シーラントで虫歯を予防しよう!

みなさんこんにちは( ¨̮ )

お子さまの歯磨きで、「仕上げ磨きをあまりさせてくれない」また、「奥歯までしっかりと磨けているか心配」というお悩みはありませんか?
歯は唾液の中のカルシウムなどを吸収して徐々に強くなっていきます。
しかし、生えたばかりの歯の表面は未完成で弱いため虫歯の進行も早いので、積極的に予防をすることが必要です!
そこで虫歯予防の1つにシーラントという方法があります。
今日はそのシーラントについて詳しく説明をしていきます!


【シーラントとは】
小窩裂溝填塞(しょうかれっこうてんそく)と呼ばれることもある、虫歯の予防方法のことです!フッ素が配合された歯科用樹脂素材(レジン)でコーティングすることで歯を虫歯から守るというものです。

適応歯は、萌出後間もない健全な乳臼歯や永久歯が対象になります。
乳歯や生えたばかりの永久歯は、エナメル質が若いため表面の気孔が多く開いています。
また石灰化が不完全のため、特に6歳臼歯と呼ばれる奥歯は噛み合わせの力が強く働くので、しっかり虫歯予防をしなければ永久歯が生えそろう前に虫歯になってしまう可能性があります。


そして6歳臼歯をはじめとした奥歯は咬合面(咬む面)の溝が複雑な形状をしているため、普段の歯磨きだけではなかなか汚れが落としきれないことがあり、シーラントによる虫歯予防ではこの溝を埋めるために溝に食べカスやプラーク入り込んでしまうことがなく、また歯磨きもしやすくなるため、効果的に虫歯予防ができるようになるのです。


【シーラントの流れ】
では実際にシーラントをどのように塗布するのか、治療の流れを説明いたします。


①最初に歯の溝の部分の汚れを取り除きます。

歯の溝には食べかすのほか、ベッタリとついた歯垢が入り込んでいるため、専用のブラシでしっかりと取り除きます。

②歯を乾燥させてシーラントの前処理の薬剤を塗布し、数秒置いてから水で洗って乾燥させます。

次に歯の表面と溝の中の水分を取り除き、シーラントがしっかりとくっつくような下処理剤を塗布します。(この操作は行わない場合があります)


③歯の溝にシーラントを塗ります。

歯の溝の中がきれいになったらシーラントを細いノズルを使用して、隙間ができないように、また多すぎないように慎重に塗布していきます。

足りないところがあるのはだめですが、多すぎて他の表面に溢れてしまうと噛んだ時にそこだけ当たってかみ合わせがおかしくなてしまいます。

そのため、シーラントの塗布は慎重に、またどうしても溢れてしまった場合は固まる前にしっかりと拭き取ります。


④光を当ててシーラントを硬化させます。

シーラントの液は、光を当てると固まるようにできています。(特定の波長の光に反応して、通常は青い光です)

液の塗布が終わったら、光重合器で照射してシーラントを固めます。


⑤シーラントが正しく塗布できているかチェックをする。

光を当てたあとは、短針などを用いて、シーラントがしっかり固まっているかチェックをします。

この時に剥がれてしまったり、隙間がある場合は再度シーラントを塗布して光を照射します。

またシーラントを塗布する面積が大きすぎたり厚すぎた場合は、ていねいに削り落として調整します、

確認が終わったらシーラントの塗布は終了になります。


★シーラントは歯を削らないため痛みがありません。
小さなお子さまでも安心して処置ができます!
そしてシーラントをした歯は、していない歯に比べると、4年以上で60%も虫歯予防効果があることも研究結果で分かっています!


【⚠︎︎注意点】
・シーラントだけでは虫歯予防はできない!

シーラントは虫歯予防にとても効果を発揮しますが、奥歯の溝だけが虫歯になりやすいという訳ではありません。
歯と歯の間も虫歯になりやすい部位です。
こちらは、シーラントでは予防できないため、しっかりした歯磨きが必要です!
歯と歯の間は糸ようじデンタルフロスなどを使い綺麗にしましょう。
また、フッ素を併用するとより虫歯になりにくくなります。


・シーラントは永久的ではない

シーラントはむし歯治療の詰め物と比べると耐久性は少し劣ります。

歯ぎしりなどで取れてしまったり、時間が経つととれてしまうこともあります。そのため定期的に取れていないか、他に虫歯がないかを定期的に歯科医院で検診を行う必要があります。


【虫歯予防の1つフッ素との違い】
虫歯のなりやすい箇所の一つである奥歯の歯の溝の予防に特化した予防方法がシーラントです。

それ以外の予防方法ではフッ素塗布なども有名ですが、フッ素塗布は歯全体の歯質強化が目的のため、シーラントとフッ素は違います。


【まとめ】

シーラントの最大のメリットは、虫歯になりにくくなるということです。

ですが、シーラントを行ったからといって、必ずしも虫歯にならないわけではありません。

シーラントをした後も毎日丁寧に歯磨きをしましょう!

また、乳歯や生えたての歯への処置が最も有効ですが、大人の永久歯にも効果があります。
大人でも歯の溝には虫歯が多く、歯の溝の奥に溜まった汚れは歯ブラシで除去しにくいところもあります。

大人も子供もシーラントを上手に活用して、虫歯になりにくい健康な歯を手に入れましょう!

歯科衛生士 池田