は乳歯の働きについてです
1 噛む
乳歯の最大の目的は噛むことです。
子どもの歯で食べ物をしっかりと噛むことで、あごの成長を促します。
口の周りの組織を刺激して、筋肉や表情に影響を与えます。
しっかりかみ砕いて食べ物を摂取することで、消化と吸収をよくします。
また噛んでいると唾液が多く出て、口腔内を浄化して虫歯になりにくくなり口臭も防げます。
2 発音をよくする
乳歯がしっかりと生えそろうことで、舌の動きとともに正しく発音をすることができます。
3 永久歯の歯並びをよくする
子どもの歯は乳歯から永久歯に生えかわりますが、永久歯の形ができてくると、乳歯の根が吸収していきます。
そして吸収したところに永久歯が誘導され、乳歯が脱落するとともに新しく生えてきます。
通常はあごの骨も年齢とともに発達してきて大きくなるので永久歯が生えるスペースができます。
しかし乳歯が虫歯や外傷などの理由で早期に脱落すると歯並びが悪くなるので要注意です。
そのため乳歯は生えかわって無くなるとはいえ、乳歯は今後の人生に大きくかかわっているのです。
お口の健康を守るために
子どもの歯の治療はとても大変です。
まず、子どもが怖がって暴れてしまい、治療が大掛かりになってしまいます。
また、子どもの口の中はとても小さいので器具がなかなか届きません。
さらにこちらの言うことが理解できなかったり、急に動いたりするためとても危険です。
唾液の量も大人と比べて子どもはとても多いので、詰め物がうまくくっつかなかったり、感染のリスクがあります。
そのため子どもの歯も親が、「痛がるようになってから歯医者に行けばいい」と考えず、少しでも早く歯科医院に来院してください。
また普段から、子どもが自分で歯磨きができるようになっても、仕上げ磨きをしたり、間食を減らして少しでも虫歯になるリスクを減らしましょう。
歯科医院には痛くなってから通うのではなく、定期検診や虫歯のチェックで何度も通って慣れておくといいですね。
医院の雰囲気で泣き出してしまうお子さんもいらっしゃるので、いざというときちゃんとできるようにしておくことも大切です。
虫歯予防のフッ素の塗布も、お子さんの歯を守るためにとってもいいですよ。
なお当院ではお子さんが治療に際して暴れてしまったり、口を閉ざして拒否してしまう場合に使用するネットなどの拘束具や開口器を使用しての治療は行っておりません。
これらを使用した治療はお子さんの人権を無視した行為であり、将来にわたって歯科医院に対するトラウマになったり、スタッフが怪我をするリスクにつながります。
そのため、どうしても治療が必要にもかかわらずお子さんの協力が得られない場合は、小児歯科専門医での受診をおすすめいたします。