【活動報告】フロリダで開催された米国レーザー歯学会(ALD)に参加!最新の根管治療とアメリカのホワイトニング事情
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村 将光です。
毎年私が継続して参加している『米国レーザー歯学会 (Academy of Laser Dentistry:通称ALD)』の年次大会へ、4月24日から30日までの日程で参加してまいりました。
一昨年(2016年)の4月に、私はこの学会において非常に厳格な審査をクリアし、上級認定資格である「Advanced Proficiency」を取得いたしました。それに伴い、今回は教えられる側ではなく「ALDの指導医(プロクター)」という立場で、日本から新規に参加される先生の実技指導や試験監督を行う予定で渡米しました。
しかし、今年の会場がフロリダという少し遠方の開催地だったこともあり、残念ながら日本からの新規受験の先生がいらっしゃいませんでした。そのため、今回は肩の荷を下ろし、純粋に一人の臨床医として様々な最新の発表を聞き、技術と知識をたっぷりと学ぶインプットの学会となりました。
前回のALD(2017年アリゾナ州ツーソン)の参加の様子はこちら
学会とテーマパークの街、フロリダ州オーランド


今年の開催場所は、2年前の学会と同じフロリダ州のオーランドです。 オーランドと聞くと、4つもの巨大なテーマパークを擁する「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート」や、2つの「ユニバーサル・スタジオ」がある世界的な観光都市として有名ですね。道路の看板にもしっかりとディズニーワールドの案内が出ています。
しかし、実はオーランドは観光だけでなく「様々な国際学会や見本市が開催されるコンベンションの街」としても非常に有名です。市内には巨大なカンファレンス会場が数多く点在しています。
今回私たちが宿泊したホテルに併設されているカンファレンスホールも非常に広大で、エリアが二つに分かれており、私たちの歯科の学会のすぐ隣では、アメリカのIT系の大きな学会も同時に開催されていました。
アメリカのスーパーで見る、驚きの「ホワイトニング事情」
学会が本格的に始まる前日、現地の生活をリサーチするために近くのスーパーマーケットへ足を運びました。


そこで驚いたのが、口腔衛生(オーラルケア)コーナーの品揃えです。とにかく「ホワイトニング関係のグッズ」が尋常ではないほどの種類で陳列されていました。これら棚一面に並んでいるもののほとんどすべてが、強力なホワイトニング効果を謳っている歯磨き粉やケア用品です。

歯に直接ペタッと貼るだけで白くなるテープタイプのものや、2種類の異なる歯磨き粉を順番に併用して化学反応で歯を白くするものなど、日本では見かけないような多種多様なホワイトニング剤が、スーパーで誰でも簡単に買える状態で売られています。
これらは日本の薬機法の規制ではなかなか国内で購入・販売することができない成分が含まれているため、職業柄とても興味が湧き、試しに私もテープタイプのものや歯磨き粉などをいくつか買ってみました。
中にはパッケージに「歯科医院で受ける500ドル(約5〜6万円)相当のホワイトニング効果!」と大々的に書かれているものまであります。果たして、市販品で本当にそこまで歯が真っ白になるのでしょうか?アメリカ人の「歯の白さ」に対する異常なまでの執着と美意識の高さには、毎回驚かされます。
ペーパーレス化と便利な翻訳アプリ

そして、こちらが今年の学会のプログラム・テキストです。
アメリカは日本よりもはるかに急速に「ペーパーレス社会」が進んでおり、日本の学会に行けば当たり前のように受付でもらえる「分厚くプリントされた紙の冊子(プログラム集)」というものが一切ありません。
全部で100ページ以上ある膨大な資料ですが、すべて事前に学会のウェブサイトから自分の端末(スマートフォンやタブレット)にPDFファイルをダウンロードして閲覧するスタイルになっています。

また、海外の学会に参加する際、昔は重たい「電子辞書」を持ち歩くのが必須でしたが、最近はスマートフォンの翻訳アプリさえあれば十分対応できます。 写真のように「pharyngeal(咽頭)」といった専門的な医学用語であっても、その場ですぐに正確な日本語に変換してくれます。本当に便利な世の中になりました。これで、スマートフォンのマイクが講演中の音声をすべて自動で同時通訳して耳に届けてくれれば完璧ですね!(笑)
世界の最先端レーザー治療を学ぶ


さて、本題の学会です。今回はいつも直前まで試験勉強に追われていた時とは違い、広い会場で落ち着いてリラックスしながら、世界中から集まったトップクラスの先生方の発表を数多く聞くことができました。 ちなみに、今回は渡米後の時差ボケの調整が非常にうまくいき、日中に眠気覚ましのコーヒーをあまり飲まずに済みました。思えば5年前に初めてアメリカの学会に参加した時は、昼と夜が完全に逆転してしまい、猛烈な睡魔と戦うためにひたすらコーヒーをがぶ飲みしていたのが懐かしいです。

学会が開催された3日間で様々な発表を聞きましたが、その中でも特に私の目を引いたのが、オーストラリアから来られた先生による「レーザーを用いた最新の根管治療(歯の神経の治療)」についての発表です。 写真のスライドにある「PIPS(Photon Induced Photoacoustic Streaming)」という技術などを用い、複雑で細かい枝分かれをしている歯の根っこの隙間の奥深くまで、レーザーの強力な光の力で徹底的に殺菌・洗浄ができるというもので、日々の臨床に直結する非常に参考になる内容でした。
世界中に広がる歯科医師のネットワーク


こちらの演壇に立っている女性の先生は、カンボジアから来られた歯科医師です。日本の東京医科歯科大学から奨学金制度で招待されて研究されているそうで、持ち時間は10分間と短かったものの、非常に堂々とした素晴らしい発表をされていました。

そして、こちらの写真でご一緒したお二人の先生はブラジル出身のドクターです。現在はアメリカの大学や医療施設に拠点を移して、最先端のレーザー研究を行っていらっしゃいます。国境を越えて同じ志を持つ先生方と交流できるのも、国際学会の大きな醍醐味です。
私は大学の機関で研究ばかりをしている研究者ではなく、毎日現場で患者さまの治療に向き合っている「一般臨床医」です。
しかし、今回こうして世界中の先生方が生き生きと素晴らしい発表をしている姿を目の当たりにして、「私もただ話を聞くだけでなく、もっと臨床の経験を積んで、来年以降は世界の舞台で何か有益な発表ができれば!」と強く刺激を受けました。
来年はテキサス州ダラスへ!

さて、次回の来年のALD年次大会は、フロリダから場所を移してテキサス州の「ダラス」で開催されることが発表されました。 ダラスは私自身今まで一度も訪れたことがない都市なので、今からとても楽しみです。また、ダラスへは日本(成田)から直行便が飛んでいるため、今回のような乗り継ぎ(トランジット)の手間がなく、移動による体力的な負担が格段に楽になると思います。乗り換えがあると、待ち時間も含めて5時間ぐらい余計に時間がかかってしまいますからね。
しかし、もし来年「学会で自分の臨床ケースを発表する」ということになれば、スライドの準備や英語でのプレゼンの緊張感で、現地の観光や直行便の快適さを楽しんでいる余裕など全くなくなってしまいそうです!(笑)
今回アメリカで学んできた最先端のレーザーの知識と技術を、さっそく谷村歯科医院での日々の治療に活かし、患者さまにより安全で痛みの少ない質の高い医療を提供してまいります。
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