親知らず

こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。
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『親知らず』という言葉は一般的にかなり知られていますが、皆さんんも聞いたことはありますでしょうか?
親知らずとは、一番奥にある臼歯のことで前から数えて8番目の歯になります。
人の歯はこの親知らずまで入れると全部で32本あります。
ただし親知らずは元々無い人もいたり、抜いた人もいると思いますのでそのような人は全部で28本になります。
親知らずも自分の歯であることにはかわりないのに、他の歯とは扱いがかなり異なります。
今回は知っているようで意外と知らない、『親知らず』について説明をいたします。
1 親知らずの意味
『親知らず』とはもちろん正式な歯の名称ではありません。正式には『第三大臼歯』といいます。
またの名を『智歯』といいます。英語でも『Wisdom Teeth』といい、『分別のつく頃に生える歯』という意味です。
この親知らずという名前の由来ですが、生えてくるのが18歳から22歳ぐらいともっとも遅いため、親が子供の口の中をもはや見ることもないためこの名前がついたそうです。
2 親知らずの生えている状態
親知らずは現代人では退化している歯なので、生える時期や大きさ、生え方に大きな個人差があります。
元から全部なかったり一本だけなかったりと人によって様々です。
もし親知らずがあっても現代人の骨格では生えるスペースがあまりないので、まっすぐ生えてこないことが多いです。
生え方には主に以下の3パターンがあります。
①通常タイプ
他の歯と同様にまっすぐ生えている。ただし表面の歯ぐきが半分かぶってそのままの場合もあります。
症状がなく、噛み合わせにも問題がなければ、無理に抜かずにそのまま様子を見ます。
②横向きタイプ
親知らずが生えるスペースが足らないため、歯が手前に向かって斜めに生えてくるケースです。
歯が見えている場合と見えてない場合があります。
物が詰まりやすく歯ブラシも届かないため、親知らずに関するトラブルで一番多いケースです。
③完全埋伏タイプ
親知らずが完全にあごの骨の中にとどまっている状態。
完全に骨に覆われていれば、抜かずにそのままでもいいでしょう。
なぜなら虫歯になることもなければ雑菌が入ることもないからです。
ただし骨に覆われていても手前の歯の根を押している場合は、歯並びが悪くなる原因になりますので抜歯をお勧めします。
また、歯ぐきには覆われていても骨からは出ているがいることがあります。
その場合は②の横向きタイプになります。
この場合も手前の歯との隙間から雑菌が入ることもあるので抜歯をお勧めします。
3 親知らずを抜く理由
では親知らずはなぜ抜かなければならないのでしょうか?
これには大きく二つの理由があります。
①不衛生になるから
一番奥の部分は歯ブラシが届きにくいため、親知らずを残しておくと歯垢がたまり、雑菌が繁殖します。
すると歯ぐきや頬が腫れて物が噛めなくなり口も開きづらくなります。
強い口臭や虫歯が発生し、ぶつかっている手前の歯まで虫歯になってしまいます。
②歯並びが悪くなるから
親知らずはたいてい手前の歯に引っかかっています。
そのままぐいぐい押すので、じわじわと歯並びが悪くなってしまいます。
4 自分の親知らずはどうすればいい?
親知らずがまっすぐに生えていて、衛生状態も良ければ別に抜く必要はありません。
しかしたいていは中途半端な生え方をしている場合が多く、その場合は抜く必要があります。
抜歯はできるだけ大学生など就職前に抜くほうが望ましいです。
年齢が早いほうが歯と骨が分離しやすく、抜歯後も回復が早いからです。
学生であれば仕事に影響することもありません。
逆に高齢者になると、歯の根と骨が癒着して抜歯が大変になります。
抜歯後の回復も時間がかかります。
抜歯は高度の知識と技術が要求させますが、当院では定期的に口腔外科の専門医・指導医の先生に来ていただいていますので、リスクの高い親知らずの抜歯を安全に行うことができます。
また歯科大学の大学病院の口腔外科と連携しており、あまりにも処置のリスクが高い場合は、大学病院を紹介いたします。
親知らずを抜くべきかどうか迷ったら、まずは当院スタッフにご相談ください。