アメリカのレーザー歯学会の最終試験

こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村です。

4月12日から18日まで、毎年参加しているアメリカのレーザー歯学会 (Academy of Laser Dentistry :ALD) の年次大会に参加しに行ってまいりました。
前回の参加の様子はこちら
学会参加の目的は指導医になるための最終試験を受けて合格することです。
認定医は3年前にすでに習得しておりますが、その上の指導医になるには最低3年かけて3つの試験をクリアする必要があります。
3つの試験はそれぞれ、
1 175問のオンラインテスト
2 100項目のレーザーに関する説明と処置の実演
3 5つの症例を論文にして提出とそのうちのいくつかを発表
これらすべてで85%以上の点数を取らなければなりません。
全部英語なのでだいぶ前から勉強してテストに臨む必要があります。
もちろんアメリカ人の歯科医師でもしっかり勉強していないと落ちます。
1と2は昨年までにパスしましたので、今回は3の症例発表に臨みました。
今年の学会はフロリダのオーランドで開催されました。
@DSC_0742.jpg
オーランドの空港に到着しました。成田から途中シカゴで乗り継いで16時間かかります。
この日のために何か月もかけて資料を作っていましたが、5症例も英語で作るのはかなり大変です。
結局出発の日まで作っていても完成せず飛行機の中でもずっと試験の資料を作っていました。
そのため長時間フライトにもかかわらず、アメリカ到着までこんなに早く感じたのは初めてです。
@DSC_0743.jpg
空港内にディズニーストアがありました。
オーランドといえばウォルトディズニーワールドですね。
ここには山手線内の面積の1.5倍の広さになかに5つのテーマパークと20のオフィシャルホテルがあります。せっかくオーランドまで来たのですが今回は発表と学会参加のためディズニーワールドには行かれません。
@DSC_0744.jpg
ホテルにチェックインしたらそのまま資料作りです。学会の前日に試験があるためあまり時間がありません。
30分で5症例のうち1つか2つの症例について発表するのですが、ホテル到着後に指導医の永井先生から連絡があり、「今回から1時間30分で3症例の発表に変更になった」とのこと。
「あのー、聞いてないんですけど。。。」
それを聞いてさすがに心が折れそうになりましたが。ここであきらめたら心配してくれている人たちに顔向けできないと思いました。
ここ二週間で睡眠時間は毎日3~4時間ですが、この3日間はほとんど寝ていません。
あとは気力で頑張るしかありません。
こんなに勉強(資料作成)したのは国家試験以来だと思います。
結局資料が完成したのは2時間前です。
@P10100051.jpg
いよいよ発表の時間がやってきました。資料の最後のチェックをしています。
@P1010011.jpg
ついに症例発表が始まりました!一つの症例発表が終わるごとに3人の試験官からそれぞれ質問されます。(もちろん英語です)
なんとか必死に2症例発表し終わって3症例目のプレゼンをしようとしたら試験官に、
「3症例目はもう発表しなくていい」と言われました。
だめかーと思いがっかりしていたら、もうひとりの試験官から「2症例で十分だよ。合格おめでとう!」と言われました。
とんでもなく緊張していたせいで状況を飲み込むまでしばらく時間がかかりました。
@P1010024.jpg
@P1010020.jpg
@P10100321.jpg
試験の次の日から学会が始まりました。

@P1010043.jpg
今回一緒に参加した日本人の先生のオンラインと実演テストが別の日にあったため、今度はサポートに回ります。
夜はいつも通り深夜まで勉強会です。
3年前に最初に参加したときはびっくりしましたがさすがになれましたね。
時差が13時間もあるので意外と夜は眠くありません。
(その代わり昼間は猛烈な睡魔に襲われますが。。。)
@P1010050.jpg
以前の大会の会長さんと。この学会はみなさんとてもフレンドリーなのでとてもうれしいです。

@P1010054.jpg
今回一番ビックリした最新式レーザーです。まさにSF映画の世界です。とても欲しかったのですが、輸入代理店がないので難しそうです。

@IMG_1612.jpg
大会2日目の夜の表彰式で壇上に呼ばれました。すべての試験に合格して指導医の賞状をいただくことができました。この日のために3年間頑張ってきましたので感無量です。
@P1010074.jpg
学会終了後に懇親会がありました。会場で毎回お約束のJhonとのツーショット

@P1010072.jpg
日本の先生方と指導医の永井先生
今までも信じられないほど大変でしたが今回はそれより何倍も大変でした。
実は歯科用レーザーは主に4種類(波長)あります。
ダイオード、エルビウム、ネオジウム、炭酸ガスです。
試験もそれぞれ別にあり実演や症例発表をしなければなりません。
今回はダイオードで試験を受けておりました。
試験が終わったあと永井先生には、
「合格おめでとう。いやー本当によかった!でも来年はエルビウムで試験を受けるように!」
と言われてしまいました。
一瞬絶句してしまいましたが、また新しい目標をもって来年も頑張ります!
今まで私を支えてくれたスタッフや一緒に行った先生や指導医の永井先生に感謝です。