お知らせ
-
【歯科医師解説】「歯に良い食べ物」と「悪い食べ物」の違いとは?食事で虫歯を防ぐ基礎知識
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村 将光です。 今回は、私たちの毎日の生活に欠かせない『歯に良い食べ物』について一緒に考えていきたいと思います。 皆さん、「歯に良い食べ物」と聞いて、真っ先にどのようなものを思い浮かべるでしょうか? 「お砂糖が入っていない食べ物かな?」「それとも、スルメのように加工されていない噛みごたえがある食べ物だろうか?」など、様々なイメージがあるかと思います。 実は、私たちのお口の健康は、日々の「食べ物」によって非常に大きく左右されています。 そして、その食生活の乱れから歯の健康が一度損なわれてしまうと、今まで当たり前のように美味しく食べていたものが急に噛めなくなり、食事そのものを楽しめなくなってしまいます。 私たちの歯には、単に食べ物を砕く以外にも、『噛む』『飲み込む』『はっきりと発音する』『顔の見た目(輪郭や表情)を保つ』『重いものを持つ時などにグッと食いしばって力を出す』など、生きていく上で極めて重要な様々な役割があります。 しかし、虫歯や歯周病で歯を失ってしまうと、これらの素晴らしい機能が一気に損なわれてしまいます。そうならないためにも、日頃から「歯に良い食べ物」を意識して積極的に摂るように心がけましょう。 1. そもそも「歯に良い」とはどういう意味? 歯科の視点から見た「歯に良い」という言葉には、大きく分けて以下の3つの重要な要素(条件)が含まれています。 ① 歯の質そのものを「強くする」こと 歯を強くするとは、歯を構成する成分を内側から丈夫にするということです。歯の質が良くなれば、虫歯菌の出す酸に溶かされにくくなり、硬いものを噛んだ時の破折(割れ)や日々の摩耗に対しても非常に丈夫になります。 歯の主成分はカルシウムですので、特に歯が作られる子供の時期には、歯の「石灰化」を助けてくれる食べ物を積極的に摂るのが理想的です。 具体例: 牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、小魚、ひじきなど。 サポート役のビタミン: カルシウムだけを摂るのではなく、歯の基盤を作るビタミンA、象牙質を作るビタミンC、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも必須です。これらを豊富に含む人参、ほうれん草、しいたけ、わかめ、キャベツなどもバランス良く摂るようにしましょう。 ② お口の中を「きれいにする(自浄作用)」こと これは、その食べ物を噛んで食べるという動作自体が、歯の表面についた歯垢(プラーク)をこすり落として綺麗にしてくれる効果のことです(これを「清掃性食品」と呼びます)。 具体例: ごぼう、こんにゃく、きくらげ、ひじき、大豆、しいたけ、セロリなど。 これらのような「食物繊維」を多く含む食べ物をしっかり噛んで食べると、お口の中の唾液の分泌が活発に促されます。あふれ出た沢山の唾液が歯の表面の汚れや細菌を綺麗に洗い流してくれる、この素晴らしい働きを『自浄作用(じじょうさよう)』といいます。 ③ 顎に過度な負担をかけず「噛む力を強化する」こと 顎の周りにある「噛むための4つの筋肉(咀嚼筋)」がしっかりと使われて強化されると、噛む力自体が強くなり、顎の発達を促します。 具体例: やや硬めに調理されたごぼう、スルメ、ステーキなどの大きめのお肉など。 これらを「適量」摂取してしっかり噛むことは顎の成長に非常に有効です。 ※硬いものの「食べ過ぎ」には要注意! ただし、顎を鍛えようとして硬い食べ物を「過剰に」摂取しすぎると、逆に顎の関節に大きな負担がかかってしまいます。顎への負担が限界を超えると『顎関節症(がくかんせつしょう)』を引き起こし、「口を開けると痛い」「カクカク、ジャリジャリと音がする」「開ける途中で引っかかる」「顎の周りがだるい」「口が大きく開かない」といった辛い症状が出るようになります。 現代人の顎は、昔の人と違って常に硬いものばかりを食べ続けるようにはできていません。普段、ハンバーグなど加工された柔らかい食べ物が多い食生活を送っている方が、いきなりスルメのような硬いものばかりを急に食べ続けたら、顎の関節や筋肉が悲鳴を上げてしまいますので、無理のない範囲で取り入れてください。 2. 積極的に摂りたい「歯に良い食べ物」 上記の3つの条件を満たす食べ物が、文字通り「歯に良い食べ物」となります。 乳製品、小魚、海藻類、食物繊維が豊富な根菜類(ごぼう・人参など)やキノコ類などです。これらの食べ物は、飲み込むまでにしっかりと「噛む」必要がありますが、そのおかげで唾液がたくさん出てお口の中をきれいに保ち、歯垢の原因となる糖分が少なく、顎の骨や筋肉を適度に強くしてくれるという素晴らしい働きがあります。 3. 要注意!虫歯や歯周病を招く「歯に悪い食べ物」 逆に「歯に悪い食べ物」とはどのようなものでしょうか。 それはズバリ、「歯の表面にベタベタとくっついて残りやすく、さらに甘い(糖分が多い)もの」です。 また、「甘くないから大丈夫」と油断しがちなのが洋食のメニューです。洋食は甘くなくても、あまり噛まずに飲み込める「柔らかいもの」や「炭水化物(糖質)」が非常に多いため、実は要注意なのです。 柔らかい食事の例: ラーメン、焼きそば、スパゲッティなどの麺類、目玉焼き、オムライス、カレーライスなど。 甘くて残りやすいものの例: アイスクリーム、キャラメル、ケーキ、ビスケットなど。 これらの柔らかい食べ物ばかりが毎日の主食になってしまうと、顎の骨や筋肉が十分に発達しません。その結果、特に成長期のお子様の場合は口元や顎が小さくなり、永久歯がきれいに並ぶスペースが足りずに「歯並びが悪くなる」原因となります。さらに、唇の筋力が弱まって口元がポカンと開いたままになり、お口の中が乾燥して唾液の自浄作用が失われ、虫歯が爆発的に多くなってしまいます。 もちろん、お砂糖(糖分)がお口の中に長時間残ることで、それをエサにする虫歯菌や歯周病菌が猛烈に繁殖し、どんどん歯が溶けて最終的には噛むことすらできなくなってしまいます。さらに、柔らかいものばかり噛んでいると顎の関節の動きがおかしくなったり、白砂糖の多い甘いものを過剰に食べ過ぎると血糖値の乱高下で身体が疲れやすくなったりと、全身の健康にも悪影響を及ぼします。 まとめ:理想は「和食」と「定期検診」 歯を健康に保つための食生活の理想は、やはり『和食(一汁三菜)』を中心としたメニューにすることです。和食には、根菜類や海藻、小魚、大豆製品など、自然と噛みごたえがあり、カルシウムや食物繊維が豊富な「歯に良い食材」がたっぷりと使われています。 バランスの良い食事を美味しく楽しんだ後は、丁寧に歯磨きをして汚れをリセットしましょう。そして、毎日のご自宅でのケアに加えて、数ヶ月に1度は必ず歯科医院での「定期検診」と「プロのクリーニング」を受けて、いつまでも健康で美しいお口の状態を保っていきましょう! 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ: https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
-
【活動報告】美容大国・韓国ソウルで開催されたインプラント研修に参加しました
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村 将光です。 7月19日から21日の連休を利用して、お隣の国である韓国・ソウルで開催されたインプラントのハンズオンセミナー(実践的な実技研修)へ参加してまいりました。 冒頭の写真は、セミナーの全日程を終えた後の修了証授与式での一枚です。韓国の大学の伝統的なスタイルなのか、このような立派なアカデミックガウン(衣装)を着せていただき、大変誇らしく嬉しい瞬間でした! このセミナーは、私が所属している「国際口腔インプラント学会」が主催する海外特別セミナーです。今回の講師を務めてくださるのは、私が以前名古屋で受講した高度な骨造成セミナーでもご指導いただいた、韓国の大学教授の先生です。 前回の名古屋でのインプラントセミナーの様子はこちら 私にとって海外でのセミナー参加は今回が初めてだったため、出発前からとても楽しみにしていました。しかも今回はただ座学で講義を聴くだけでなく、実際の器具を使った実習(ハンズオン)がメインとなります。この学会は現場で活躍する臨床医(開業医)が中心となって運営しているため、明日からの治療に直結する非常に実践的な内容が学べるのが特徴です。 いざソウルへ!ビジネスの街「江南(カンナム)」と美容医療 ソウルの金浦空港に到着した直後は、「ここから会場までどの交通手段を使えばいいのだろう?」と少し迷いましたが、無事にバスに乗って滞在先のホテルへ到着することができました。 今回滞在したのは、韓国の有名企業が数多く集まるビジネスの中心地「江南(カンナム)地区」です。明洞(ミョンドン)や南大門(ナムデムン)といった日本人に人気の観光スポットからは少し離れた場所にあるため、周囲に観光客の姿はあまり見かけませんでした。 ホテル内を散策していて驚いたのがこちらです。 さすがは美容大国・韓国。一流ホテルの施設内に、なんと立派な「美容外科クリニック」が普通に入っているのです! 韓国では、美容外科へ通うことが日本でエステサロンに行くのと同じくらい身近な感覚として根付いているのでしょうね。 実は、歯科のインプラント治療も「しっかりと噛めるようになる」という機能的な側面だけでなく、「失った歯を自然に美しく蘇らせる」という美容的・審美的な側面を強く併せ持っています。見た目の美しさに非常にこだわる韓国だからこそ、インプラント治療がここまで大きく発展し、このような素晴らしいセミナーが盛んに開催されているのだと実感しました。 こちらは、宿泊先の「COEXインターコンチネンタルホテル」のロビーに、日本から参加した先生方と集合した際の様子です。 空港に着いてから街中までずっと韓国の方しか見かけず、看板もハングルばかりで少し緊張していたのですが、ここでようやく日本人の先生方と合流できてホッと胸を撫で下ろしました。首都ソウルであっても、ビジネス街には意外と日本人は少ないのかもしれませんね。 年間2,000本のオペをこなすスペシャリスト・Cho教授 ここから歩いて5分ほどの場所にある研修センターへ移動します。会場は、韓国の最大手インプラントメーカーである「Osstem(オステム)社」の巨大なオフィス内です。 こちらが、今回のセミナーのメイン講師であるCho(チョ)先生です。 実はCho先生は、韓国の最高学府である「ソウル大学」の口腔外科で教授を務められている、インプラント治療の超スペシャリストです。 口腔外科に所属されているとはいえ、なんと毎年2,000本ものインプラントオペを執刀されているというから驚きです。日本の一般的な歯科医院では「年間100本」もオペがあれば相当多い方(インプラントに力を入れている医院)とされますから、年間2,000本という数字は桁違いです。韓国トップのソウル大学という環境と、インプラント需要の高さがあるからこその圧倒的な臨床数ですね。 午前中のセッションは、まず最新の術式に関する講義からスタートです。 少しでも多くの知識を吸収しようと、今回も一番前の席に陣取って一生懸命に聴講しました。 スクリーンにこのような図解スライドが映し出され、インプラントの緻密な配置変更や骨移植などについて解説されていました。 Cho先生は英語と韓国語が堪能ですが、講義は主に韓国語で行われ、それを通訳の方がリアルタイムで日本語に翻訳してくれました。ちなみに、この通訳を担当してくださったのも韓国語がペラペラな日本の歯科医師の先生でした。専門用語が飛び交う医療の現場では、同じ歯科医師による通訳が最も正確で心強いですね。 午後からの実践実習(ハンズオン)で技術を磨く 午後からは、いよいよ顎の骨の模型を使ったインプラント埋入の実習(ハンズオン)です。 インプラント治療を安全に成功させるためには、ひたすら勉強を続け、新しい技術を繰り返し手と体に覚え込ませる習得訓練が欠かせません。 現代のインプラント治療の基本的な術式自体はすでに確立されていますが、実際の人間の体(お口の中)で行うオペでは、骨の硬さや神経の位置など患者さまごとに全く条件が異なり、決して教科書通りにはいきません。 私たちインプラントに携わる歯科医師は、オペ中にどのような不測の事態や難しい状況に直面しても、冷静かつ確実に対処できる引き出し(技術力)を持っておかなければなりません。こうした実践的な模型実習は、その引き出しを増やすために非常に重要です。 ソウル市内の最先端「歯科医院」見学ツアー セミナー翌日は、ソウル市内にある実際の歯科医院を2軒も見学させていただくことができました。海外のリアルな歯科医院の裏側を見学できる機会など滅多にありませんから、大変貴重な体験です。 まず1軒目に見学させていただいたのが、こちらの『ソウルスマイルフェイスデンタルクリニック』という歯科医院です。 エントランスや受付は、まるで高級ホテルのラウンジのような洗練された雰囲気で、隅々までとても綺麗に清掃・デザインされていました。 こちらは奥にある実際の診察室の様子です。最新の設備が整っており、ちょうど患者さまの治療が行われていました。 韓国ではインプラント治療が非常にポピュラーな治療法として広く国民に認識されており、なんと全国の8割以上の歯科医院がインプラント治療を取り扱っているそうです。日本よりもはるかにインプラントが身近な存在であることが伺えます。 続いて2軒目に見学したのが『デザインクリニック』という歯科医院なのですが、ここでは度肝を抜かれました。 なんと、歯の治療を行う傍らで「ネイルケア(ジェルネイルなど)」のサービスを受けることができるのです! 院内には写真のような本格的な「ネイル専用ルーム」が完備されており、本当にびっくりしました。 「歯を綺麗にするついでに、指先も美しく整えて帰る」という、美容大国ならではの素晴らしいアイデアとホスピタリティですね。日本の法律(医療法など)の規制を考えると、歯科医院の中にネイルサロンを併設するのはちょっと不可能に近いのですが、患者さまを喜ばせるエンターテインメント性として非常に勉強になりました。 まとめ 今回の韓国セミナーは2泊3日という非常にタイトな弾丸スケジュールだったため、残念ながら観光を楽しむ時間は全くありませんでした。 しかし、韓国トップクラスの教授からインプラントの高度な知識と技術を直接学び、さらに海外の最先端の歯科医院のシステムを見学することができ、歯科医師として本当に実りある充実した時間を過ごすことができました。 今回海を渡って得た最新の知識とインスピレーションを、明日からの谷村歯科医院での日々の診療にしっかりと活かし、患者さまへより安全で質の高い治療をご提供してまいります! 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ: https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
-
60代 女性 インプラント・メタルボンド・セラマージュ冠
<治療説明>施術名:インプラント、セラマージュ、メタルセラミックス冠施術の説明:インプラントはチタン製のインプラント体を埋入し、天然歯のようにかめるように機能回復を目指します。セラマージュは色や形の悪い歯を治してできるだけ自然な歯に近づけます。金属を使用していないため、金属アレルギーの原因にもならず、体に優しい素材です。メタルボンドは表面をセラミックなので変色せず自然な白さが出せて、内側を金属で強化しています。施術の副作用(リスク):痛み・咬合時痛・冷温水痛・抜歯する場合は腫脹や出血や神経麻痺などを生じる事があります。麻酔を行う場合、アナフィラキシーショックを生じるリスクがあります。セラミック・仮歯が欠けたり、外れる事があります。場合により歯の神経の治療をします。義歯はあわなくなった場合調整する必要があります。治療期間・回数:12ヶ月・18回施術の価格(保険適用外):1本あたり 66,000円~407,000円
-
世田谷区 60代 女性 G.K様 オールセラミックス冠・セラマージュインレー・ノンクラスプデンチャー
<治療説明>施術名:オールセラミックス冠、セラマージュインレー、ノンクラスプデンチャー施術の説明:オールセラミックス・セラマージュは色や形の悪い歯を治してできるだけ自然な歯に近づけます。金属を使用していないため、金属アレルギーの原因にもならず、体に優しい素材です。ノンクラスプデンチャー(義歯)は従来の入れ歯・義歯と比べてバネがなく審美性に優れる義歯です。施術の副作用(リスク):痛み・咬合時痛・冷温水痛・抜歯する場合は腫脹や出血や神経麻痺などを生じる事があります。麻酔を行う場合、アナフィラキシーショックを生じるリスクがあります。セラミック・仮歯が欠けたり、外れる事があります。場合により歯の神経の治療をします。義歯はあわなくなった場合調整する必要があります。治療期間・回数:6ヶ月・15回施術の価格(保険適用外):1本あたり 44,000円~330,000円
-
世田谷区 40代 女性 O.T様 メタルセラミックス冠・セラマージュインレー
<治療説明>施術名:メタルセラミックス、セラマージュインレー施術の説明:メタルセラミックス、セラマージュは色や形の悪い歯を治してできるだけ自然な歯に近づけます。メタルセラミックスは内側を金属で補強しており耐久性があります。セラマージュは金属を使用していないため、金属アレルギーの原因にもならず、体に優しい素材です。施術の副作用(リスク):痛み・咬合時痛・冷温水痛・抜歯する場合は腫脹や出血や神経麻痺などを生じる事があります。麻酔を行う場合、アナフィラキシーショックを生じるリスクがあります。セラミック・仮歯が欠けたり、外れる事があります。場合により歯の神経の治療をします。義歯はあわなくなった場合調整する必要があります。治療期間・回数:3ヶ月・9回施術の価格(保険適用外):1本あたり 44,000円~121,000円
-
【活動報告】江戸時代の歯医者さんは麻酔なし!?国立科学博物館「医は仁術」
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村 将光です。 私は趣味でよく博物館や美術館へ足を運ぶのですが、先日、上野の国立科学博物館で開催されている特別展『医は仁術』を見に行ってまいりました。 今回の展示は「医学の歴史」、特に私たちの専門分野である「歯科医学」にも深く関係する貴重な資料が多数展示されているということで、非常に興味があり早速出かけてきました。江戸時代の医学の成り立ちについて、とても深く知識を得ることができましたので、皆様にも少しご紹介したいと思います。 1. 「気」の調和から「解体新書」へ。江戸時代の医学の進化 西洋医学が本格的に入ってくる江戸時代後期までの日本の医学は、古くから中国(漢方医学)の強い影響を受けて発展してきました。 当時の医学では、実際の臓器といった「目に見える人体の構造」よりも、目に見えないエネルギーである『気』の巡りを重要視していました。この「気」の調和が崩れた状態こそが『病気』であると考えられていたのです。 医者は患者を診察すると、症状や状態に応じて日本の薬草や中国から伝わった漢方薬を調合して処方していました。また、鍼(はり)や灸(きゅう)といった治療法がポピュラーであったほか、現代の医学とは呼べないような「祈祷(お祈り)」なども、病気を治すための手段としてごく当たり前に、かつ盛んに行われていました。 江戸時代の医学の歴史を語る上で最も有名な出来事といえば、やはり『解体新書』の翻訳・出版でしょう。 ドイツ人医師のアダム・クルムスが記した解剖学書『ターヘル・アナトミア』のオランダ語訳本を手に入れた前野良沢と杉田玄白は、江戸で行われた実際の死体解剖(腑分け)の場に立ち会いました。そして、本に描かれている緻密な解剖図と、実際の臓器の構造を照らし合わせてみたところ、その内容が寸分違わずものすごく正確であったことに大変な衝撃を受けたそうです。 彼らが苦難の末に4年もの歳月をかけて日本語に翻訳したこの『解体新書』こそが、我が国における「初めての本格的な西洋医学書」と言えます。 これを機に、山脇東洋が日本初となる人体解剖の記録を残すなど、人体解剖の重要性が各地へ広まっていきました。さらに1804年(文化元年)には、華岡青洲がなんと「世界初」となる全身麻酔下での乳がん摘出手術を成功させます。そして1823年(文政6年)にドイツ人医師のシーボルトが来日し、日本の西洋医学は飛躍的な進歩を遂げることになります。 2. 医療の原点「医は仁術」に込められた想い 今回の特別展のタイトルにもなっている『医は仁術(いはじんじゅつ)』とは、「医というものは、人命を救う博愛の道である」という意味を持つ格言です。江戸時代に、医者の心構えとして盛んに用いられた言葉だそうです。 『仁』とは儒教の教えから来ており、「他を想う心(思いやり)」を意味します。 身分制度が非常に厳しかった江戸時代においてさえ、「仁」の精神は身分の上下に関係なく、命と向き合う誰もが持つべき平等な思想として受け継がれていました。現代の医療従事者である私たちにとっても、決して忘れてはならない大切な精神です。 3. 麻酔なし!?江戸時代の恐ろしい「抜歯」事情 会場には、様々な難病を治療する様子を描いた浮世絵も展示されていました。上の写真の真ん中の絵をよく見ると、なんと「歯を抜いている(抜歯している)」様子が描かれています。 昔の人は、虫歯などで歯が痛くなってしまった時は一体どうしていたのでしょうか? 江戸時代やそれ以前の時代、現代のような優れた局所麻酔薬は当然ありません。どうやって抜歯をしていたのか非常に気になりますよね。 基本的には、この絵に描かれているように、専用の鉗子(かんし=ペンチのような道具)を使って「力任せに歯を引っこ抜いていた」そうです。麻酔らしい麻酔も無いため、文字通り「せ〜の!」で一気に気合で抜いていたとのこと。想像しただけでも歯が浮くような恐ろしい痛さです。 しかし、すでにグラグラになっている歯ならともかく、そこそこ根っこがしっかりしている歯は人間の力だけではなかなか抜けません。人間の顎の骨というのは、全身の骨の中でもトップクラスに硬く頑丈なため、少しでも歯の根が引っかかっているとビクともしないのです。 そこでどうしたかというと……なんと、「木の棒を歯に当てて、木槌(トンカチ)でガンガンと叩いて衝撃を与え、無理やり抜歯していた」そうです! 現代の痛みを抑える麻酔(無痛治療)のありがたさを痛感するとともに、つくづく江戸時代に生まれなくてよかったと心から思いました(笑)。 4. 世界最高峰!日本独自の精巧な「木床義歯(入れ歯)」 そしてこちらが、江戸時代に実際に使われていた「木製の入れ歯(木床義歯)」です。 非常に硬くて加工しやすく、なじみの良い黄楊(つげ)の木を削り出して作られています。既婚女性などはお歯黒の習慣があったため、歯の部分が黒く染められているのが特徴です。 驚くべきことに、当時の日本の入れ歯製作技術は「世界で最も優れていた」と言われています。 当時は『入れ歯師』と呼ばれる、入れ歯作りだけを行う専門の職人(プロフェッショナル)が存在していました。現代の歯科治療で入れ歯を作る際は、専用の印象材で歯の型を取り、石膏で模型を作ってから精密に製作します。江戸時代の入れ歯師たちも、なんと「蜜蝋(みつろう=ミツバチの巣からとれるロウ)」をお湯で柔らかくして口に含ませ、精巧な顎の型を取っていたそうです。 そうして作られた木製の入れ歯は、隙間なく顎の粘膜にピッタリと吸い付くほどのものすごい精度を誇っていたとのこと。道具も乏しい時代にここまでのモノを作り上げる、日本人の職人魂と手先の器用さには本当に驚かされるばかりです! おわりに 今回の特別展は歴史や骨董などのテーマということで、ご年配の方の見学者が多いのかなと予想していたのですが、会場に行ってみると意外にも学生さんや若い方の姿がとても多かったです。 よく観察してみると、熱心にメモを取ったり展示に見入っている若い方たちは、みなさん医科や歯科関係の方(医師や医大生、研修医たち)のようでした。先人たちの知恵と努力の結晶を学ぼうとする若い世代の熱意に触れ、私自身も非常に大きな刺激をもらいました。 江戸時代から脈々と受け継がれる「医は仁術」の精神と、日本の細やかな職人技術。私たち谷村歯科医院もその想いをしっかりと受け継ぎ、最新の技術で患者さまに最善の治療を提供できるよう、これからも日々研鑽を積んでまいります。 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ: https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
-
当院がテレビ朝日の「びっくりぃむ2014」のロケに使用されました!
5月25日放送の歯医者さんのシーンで、当院が使用されました! 詳しくはこちら
-
2014年5月テレビ制作に協力しました
テレビ朝日さんの番組制作に協力しました。当初は技術指導と場所提供のみの予定で話が進んでいたのですが、何度か打ち合わせをしているうちに「先生もぜひ出演してください!」と言われてしまいました。 最終的には「スタッフの皆さんも出演していただけますか?」と頼まれたので、本物の受付と歯科衛生士として出演することになりました。 ディレクターさんと綿密に打ち合わせ中です。 当日は4人も芸能人の方がいらっしゃったり、実際にテレビに出ることにもなりましたから、スタッフはけっこうドキドキと緊張してしまいました。 放送時間はたった数分でしたが、撮影は休診日の朝7時から夜8時までで13時間もかかりました!慣れないこともあり、みんな最後の方はヘトヘトです。 10回以上リハーサルを繰り返し、モニターでチェックします。 これまで映画撮影や健康番組の撮影にはご協力してきましたが、バラエティ番組は初めてだったので、正直戸惑いもありました。 スタッフの慰労(芸能人に会える!)を兼ねての撮影だったのですが、今回も貴重な体験をすることができました。テレビクルーの皆さん、写真をいっしょに撮ってくれた岡本さん、大林さん、ニッチェさん、ありがとうございました! 「歯医者は緊張しますね~」と皆さんおっしゃっていました。 try{for(var lastpass_iter=0; lastpass_iter < document.forms.length; lastpass_iter++){ var lastpass_f = document.forms[lastpass_iter]; if(typeof(lastpass_f.lpsubmitorig2)=="undefined"){ lastpass_f.lpsubmitorig2 = lastpass_f.submit; lastpass_f.submit = function(){ var form=this; var customEvent = document.createEvent("Event"); customEvent.initEvent("lpCustomEvent", true, true); var d = document.getElementById("hiddenlpsubmitdiv"); if (d) {for(var i = 0; i < document.forms.length; i++){ if(document.forms[i]==form){ d.innerText=i; } } d.dispatchEvent(customEvent); }form.lpsubmitorig2(); } } }}catch(e){}
-
世田谷区 30代 女性 K.K様 セラマージュインレー(ハイブリッドセラミックス)
<治療説明>施術名:セラマージュインレー施術の説明:セラマージュは色や形の悪い歯を治してできるだけ自然な歯に近づけます。セラマージュは金属を使用していないため、金属アレルギーの原因にもならず、体に優しい素材です。施術の副作用(リスク):痛み・咬合時痛・冷温水痛・抜歯する場合は腫脹や出血や神経麻痺などを生じる事があります。麻酔を行う場合、アナフィラキシーショックを生じるリスクがあります。セラミック・仮歯が欠けたり、外れる事があります。場合により歯の神経の治療をします。義歯はあわなくなった場合調整する必要があります。治療期間・回数:3ヶ月・8回施術の価格(保険適用外):1本あたり 44,000円
-
【歯科医師解説】女性は要注意?ホルモンバランスの変化と歯周病の深い関係
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村 将光です。 今回のブログのテーマは、『ホルモンバランスと歯周病の関係』についてです。 「歯の病気とホルモンになんの関係があるの?」と驚かれる方も多いかもしれませんが、実は、私たちの体のホルモンバランスが崩れたり大きく変化したりする時期は、お口の中の「歯周病」が非常に悪化しやすいタイミングでもあるのです。 これが一体どういうことなのか、歯周病の基本的なメカニズムとともに詳しく解説していきます。 1. そもそも歯周病とは?(自覚症状のない恐ろしい病気) 歯周病(昔でいう歯槽膿漏)とは、歯そのものの病気ではなく、歯を支えている周りの組織(歯茎や顎の骨)が細菌に感染して炎症を起こす病気です。 進行すると、歯茎の赤く腫れ、出血、痛み、歯のグラつき、強烈な口臭といった症状が現れ、最終的には歯を支える骨が溶けて「歯が抜け落ちてしまう」という非常に恐ろしい病気です。 実は、日本人が歯を失う原因の第1位は「虫歯」ではなく、この「歯周病」です。 30歳以上の成人の約8割がすでに歯周病(またはその予備軍)にかかっていると言われており、50代後半に差し掛かると、これまでの進行が表面化して急速に歯を失う方が急増します。 歯周病が最も恐ろしいのは、病巣が末期に近づくまで「痛み」や「目立った自覚症状」がほとんどないという点です。そのため、自分では気づかないうちに進行してしまうことから、別名『サイレント・ディジーズ(静かなる病気)』とも呼ばれています。 さらに最近の研究では、お口の中の歯周病菌が血管を通って全身に運ばれることで、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病の悪化など、全身の命に関わる重大な病気と密接なつながりがあることも分かってきています。 生涯にわたってご自身の歯を残し、健康に生きるためには、この歯周病をいかに早期に抑え込むかが最大の鍵となります。 2. 歯周病の本当の原因と「2種類の歯石」 歯周病の根本的な原因は「細菌感染」です。 毎日の磨き残しである「歯垢(プラーク)」は、単なる食べかすではなく細菌の巨大な塊です。この歯垢が歯に付着したまま約3ヶ月ほど放置されると、唾液の中のカルシウム成分と結合し、石のように硬い「歯石(しせき)」へと変化してしまいます。 一度歯石になってしまうと、もはや普段の歯ブラシでいくら強くこすっても取り除くことはできません。そして、このザラザラした歯石の裏側や隙間に、酸素を嫌う毒性の強い「歯周病菌」が爆発的に増殖していくのです。 実は、この歯石には大きく分けて2つの種類があります。 ① 縁上歯石(えんじょうしせき) 歯茎より上の「目に見える部分」につく、白っぽい色の歯石です。これは歯科医院の超音波スケーラーなどの機械を使えば、比較的容易に取り除くことができます。 ② 縁下歯石(えんかしせき):★これが歯周病の元凶! 白い歯石を放置していると、やがて歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)の奥深く、目に見えない根っこの部分へと進行していきます。炎症を起こして腫れた歯茎から出た「血液」と結びついて黒褐色になったものを縁下歯石と呼びます。 この黒い縁下歯石こそが、歯周ポケットをさらに深くし、歯茎に強烈な炎症を起こさせ、歯を支えている大切な顎の骨をジワジワと溶かしていく真犯人です。 縁下歯石は非常に硬く、奥深くにこびりついているため、歯科医院の専門的な機械を使っても簡単には取り除けません。処置の際に痛みが強い場合は麻酔が必要になりますし、付着している場所や根の形状によっては、物理的に取り除くことが不可能なケースすらあります。 顎の骨という「土台」が溶けて無くなってしまった歯は、もはや柔らかい歯茎の肉だけでブラブラとぶら下がっている状態です。これでは硬いものを噛むことは到底できず、最終的にはポロリと抜け落ちてしまうのです。 3. ホルモンバランスと歯周病の深い関係(女性は要注意!) ここまで歯周病の恐ろしさをお伝えしてきましたが、実は数あるホルモンの中でも、特に「女性ホルモン」が歯周病の進行と密接に関わっています。 女性ホルモンの分泌量が多くなると、歯肉(歯茎)の血管内の血流量が増加し、少しの刺激でも歯茎が赤く腫れたり、出血しやすくなったりします。そこへ歯周病菌が入り込むことで、症状が一気に重症化しやすくなるのです。 女性の生涯において、ホルモンバランスが特に大きく変化する「2つの危険な時期」があります。 危険な時期①:妊娠・出産の時期(妊娠性歯肉炎) 昔から「妊娠・出産をすると、お腹の子供にカルシウム(栄養)を取られてお母さんの歯が悪くなる」という俗説をよく耳にしますが、これは医学的に全くの間違いです。 一度完成したお母さんの歯から、子供へカルシウムが溶け出していくようなことは絶対にありません。 妊娠中に歯や歯茎が悪くなる本当の理由は、以下の3つです。 女性ホルモンの急増: 妊娠中は女性ホルモン(エストロゲンなど)が急激に増加し、これを好物とする特定の歯周病菌が繁殖しやすくなり、歯茎が腫れやすくなります。 つわりによるお口の酸性化: つわりで嘔吐を繰り返すことで、強い胃酸がお口の中に残り、歯の表面が溶けやすい状態(酸蝕症)になります。 つわりによる歯磨き不足: 歯ブラシを口に入れるだけでも気持ち悪くなってしまうため、十分なブラッシングができず、お口の中の衛生環境が一気に悪化してしまいます。 危険な時期②:更年期と骨粗鬆症 更年期を迎えると、今度は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少するため、女性の体調には大きな変化が現れます。 エストロゲンには骨を丈夫に保つ働きがあるため、これが減少することで全身の骨密度が低下する「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」のリスクが高まります。これは、歯を支えている「顎の骨」も例外ではありません。 骨粗鬆症になると、顎の骨自体もスカスカになり弱くなってしまうため、歯周病による骨の吸収(溶けるスピード)がさらに加速しやすくなります。 また、骨粗鬆症の治療薬(ビスフォスフォネート系薬剤など)は、骨を溶かす細胞(破骨細胞)の働きを止める効果がありますが、長期的には新しい骨を作る細胞(造骨細胞)の働きも抑えてしまう側面があります。そのため、このお薬を服用されている時期に抜歯などの外科処置や重度の歯周病治療を行うと、顎の骨が細菌感染を起こしやすくなるリスクがあります。(※お薬を服用されている方は、必ず事前に歯科医師へお知らせください) まとめ:毎日のケアと定期検診で防ごう! このように、女性は男性に比べて、生涯を通じて「歯周病になりやすい・悪化しやすい条件(ホルモンの波)」がどうしても揃ってしまっているため、特に注意が必要です。 一度歯周病によって溶けてしまった顎の骨を、元の高さまで完全に再生することは現代の医療でもほぼ不可能です。 しかし、決して絶望する必要はありません。毎日の丁寧なセルフケア(歯磨き)と、歯科医院での定期的なプロフェッショナルケア(縁上・縁下歯石の除去)を徹底していれば、歯周病の進行を確実にストップさせることは可能です。 もちろん男性であっても、お口のケアを怠れば容赦無く歯周病で歯を失うことになります。 年齢や性別に関わらず、ご自身の未来の健康な歯を守るために、ぜひ毎日の歯磨きを頑張り、数ヶ月に一度は当院へメンテナンスにいらしてくださいね! 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ: https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7