【歯科医師解説】自分では気づきにくい「口臭」の8つの原因と、効果的な対策・予防法

こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村 将光です。

どんな人であっても、生きていれば必ず少なからず「口臭」はあるものです。しかし、その口臭がきつすぎると、コミュニケーションの際に周囲の人に不快な思いをさせてしまうことがあります。

口臭の最も厄介な点は、体臭と同じように「自分自身ではニオイに慣れてしまって気づきにくい」ということです。また、とてもデリケートな問題であるため、周りのご家族やご友人も気を使ってなかなか直接は指摘してくれません。そのため、知らず知らずのうちに相手に不愉快な思いをさせてしまっている可能性があります。

その一方で、他人のしぐさなどに過敏に反応してしまい、「どんなに歯を磨いても自分の口臭が消えていないのではないか…」と深く思い悩んでしまう方もいらっしゃいます。 今回は、私たちの歯やお口の健康とも密接な関係がある『口臭』の原因と、その対策について詳しくご説明していきます。

口臭はなぜ発生する?主な「8つの原因」

口臭には、一時的なものから病気が隠れているものまで様々な種類があります。具体的にどのような時に強い口臭が発生するのか、その原因を見ていきましょう。

1. 匂いの強い食べ物を食べた時

にんにく、にら、ネギ、玉ねぎなど匂いの強いものを食べると、お口の中に残った食べかすから強い匂いが発生します。さらに、消化されて血液中に溶け込んだ匂い成分が全身を巡り、肺から「呼気(息)」として排出されるため、いくら歯磨きでお口の中を綺麗にしても、翌日までお腹の底から匂いが続くことがあります。 (※ちなみに、南国のフルーツの王様である「ドリアン」も強烈な匂いを発するため、公共交通機関への持ち込みを法律で禁止している国があるほどです)

2. 嗜好品(タバコ・お酒・コーヒー)を取った時

タバコ、アルコール、コーヒーなども口臭の大きな原因となります。特にタバコに含まれるタールやニコチンは、お口の中に強烈な匂いを残します。喫煙者ご本人には分かりにくいものですが、非喫煙者にとっては特有の嫌悪感をもたらす匂いとなります。また、タバコは唾液の分泌を減らすため、お口の中が乾燥してさらに細菌が繁殖しやすくなります。

3. 虫歯や歯周病がある時(病的口臭)

歯科医院で最も多く見られる原因です。虫歯で空いた穴の中に食べかすが詰まったまま放置されると、それが腐敗・発酵して強烈な悪臭を放ちます。また、歯周病が進行すると歯茎が炎症を起こして腫れ、そこから「膿(うみ)」が出るため、ザリガニの水槽のような独特の腐敗臭が発生します。

4. 舌の表面に汚れ(舌苔)が溜まっている時

鏡でご自身の舌を見た時、白っぽく濁っていたりしませんか?舌の表面には目に見えない無数の凸凹があり、そこに細菌と食べかす、古くなった細胞などが分厚く層になってこびりついたものを「舌苔(ぜったい)」と呼びます。この舌苔こそが、お口のニオイを発生させる大きなガスの製造源になります。

5. 朝起きた直後(生理的口臭)

睡眠中はお口の動きが止まるため、殺菌作用を持つ「唾液」の分泌量がガクッと少なくなります。そのため、寝ている間に細菌が爆発的に繁殖し、朝起きるとお口の中がネバネバして強い匂いが発生します。また、極度の緊張時や空腹時も唾液が減るため、同様の口臭が発生しやすくなります。

6. 妊娠中や生理中、加齢による影響

女性の場合、妊娠中や生理中のホルモンバランスの急激な変化によって、一時的に口臭が発生しやすくなる時期があります。また、加齢に伴って唾液の分泌量が減少すること(ドライマウス)も、ご高齢の方の口臭の原因となります。

7. 喉の奥に膿の袋(膿栓)ができている時

風邪を引きやすかったり、扁桃腺が大きい方によく見られますが、喉の奥の端(扁桃のくぼみ)に、白っぽい球状の膿の塊(通称:臭い玉、膿栓)ができることがあります。これが潰れると、下水のような強烈な匂いが発生します。もし喉の奥に何か引っかかるような違和感を感じたら、無理にご自身で取ろうとせず、耳鼻咽喉科を受診して専門の器具で綺麗に吸引・切除してもらってください。

8. 精神的なもの(自臭症)

実際には他人が不快に感じるほどの口臭が全くないにもかかわらず、「自分は口が臭いのではないか」と深く悩んでしまう方もいらっしゃいます(自臭症・心因性口臭症と呼ばれます)。 どうしても不安な場合は、薬局やインターネットで市販されている「口臭チェッカー」を使用し、客観的な数値でニオイが少ないことを確認できれば、精神的にも大きく安心できると思います。

口臭を減らす・防ぐにはどうすればいい?

食べ物の匂いに関しては、ある程度匂いがしても一時的なものですから仕方がありません。しかし、タバコは口臭だけでなく歯周病を悪化させる「万病の元」ですので、匂い対策を含めてもやはり禁煙を強くお勧めします。

根本的な口臭を取り除くために最も重要なのは、以下の2つのアプローチです。

① 歯科医院での定期検診と治療(プロフェッショナルケア)

虫歯や歯周病の病原菌から発せられる強烈な悪臭は、どんなに高級な歯磨き粉や洗口液を使っても、ご自身のブラッシングだけでは絶対に取れません。虫歯の穴の中に腐敗した食べかすが残っている場合は、まずその虫歯を削ってしっかりと治し、塞ぐ必要があります。 そして、ニオイの温床となる「歯垢(プラーク)」と、それが固まった「歯石」を専用の器具で徹底的に取り除きます。お口の中の病気を治し、汚れをリセットする。実は、これだけで大半の不快な口臭はピタッとなくなります。

② お家での正しいセルフケア

普段お家では、毎日のていねいなブラッシングと合わせて、デンタルフロスや殺菌効果のある「マウスウォッシュ(洗口液)」を併用すると非常に効果的です。歯ブラシの毛先だけでは届かない歯と歯の隙間まで、しっかりと消臭・殺菌してくれます。

そして、絶対に忘れてはいけないのが「舌のお掃除」です。 先ほど原因として挙げた「舌苔(ぜったい)」を取り除くことが口臭予防の鍵ですが、普段使っている硬い歯ブラシで舌をゴシゴシと力強く磨いてしまうと、味を感じる繊細な組織(味蕾)を傷つけてしまいます。舌をケアする際は、必ず薬局などの口腔衛生コーナーに置いてある専用の「舌ブラシ(舌クリーナー)」を使用し、1日1回、奥から手前へ優しく撫でるように汚れを落としてあげましょう。

まとめ:気にしすぎず、プロにお任せください!

歯ブラシや様々な清掃器具を駆使しても、生きている限り「口臭を完全にゼロにする」ことは不可能です。ですから、誰にでも口臭はあるものと割り切り、よほどのことがなければあまり神経質に気にしすぎる必要はありません。

しかし、周りの人が顔をしかめたり、不快になるほどの強い口臭は、やはり取り除いてエチケットを守るべきです。特に、何らかの「健康上の問題(病気のサイン)」として口臭が出ている可能性が高いため、放置は危険です。

基本的には、数ヶ月に一回のペースで歯科医院に通院して、虫歯のチェックと歯石取り(定期メンテナンス)を受けましょう。 虫歯を治し、歯垢・歯石を取り除いて、プロのクリーニングとホワイトニングまで行えば、お口の清潔感は完璧ですね!口臭でお悩みの方は、一人で抱え込まずにいつでも当院へご相談ください。

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