ドイツで世界最大のデンタルショーに参加

こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。

3月16日から19日にかけて、ドイツで行われた国際デンタルショー(International Dental Show : IDS)、通称ケルンデンタルショーに参加しにドイツに行ってまいりました。

ケルンデンタルショーは2年ごとに開催されるデンタルショーで、世界64カ国から2,327社もの歯科関連メーカーが参加する、世界最大のデンタルショーです。

 

歯科を含む医療機器はドイツ製のものが多く使用されています。ドイツ製の医療機器はとても信頼性が高く機能面においても優れいていて、当院でも様々なドイツ製の機械や材料を使用しています。病院などでもCTやMRIなどの分野ではドイツ製のものがよく見られますね。

当院でも様々なドイツ製の機械や材料を使用しています。

ちなみに最近ではコストパフォーマンスに優れ機能面でも遜色のない、韓国メーカーの医療機器も増えてきました。

さらにここ数年は中国製品もかなり良くなってきました。価格は韓国製品よりもさらに安いのですが、メンテナンスの問題もあり購入には抵抗があります。ただし小型機器を消耗品感覚で購入するならいいかもしれません。

 

実は今までに海外の国際学会に参加した際、このケルンデンタルショーの事が一緒に行った日本の先生たちの間で話題になることがあり、行ったことのある先生が多くて私もいつか行きたいなと以前から思っていました。

今回このケルンデンタルショーは100周年記念大会ということと、新型コロナ感染に対する海外渡航規制がかなり緩和されてきましたので、一生に一度の機会と考えて思い切って参加することにしました。

このデンタルショーに参加することで、世界中の最新歯科機器の情報を手に入れることができ、私の知識も大きくアップデートされると思いました。

 

現在ロシアとウクライナの戦争のため、日本からヨーロッパに行くためにはロシアを大きく迂回する必要があります。

そのため日本からドイツまで所要時間が15時間かかります。。

日本を出発した飛行機はドイツとは逆方向に進み、なんと北極圏からグリーンランドの上空を通過して北欧やイギリスの方からドイツのフランクフルト空港に進みます。

平面にした世界地図で見ると訳がわかりません。地球儀でルートを見てようやく納得できました。

 

フランクフルト空港からドイツの新幹線ICEで1時間でケルンに到着しました。

憧れのケルンデンタルショーに来ることができて感激です!

ケルンデンタルショーは4日間開催されます。1日ではとても回りきれないとのことです。

 

会場は7つの建物に分かれています。更に2階建てか3階建てになっています。そのため会場は全部合わせて13ホールもあります。。。

日本デンタルショーが有明のビックサイトでせいぜい2ホールほどしか使用しないので、単純に7倍ほどの広さになります。

 

さすが世界一の規模を誇るデンタルショーです。どこに行ってもかなり混んでいます。

ほとんどの人は歯科関係者だと思われますが、70%は海外からの参加者だそうです。

欧米人がほとんどですが、日本人や韓国人、中国人などのアジア人も結構いました。

 

ドイツ製品だけでなく、スペインのメーカーやイタリアのメーカーなど日本では見られない歯科製品が展示してありました。

 

ここのメーカーのデンタルチェアーにはなんとX線装置が付いていました!

これならわざわざ患者さんがレントゲン室まで何度も移動しなくて済むのでとても便利です。

残念ながら日本の法律では、X線撮影は厳重にX線防護を施したX線撮影室で行わなければならないので、この機械の導入は不可能です。

 

以前アメリカのレーザー歯学会に参加した際に見た歯科用レーザーの最新モデルが展示してありました。

最高出力(ピークパワー)が100ワットというものすごい高性能な半導体レーザーです。

アクリル板にデジタル表示されてとても近未来感があります。

 

当院でも導入している光殺菌装置Fotosanと世界一明るいLED照射器を作っているデンマークのCMS社のブースもあり、そこでいろいろと診療に関する役立ち情報などを聞くことができました。

日本のデンタルショーではこのような海外製品は輸入業者や商社のブースに少し展示しているだけで詳しい話を聞くことはできないので、その点も参加してよかったと思います。

 

毎日診療で使用しているドイツのメーカーのブースを見ることができてすごく嬉しいです。

各社の最新の製品が展示してありました。

 

いろいろと面白いセミナーやデモが行われていました。

このデモはいかに自然で他の歯と調和の取れたセラミック冠を作るかということを実演していて大盛況でした。

ちなみにドイツではどこに行っても、もはやマスクをしている人はまったくいませんでしたね。

 

日本のメーカーも頑張っていました。松風、モリタ、NSKなどという歯科ではとても大きなメーカーが会場のメインスペースでかなり大きな規模を確保していました。

 

超音波スケーラー(歯石をとる機械)のメーカーのEMS社のブースで、大阪支店の担当歯科衛生士さんがいらしたので、最新の超音波スケーラーについて詳しく話を聞くことができました。

歯石を取るときにこの機械を使うことで、機械が歯石の状況を瞬時に判断して最適なパワーにするため、患者さんは痛みを感じることがなく深い歯石も取り除くことができるとのことでした。

 

時間があまりなかったので観光らしい観光はしなかったのですが、ケルン中央駅を出て眼の前のケルン大聖堂は圧巻でした。この聖堂が完成するまでに600年!もかかったそうです。

 

以上、今回は短期間のドイツ旅行でしたが、とても充実した4日間でした。

今後もケルンデンタルショーで得られた知識と情報を患者様に還元できるように頑張ってまいります。