【活動報告】7年ぶりの米国レーザー歯学会(ALD)ラスベガス大会へ!認定医試験の試験官を務めました

こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村 将光です。

10月15日から17日までの日程で、私が所属している『米国レーザー歯学会(ALD:Academy of Laser Dentistry)』の第33回年次大会(テーマ:THE POWER OF LIGHTS)に、実に7年ぶりに参加してまいりました。

前回のALD(2019年テキサス州ダラス)の参加の様子はこちら

今回の大会は、私のレーザー治療の指導医であり師匠でもある永井 茂之先生が「大会長(Conference Chair)」を務められるという記念すべき大会でした。 そうした特別な背景もあり、国内で美容外科や医療用レーザー機器を手掛ける大手メーカー「株式会社ジェイメック」さんが自社で扱っている歯科用レーザーを使用しているユーザーの先生方に広くお声がけをされ、メーカーの方や試験を受けない先生方も含めて、なんと「総勢25名」という過去最大規模の日本人参加者が集結する大盛況の大会となりました。

事前にジェイメックさんからこのお話を伺っていたところ、大会長である永井先生から直接ご連絡があり、「今回、日本の先生方が多く認定医試験を受けるので、谷村先生にその試験官(試験監督)になってほしい」という大変ありがたいご依頼をいただきました。私にとっても非常に光栄な大役ですので、二つ返事でお引き受けし、試験官として渡米することにいたしました。

先月、日本で行われた認定医試験の対策勉強会の参加の様子はこちら

22時間の長旅の末、眠らない街ラスベガスへ

今回の舞台は、アメリカ・ネバダ州のラスベガスです。会場となった「Sahara Las Vegas Hotel(サハラ・ラスベガス・ホテル)」の広大なカンファレンスルームをすべて貸し切って盛大に行われました。

現在、東京からラスベガスまでは直行便が飛んでいないため、途中で飛行機を乗り継ぎ、移動だけで約22時間という長旅を経てようやくラスベガス空港に到着しました。 

飛行機を降りてターミナルに足を踏み入れると、さすがはカジノの街、なんと搭乗ゲートで早速「スロットマシーン」がお出迎え!

会場のホテルは市内の北の端でしたが、空港から車で15分ほどで到着しました。

学会前日には、日本から参加される他の先生方も続々と会場のホテルに到着されました。 そして、これまでの学会でも恒例となっている「大会前夜の日本人顔合わせ&直前勉強会」が、指導医である永井先生のお部屋で行われました。

皆さん長旅でお疲れだと思いますが、試験前夜なので必死に聞いてます。

集まった先生方の顔ぶれを拝見して驚いたのは、「若い先生が非常に増えた」ということです。 私が今から14年前に初めてこのアメリカの学会に参加した時は40代前半でしたが、当時はそれでも日本人参加者の中では一番若いぐらいでした。現代はインターネットを通じて海外の最新情報や学会の様子が手軽に手に入るようになったため、海外の学会へ挑戦するハードルが昔よりもだいぶ下がったのかもしれません。今回一番お若い先生は、なんと「今年大学を卒業したばかり」というフレッシュな先生でした!

いつもなら夜遅くまで続く勉強会ですが、今回は永井先生が今大会の大会長という重責を担われており大変ご多忙なため、1時間程度で解散となりました。

プレッシャーのかかる「認定医試験」と試験官の務め

今回の学会は、金曜日(10月16日)と土曜日(10月17日)の2日間がメインの全体カンファレンスという位置づけで、初日の木曜日(10月15日)はプレカンファレンス(事前講習・ワークショップ)の日程となっていました。

木曜日は朝7時から軽く朝食をとり、朝8時から午後1時まで、認定医試験を受ける先生方に必須のレクチャー(Standard Level Laser Training & Certification Course)がみっちりと行われました。

こちらは、今回の試験前の重要な講義を担当してくださった講師のGrace先生(Dr. Grace Sun)とのお写真です。

昼食を挟んで講師のArun先生による実技に関するレクチャーがあり、その後は休む間もなくすぐに「実技試験」へと移ります。

会場には実技試験用のレーザー機器が次々と運び込まれ、受験者の先生方も私も実習用のガウン(防護服)に着替えます。

実技試験では、永井先生、私の盟友である河合先生、そして私の3人が試験官となり、それぞれ5人ずつの受験者を担当して審査を行いました。

まずはレーザーを扱う上で最も重要な「安全管理(Laser Safety Protocols)」について口頭で質問を投げかけます。皆さんこの日のためにひたすら勉強を重ねてこられたのがよく分かり、しっかりと的確に答えていらっしゃいました。続いて、人間の口腔内に見立てた「豚の顎」を使用して、実際のレーザー照射を行う実技試験です。低出力レーザーを用いた処置と、高出力レーザーを用いた切開などの処置をそれぞれ実際に行ってもらい、手技や設定に問題がないかを厳しくチェックいたしました。

大会の華やかな開幕と、筆記試験での嬉しい驚き

そして翌日の金曜日、いよいよ実質的な大会初日(本会議)が幕を開けました。 満員のメインホールにて、大会長である永井先生が英語で高らかに開会のアナウンスを行われました。アメリカの歴史と権威ある国際学会のトップ(大会長)に、同じ日本人が選ばれ壇上に立っている姿を目の当たりにし、その大変名誉な素晴らしさを改めて実感して胸が熱くなりました。

こちらは今回の私のネームタグです。今年のネームタグには、最高位資格を示す『ALD MASTER』のバッジが誇らしい「金色」であしらわれており、個人的にとても嬉しかったです。

指導医の永井先生と、私と一緒に試験官を務めた盟友の河合先生たちとの記念撮影

午後からは、認定医になるための「筆記試験」が行われました。

受験される先生方は、診療を休んで多大な時間と費用をかけ、大変な思いをしてここアメリカまで来られています。「絶対に落ちるわけにはいかない!」という並々ならぬ気迫と緊張感が、会場の後ろで見守る私にもひしひしと伝わってきました。また、今回は歯科医師だけでなく、同行されたジェイメックの営業担当者の方もこの認定試験に挑戦されていました。

試験は制限時間1時間で全75問(75%以上の正解で合格)というハードなものです。

試験監督である私と河合先生も、解答のすり合わせと確認を作成するために、受験者の皆さんと一緒に同じ問題を解きました。私はこれまでの経験もあり、さすがに開始から15分ほどで全問解き終わったのですが、なんとジェイメックの営業の方も私のすぐ後に解き終わって退出されたのには驚きました!

試験終了後、永井先生・河合先生・私の3人で急いで答案の採点と集計を行い、今回の成績順位を出したところ……なんと、歯科医師を抑えて「ジェイメックの営業の方」が堂々のトップ(第1位)の成績でした!

メーカーの担当者として、歯科医師以上にレーザーの物理特性や安全基準に関する圧倒的な知識と経験をお持ちであることが見事に証明された形となり、「これだけ優秀な方からなら、今後も心から安心して最新の機器を導入したり、専門的な説明を受けたりすることができる」と深く感銘を受けました。

そして気になる全体の試験結果ですが……受験された日本の先生方、見事「全員合格」でした!!

誰一人欠けることなく合格ラインを突破され、試験官である我々3人も本当にホッと胸をなでおろしました。

合格発表後に全員で記念写真を撮りました。今回は私は主役ではないので河合先生と両端に立って撮影しました。

旧友たちとの再会と、最新の光治療(PBM)展示

試験の合間には、懐かしい海外のドクターたちとの嬉しい再会もたくさんありました。 上の写真は、10年前に私が指導医(上級認定医)に合格した際、同じタイミングで合格した同期のAli先生(Dr. Ali Obeidi)です。そして下の写真は、私が指導医試験を受けた際の試験官だったMel先生(Dr. Mel A. Burchman)と河合先生とのスリーショットです。Mel先生は私たちのような海外からの参加者に対していつも本当に優しく接してくださる、人格・技術ともに素晴らしい先生です。

今回も最新の学術講演(980nm半導体レーザーを用いた根管治療の臨床研究など)を聴講する傍ら、アメリカの最新レーザー機器が集まる業者展示ブースを見て回りました。 実は今大会は、私たち歯科の『ALD』だけでなく、光生体調節療法(PBM:Photobiomodulation Therapy)の世界的権威である『WALT(世界光生体調節治療学会)』および『NAALT(北米光生体調節治療学会)』という2つの大きな医療学会との【3団体合同開催】でした。

そのため、歯科用の削るレーザーだけでなく、光のエネルギーで細胞(ミトコンドリア)を活性化させ、痛みの緩和や組織の再生、さらには脳機能の改善などを促す「PBM(光治療)機器」の展示が非常に多く、大いに興味をそそられました。

そのユニークな展示の一つが、私が手に持っているこちらの「帽子型」のデバイスです。 帽子の内側にPBM(光生体調節)のレーザー・LED技術がびっしりと内蔵されており、かぶることで毛母細胞を活性化させて発毛や頭皮ケアを促したり、頭部のヘルスケアを行ったりするという最先端のウェアラブル機器でした。レーザーの持つ「光の力(THE POWER OF LIGHTS)」が、歯科だけでなく全身の医療やアンチエイジングへと無限に広がっていることを肌で感じました。

感動の慰労会、そして来年はシカゴへ!

緊張の試験がすべて終わった後は、参加者の皆さんも肩の荷を下ろし、自由に各会場の講義やワークショップを楽しんでいらっしゃいました。 そして夜には、日本人参加者25名全員が永井先生のお部屋に集まり、合格祝いも兼ねた盛大な「慰労会」が行われました。 そこでは、永井先生がこれまでどのように歯科用レーザーの研究に携わり、いかにしてこのアメリカのALDという学会と深い関係を築いてこられたのかという、貴重で熱い歴史のお話を伺うことができました。

私も今回の試験官の一人として皆さんの前に立ち、慣れない海外での厳しい試験を見事に乗り越えられた先生方へ、心からの労いの言葉をお伝えさせていただきました。

最終日の土曜日になると、日程を終えた先生方が一人、また一人と日本への帰国の途につき、ホテルからいなくなってしまいます。総勢25名で賑やかに過ごした分、たったの3日間だけでしたが、お別れの時は何とも言えず寂しいものですね。

次回のALD年次大会は、来年(2027年)の9月23日から25日の日程で、イリノイ州の「シカゴ」で開催される予定です。 永井先生は、今大会は「年次大会の大会長(Conference Chair)」というお立場でしたが、次回はいよいよ「ALD(米国レーザー歯学会)全体の会長(President)」に就任されます。日本の歯科界にとっても歴史的な快挙ですので、お祝いとさらなる学びのため、次回も可能な限りスケジュールを調整して参加しようと思っております!

今回のラスベガス大会で得た最先端のレーザー治療およびPBM(光治療)の知見を、当院にご来院いただいた患者さまにしっかりと還元し、これからも世界基準の安全で痛みの少ない歯科医療を提供してまいります。

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