頭痛で悩んでいませんか?

こんにちは、歯科医師・口腔外科医の鈴木です。

私が所属しています 『日本口腔顔面痛学会』 にて、現在頭痛がある方を日本頭痛学会に所属している 『頭痛専門医』 に紹介する活動を行っております。そのような経緯で、今回は 『頭痛』 についてお話いたします。

また今回は脳に腫瘍や病気がないのに『頭が痛い』という、いわゆる 『頭痛そのものが病気』 である一次性頭痛の中の 『片頭痛』 について記載したいと思います。

まず頭痛について解説する前に、一次性頭痛の種類を簡単に説明をしていきます。
国際頭痛分類第三版(ICHD-3)では一次性頭痛は次のように分かれています。

一次性頭痛の分類
① 片頭痛
② 緊張型頭痛
③ 三叉神経自律神経性頭痛(TACs、群発頭痛)
④ その他の一次性頭痛

この中で一番多い頭痛が、②の緊張型頭痛です。
主に身体的・精神的ストレスや長時間同じ姿勢からくる肩や首の筋肉のこりが原因です。

治療法は一般的な鎮痛剤を服用することで治り、この頭痛は誰でも起こりうる一般的な頭痛です。
さらに今回は起るととても辛い、①の片頭痛についてお話します。

片頭痛の特徴
① 一ヶ月に1~2回の発作、数時間から三日持続
② 悪心・嘔吐を伴う
③ 日常生活に支障をきたす痛み
④ 光、音に敏感になり静かにしていたい
⑤ 体位の変化や運動で傷みが増強する
⑥ 頭痛が起る前に「前兆症状」がおこる

片頭痛の症状は多種多様です。以下にイラストにした図を示します。

このように片頭痛は様々な症状を伴い、世界における日常生活に支障をきたす疾患として腰痛の次の第二位となっております。
つまり片頭痛は生命を脅かす疾患ではないが、生活を脅かす疾患なのです。

片頭痛があると以下のような生活に支障があります。

・人との約束を遠ざけてしまう
・仕事に集中できない
・次に来る発作が不安になる
・仕事を休んでしまう
・家族との時間を犠牲にしている
・周りの人の理解が得られない

など、仕事の生産性の低下による間接経費も生まれ、さらには金銭に代えがたい損失がありこれは救済したい病気です。
幸いにも現在は片頭痛に関する研究がかなり進み、片頭痛の予防治療薬が2021年に開発され片頭痛は正しい治療が行われれば97%治療満足度が高くなる疾患です。

片頭痛の時間的経過

片頭痛には4つの病態経過があります。

① 予兆期
頭痛が起る前の数時間から48時間起こる症状で、食欲亢進、疲労感、あくび、集中力低下、首の後ろの緊張などがあります。

② 前兆期
頭痛が起る前の5分から60分起こる症状で、閃輝暗点(せんきあんてん)←視界にギザギザや稲妻のような光が現れ、徐々に広がって視界の一部が見えにくくなる一過性の視覚異常です。

③ 頭痛期
数時間から三日以内に起こる頭痛

④ 回復期
頭痛発作後平均23時間以内に起こる症状で、食欲低下、疲労感、気分的高揚、抑うつなどのものがあります。

この4つの病態以外の時間を 発作間欠期 といいます。

基本的には片頭痛がない時期のことを指すのですが、実際この間にもなにかしらの嫌な症状が存在する方が多いのです。

片頭痛の治療
治療においては、前述の4つの病態に合わせて、今どこの病態だからその病態についての治療薬が確立されております。

かなり研究が進み、片頭痛の治療は治療薬が確立されていますのでなるべく迅速な確定診断が必要となってきます。
片頭痛を早く治す事として片頭痛の慢性化を予防することが重要であり発作回数が増えると慢性片頭痛に変容してしまい更に治療に長い期間かかってしまいます。

更に長い期間の頭痛は知らず知らずのうちに鎮痛剤を多く飲む期間が増え、 薬剤(鎮痛剤)の使用過多による頭痛(MOH) を併発してしまいます。

簡単に薬剤の使用過多による頭痛(MOH)について説明します。

薬剤(鎮痛剤)の使用過多による頭痛(MOH)
一次性頭痛を持つ患者さんが、三ヶ月を超えて、一ヶ月に10日/15日以上鎮痛剤を服用するとさらに一ヶ月に15日以上起る頭痛の事を意味します。
単一鎮痛剤だと一ヶ月に15日以上服用する、複合薬剤だと一ヶ月に10日以上鎮痛剤を服用するとこの頭痛になってしまいます。

複合薬剤というのは、一般鎮痛剤でも複数の種類の鎮痛剤が入っている薬の事です。
MOHになってしまうと、鎮痛剤を飲み過ぎて片頭痛が悪化して片頭痛自体が悪化してしまいます!

まとめ
片頭痛は漢字が片となっているため左右どちらかと思われがちですが、左右両側に起こることもあります。
片頭痛を見つける方法として4つの質問に答えるだけで分かる 片頭痛スクリーナー という問診があります。

今現在起こっている、つらいご自身の頭痛が何かがすぐ分かりますので、もし頭痛でお困りでしたら、頭痛専門医と連携していますので迅速にご紹介致しますので、ぜひお話くださいませ。

頭痛のために、友達や家族との予定をキャンセルしたり、仕事に行けなかったり、自分を責めてしまったり、ついつい責任感が強くて我慢されたりする方もたくさんいらっしゃると思います。
お困りの際にはお力になれますので、ご相談くださいませ。

歯科・口腔外科医 鈴木孝美

 

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