お知らせ
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【歯科医師解説】治療した銀歯や被せ物が取れるのはなぜ?お口の過酷な環境による経年劣化・二次むし歯の仕組みと応急処置
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村 将光です。 今回は、むし歯治療のあとにお口の中へ装着した『詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)といった人工の修復物が、なぜ年月が経つと外れてしまうのか』という原因と、万が一取れてしまった際の正しい対処法について詳しくお話しいたします。 歯科医院でむし歯を削り、銀歯などの詰め物や被せ物が入って治療が完了すると、「これでこの歯は完全に治ったから、もう一生むし歯にはならないし安心だ!」と思われる方が少なくありません。 しかし、実はお口の中に入れた人工の修復物には「永久に使える一生もの」ではないという現実があり、一定の寿命(耐用年数)が存在します。 1. お口の中は想像以上に過酷!保険の修復物の寿命は「約7〜10年」が目安 治療したばかりのときは、ご自身の歯に寸分の狂いもなくぴったりと適合していた詰め物や被せ物であっても、毎日休むことなく使い続けるうちに、少しずつ経年劣化が進んでいくことは避けられません。 なぜなら、私たちのお口の中は人工の素材にとって「想像を絶するほど過酷な環境」だからです。 冒頭のイラストにある通り、お口の中には氷やかき氷のような「氷点下の冷たいもの」から、熱々のラーメンやお茶といった「60度以上の熱いもの」までが次々と入ってきます。さらに、炭酸飲料や柑橘類、お酢などの強い「酸」やだ液(水分)に常にさらされ続け、そのうえで毎日数千回に及ぶ食事のたびに、ご自身の体重にも匹敵する数十キログラムもの「噛む力(咬合力)」を受け止めているのです。 もちろん、使用している修復物の素材(保険の金属・プラスチックか、自費のセラミックか)や、患者さまの噛み合わせのクセ、日ごろの歯みがきの状況によっても大きく異なりますが、歯科の統計的な調査によると、健康保険の診療で作られた金属の詰め物・被せ物(銀歯など)は、装着してから『おおよそ7年〜10年程度』が寿命(作り替えが必要になるひとつの目安)という見解が示されています。 2. なぜ突然ポロッと取れるの?詰め物・被せ物が外れる「3大原因」 お食事中などに突然、詰め物や被せ物がポロッと外れてしまう背景には、主に次の3つの原因が隠れています。 ① 歯と修復物をつなぐ「接着剤(歯科用セメント)」の経年劣化 1つ目の原因は、ご自身の歯と人工の修復物の間を固定している『歯科用接着剤(セメント)』の劣化です。 先ほどお話しした毎日の激しい温度変化(熱膨張と収縮)や、噛む力によるたわみ、そして常にだ液に触れ続ける環境によって、歯と修復物の間にあるセメントは長い年月をかけて少しずつ溶け出したり、細かく砕けたりして劣化していきます。 これにより、最初はぴったり塞がっていたはずの歯と修復物の境目に、目に見えないほどのわずかな「すき間(段差)」が生じるようになります。このすき間が徐々に広がることで保持力が弱まり、キャラメルやガム、お餅のような「粘着性の強い食べもの」や、おせんべいなどの「硬い食べもの」を噛んだふとした拍子にポロッと外れてしまうのです。 ② すき間から細菌が侵入して起こる『二次むし歯(再発)』 2つ目の、そして歯科医師として最も警戒すべき原因が、修復物の真下でひそかに進行する『二次むし歯(二次う蝕)』です。 劣化したセメントのわずかな「すき間」は、むし歯菌にとって絶好の侵入口となります。歯ブラシの毛先が絶対に届かない詰め物や被せ物の内部へと細菌が入り込み、見えない場所で再びむし歯を作り出してしまうのです。 この二次むし歯が進行すると、内側から歯質が溶かされて軟らかくなり、修復物を支えている土台の歯の形そのものが崩れてしまうため、結果として詰め物や被せ物が支えを失って外れてしまいます。 ③ 無意識の「歯ぎしり・食いしばり」による過剰な負担 3つ目の原因は、就寝中の無意識の『歯ぎしり』や、日中に強い力で歯を噛みしめる『食いしばり』です。 通常の食事で噛む力とは比較にならないほどの強大な横揺れの力や圧力が、毎日繰り返し歯や修復物に加わり続けることで、セメントが破壊されて外れやすくなったり、修復物そのものがすり減って穴が開いたり、割れたり・欠けたりする原因となります。 3. 「痛くないから」と放置するのは絶対NG!取れた時の正しい対処法 詰め物や被せ物が外れてしまったとき、「特にしみたり痛んだりしないし、仕事が忙しいからしばらくこのままにしておこう」と、歯科医院への受診をつい後回しにしてしまう方がいらっしゃいます。 しかし、外れたままの状態で1週間、1ヶ月と放置してしまうことは非常に危険です。 詰め物や被せ物が外れた部分の歯は、一番外側の硬い鎧である「エナメル質」がすでに削られており、むし歯菌の酸や刺激に対して極めて弱い内部の『象牙質(ぞうげしつ)』や、神経に近い部分がむき出しの無防備な状態になっています。 そのまま放置すると、以下のような深刻なトラブルが一気に進行してしまいます。 むき出しになった穴に食べかすが詰まり、通常の何倍ものスピードでむし歯が神経まで深く進行する 残っている薄い歯の壁が食事中にパキッと欠けたり割れたりして、最悪の場合は「抜歯」になる 外れたスペースに向かって隣の歯が倒れ込んだり、噛み合う反対の歯が伸びてきたりして、お口全体の「噛み合わせ」が崩れてしまう 外れた修復物は捨てずに「チャック付きの袋」やケースに入れてご持参ください! もし詰め物や被せ物が外れてしまった際は、決してご自身で市販の瞬間接着剤などを使って戻そうとせず(歯の神経を傷めたり、噛み合わせが狂って外せなくなったりするため大変危険です)、できるだけ早く歯科医院をご予約ください。 その際、外れた詰め物や被せ物は、内部にむし歯がなく変形もしていなければ、歯科医院で綺麗に消毒・清掃したうえで「そのままもう一度接着して付け直せる」場合もあります。 ただし、ティッシュペーパーに包んでポケットやバッグに入れておくと、ゴミと間違えて捨ててしまったり、上から力が加わって変形してしまったりすることが多いため、イラストのように「チャック付きのビニール袋」や「小さなタッパー・お薬ケース」などに入れて大切に保管し、受診時に必ずお持ちください。 4. 定期検診でのチェックと、すき間ができにくい『セラミック治療』のご相談も当院へ 詰め物や被せ物のセメントの劣化や、その下で静かに進行する「二次むし歯」は、外れる直前まで痛みなどの自覚症状がほとんど出ないため、患者さまご自身では気づきにくいケースが少なくありません。 大きなむし歯になって神経を抜くようなトラブルを未然に防ぐためにも、痛みがなくても3ヶ月に1回程度は歯科医院で定期検診を受け、過去に入れた修復物に「すき間」や「段差」「二次むし歯」ができていないかをプロの目でチェックしておくことがとても大切です。 また、当院(谷村歯科医院)では、外れてしまった修復物の付け直しや保険診療での再作製はもちろんのこと、「何度も同じ銀歯が外れてしまう」「次は二次むし歯になりにくく、長持ちする白い歯にしたい」という患者さまに向けて、歯と分子レベルで強力に接着してすき間ができにくい高精度な『セラミックインレー・クラウン』や『ジルコニア』による審美・補綴治療も幅広くご提供しております。 「詰め物が取れてしまった!」「昔入れた銀歯の周りが黒っぽくなっていて心配」という方は、放置せずどうぞお早めに谷村歯科医院までご相談ください! 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ: https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
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次回の口腔外科外来は8月29日(土)です
毎月、大学病院の専門医による 『口腔外科外来』 を行なっております。 親知らずや口の中のでき物や違和感、あごの痛みや引っかかり(顎関節症)等でお悩みの方はご相談ください。 次回は8月29日(土)です。 ※口腔外科外来受診前に各種検査とご説明のため、事前に1度ご来院していただく必要があります。 (初診として口腔外科外来の予約は不可です。また、初診時に口腔外科外来の受診が必要かどうか判断いたします) ※口腔外科外来は完全予約制になります。 ※口腔外科外来でできる診査や処置には限界があります。診療所レベルでの範囲を超えると判断した場合には、大学病院の口腔外科または専門外来を紹介させていただきます。 詳しくはこちら
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次回の口腔外科外来は8月1日(土)です
毎月、大学病院の専門医による 『口腔外科外来』 を行なっております。 親知らずや口の中のでき物や違和感、あごの痛みや引っかかり(顎関節症)等でお悩みの方はご相談ください。 次回は8月1日(土)です。 ※口腔外科外来受診前に各種検査とご説明のため、事前に1度ご来院していただく必要があります。 (初診として口腔外科外来の予約は不可です。また、初診時に口腔外科外来の受診が必要かどうか判断いたします) ※口腔外科外来は完全予約制になります。 ※口腔外科外来でできる診査や処置には限界があります。診療所レベルでの範囲を超えると判断した場合には、大学病院の口腔外科または専門外来を紹介させていただきます。 詳しくはこちら
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谷村歯科医院ブログを更新しました
谷村歯科医院ブログを更新しました。今回のテーマは、”いびきや日中の眠気…『睡眠時無呼吸症候群』は歯科のマウスピースで治療できる?”です。 詳しくはこちら
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【口腔外科医解説】 いびきや日中の眠気…『睡眠時無呼吸症候群』は歯科のマウスピースで治療できる?
こんにちは、谷村歯科医院 歯科医師・口腔外科医の鈴木 孝美です。 ご家族から「いびきがひどい」と指摘されたり、日中に強い眠気を感じたりすることはありませんか? 今回は、そのような症状を引き起こす「睡眠時無呼吸症候群」についてお話しいたします。 実はこの病気、治療法の一つとして歯科医院で作ることができる専用のマウスピースがとても有効なケースがあります。詳しく解説していきますね。 睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは? 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:通称SAS)とは、その名の通り睡眠中に繰り返し呼吸が停止、または低下する病気です。 質の高い睡眠がとれなくなるため、日中の強い眠気や集中力の低下を引き起こすだけでなく、放置すると高血圧症や心疾患、脳血管疾患などの重大なリスクが高まる原因としても知られる深刻な病気です。 睡眠時無呼吸症候群の3つのタイプ この病気は、原因によって主に以下の3つのタイプに分類されます。 ① 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA) 喉や上気道(空気の通り道)が狭くなったり、塞がったりして起こるタイプです。「いびき」や「日中の眠気」が出やすいのが特徴で、無呼吸症候群の中で一番多いのがこの病態です。 ② 中枢性睡眠時無呼吸(CSA) 脳の呼吸中枢からの指令が低下し、呼吸をしようとする働き自体が失われることで起こります。心臓の疾患や高血圧症が背景にある場合が多いタイプです。 ③ 混合型睡眠時無呼吸(MSA) ①の閉塞性と、②の中枢性が混合しているタイプです。 最も多い「閉塞性(OSA)」の診断と治療法 一番多いタイプである「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」は、睡眠中に10秒以上の呼吸停止や換気量の低下が繰り返されるのが特徴です。 診断は医科(呼吸器内科、耳鼻咽喉科、睡眠外来など)で行われます。睡眠ポリグラフ検査などの結果により、1時間あたりの無呼吸・低呼吸指数(AHI)を算出し、「軽度」「中等度」「重症」の3つに重症度が分けられます。 診断された重症度に応じて、以下のような治療法が選択されます。 ① CPAP(シーパップ)療法: 中等度〜重症の場合の第一選択。睡眠中に鼻マスクから空気を送り込み、気道を広げます。効果は高いですが、装着の不快感や旅行時の持ち運びが不便という声もあります。 ② 口腔内装置療法(スリープスプリント): 軽度〜中等度の場合に行われる、歯科で作るマウスピースを使った治療です。(※後ほど詳しく解説します) ③ 外科的治療: 扁桃腺肥大や顎が小さいなど、解剖学的に喉を広げる必要がある場合に行われます。 ④ 舌下神経電気刺激治療: 特殊な治療で、保険適用の条件があります。 ⑤ 薬物治療: 舌の筋肉の緊張を高め、気道の閉塞を防ぎます。 歯科で作る「マウスピース(スリープスプリント)」のメリット 上記の治療法の中でも、副作用がなく、手軽に使用できるのが歯科医院で作成する口腔内装置(スリープスプリント)です。 上下の歯に装着する専用のマウスピースで、下の顎を少し前に出した状態に固定してお作りします。これにより、寝ている間に気道(喉の奥)が広がり、いびきや無呼吸を軽減する効果があります。 大掛かりな機械が不要なため、出張や旅行に行く機会が多い方にも非常に適しています。 保険適用でマウスピースをお作りできます スリープスプリント(マウスピース)は、呼吸器内科、循環器内科、耳鼻咽喉科、睡眠外来などの医科のドクターからの紹介状(情報提供書)があれば、健康保険を適用してお作りすることが可能です。 「単なるいびきだと思って医科を受診したら、実は無呼吸症候群だった」というお話もよく耳にします。まずは医科でしっかりとした診断(重症度の判定)と治療方針の決定をしていただき、当院のような歯科医院が装置の製作と長期的な管理(メンテナンス)を担当するという連携をとります。 当院でも、睡眠時無呼吸症候群治療用のスリープスプリントを作成しております。 ご自身のいびきやご家族の睡眠中の無呼吸が気になる方、また医科からのご紹介をご希望の方は、何なりと当院までお申し付けください。 歯科医師・口腔外科医 鈴木 孝美 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ: https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
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次回の口腔外科外来は7月25日(土)です
毎月、大学病院の専門医による 『口腔外科外来』 を行なっております。 親知らずや口の中のでき物や違和感、あごの痛みや引っかかり(顎関節症)等でお悩みの方はご相談ください。 次回は7月25日(土)です。 ※口腔外科外来受診前に各種検査とご説明のため、事前に1度ご来院していただく必要があります。 (初診として口腔外科外来の予約は不可です。また、初診時に口腔外科外来の受診が必要かどうか判断いたします) ※口腔外科外来は完全予約制になります。 ※口腔外科外来でできる診査や処置には限界があります。診療所レベルでの範囲を超えると判断した場合には、大学病院の口腔外科または専門外来を紹介させていただきます。 詳しくはこちら
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院長ブログを更新しました
院長ブログを更新しました。今回のテーマは、”歯ぐきが下がったら要注意!大人に多い根元むし歯”です。 詳しくはこちら
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【歯科医師解説】「最近、歯が長くなった?」と感じたら要注意!中高年に急増する『歯の根元の虫歯(根面う蝕)』の原因と予防法
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村 将光です。 今回は、40代・50代以降の中高年世代からシニア世代にかけて急激にリスクが高まる『歯の根元にできる大人のむし歯(専門用語で「根面う蝕:こんめんうしょく」といいます)』の特徴と、大切な歯を守るための予防策について詳しくお話しいたします。 子どもの頃や若い頃にむし歯の治療でつらい思いをしたご経験から、「大人になってからは毎日欠かさず丁寧に歯を磨いているから大丈夫!」と心がけていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。 しかし実は、「子どもや若い世代に多いむし歯」と「中高年以降の大人に増えるむし歯」では、発生する場所も進行の仕方も大きく異なるため、これまでと同じケアだけでは防ぎきれないケースが少なくないのです。 1. 70代の約65%以上に発生!歯ぐきが下がると現れる「無防備な根元」のリスク 10代〜20代の若い世代では、主に奥歯の噛み合わせの溝や歯と歯の間など、お口の中に最初から見えている『歯の頭の部分(歯冠部:しかんぶ)』にむし歯ができるのが一般的です。 それに対して、年齢を重ねた大人のお口で急増してくるのが、歯と歯ぐきの境目あたりに発生する『根元むし歯(根面う蝕)』です。 中高年以降になると、長年の歯周病の影響や加齢変化、あるいは強すぎるブラッシング圧などによって、少しずつ歯ぐきが痩せて下がってきます(歯肉退縮)。すると、本来であれば歯ぐきの内側にすっぽりと隠れて守られているはずの『歯の根っこの部分(歯根面)』が、お口の中へとむき出しに露出してくるのです。 この「歯の根元」は、構造上むし歯菌の出す酸に対して非常に弱く無防備な場所であるため、一度歯ぐきが下がって表面に現れると、ご自身でも気づかないうちにあっという間にむし歯へと侵されてしまいます。 実際に、高齢者を対象とした歯科の疫学調査では、なんと「70代の約65%」、そして「80代の約70%」もの方にこの『根元むし歯』がみられたという衝撃的なデータも報告されており、年齢を重ねてご自身の歯が多く残っている方ほど、誰もが直面する身近で深刻なリスクとなっています。 2. なぜ大人の『根元むし歯』は怖いのか?若い頃のむし歯にはない3つの厄介な特徴 さらに問題なのは、この根元むし歯には、若い頃にできる一般的なむし歯とは異なる「3つの非常に厄介な性質」がある点です。 ① 痛みなどの自覚症状が出にくく、発見が遅れがちになる 1つ目の特徴は、初期〜中期の段階では「痛み」や「冷たいものがしみる」といった自覚症状がほとんど出ないことです。 年齢を重ねると、長年の刺激によって歯の内部にある神経(歯髄)の部屋が少しずつ狭くなり、痛みを伝える感覚が鈍くなっていきます。さらに、歯と歯の間や奥歯の根元など「鏡で見ても自分では確認しにくい死角」にできることが多いため、痛みを感じて気づいたときにはすでに神経の近くまで深く進行してしまっているケースが少なくありません。 ② 硬い鎧(エナメル質)がないため、進行スピードが極めて速い! 2つ目の特徴は、むし歯が広がるスピードの速さです。 歯の頭の部分(歯冠)は、人間の体の中で最も硬い『エナメル質』という頑丈な鎧(よろい)で厚く覆われています。しかし、歯ぐきが下がって露出した「歯の根元」にはこのエナメル質が最初からまったく存在せず、非常に薄くて弱い『セメント質』と、その内側のやわらかい『象牙質(ぞうげしつ)』がむき出しの状態になっています。 エナメル質が「酸度pH5.5以下」で溶け始めるのに対し、根元の象牙質は「pH6.0〜6.2程度」というごく弱い酸性でも簡単に溶け出してしまうため、一度根元にむし歯ができると、歯の内部や周囲へと一気に深く広がってしまいます。 ③ 歯ブラシの毛先が届きにくく、治療しても「再発」しやすい 3つ目の特徴は、治療の難しさと再発リスクの高さです。 歯ぐきが下がって露出した歯の根元は、くびれたような複雑な形をしており、特に歯と歯の間の隙間(三角形の隙間)には通常の歯ブラシの毛先がなかなか届きません。そのためプラーク(歯垢)が溜まりやすく、せっかくむし歯を削って白い樹脂(コンポジットレジン)などを詰めて治療しても、またその詰め物の周りから歯ぐきが下がって「二次むし歯(再発)」がぐるりと広がってしまうことがよくあります。 3. 放置すると大木が倒れるように「歯が根元から折れる」危険性も! もし自覚症状がないからといって、この根元むし歯に気づかないまま放置してしまうと、最後にはどのような結果を招くでしょうか? 根元のやわらかい象牙質がむし歯によってぐるりと一周えぐられるように溶けていくと、ある日お食事中に硬いものを噛んだ瞬間など、上の健康な歯の頭ごと根元から「ポキッ」と真っ二つに折れてしまう(歯冠破折)ことがあるのです。 まさに、森に立つ立派な大木が、根元の幹だけをぐるりと斧で削り取られた結果、自分自身の枝葉の重みに耐えきれなくなってバッタリと倒れてしまうのとまったく同じ現象がお口の中で起こってしまいます。 このように歯が根元深くから折れてしまうと、多くの場合でかぶせ物を支えることができなくなり、残念ながら「抜歯」を余儀なくされてしまいます。 鏡を見て「最近、歯が長くなったかも?」と感じたら警戒のサイン! こうした最悪の事態を防ぐためにも、中高年以降は根元むし歯に対する早めの警戒とケアの切り替えが欠かせません。 特に、洗面所の鏡でご自身のお口を見たときに、 「昔に比べて、なんだか歯が縦に長くなってきた気がする」 「歯と歯の間の根元に、黒い三角形の隙間(ブラックトライアングル)が目立つようになってきた」 「歯の根元が黄色〜茶色っぽく見えたり、爪で触ると引っかかる段差があったりする」 と感じたら要注意です。それは歯ぐきが下がりはじめ、無防備な歯の根元が露出して「根元むし歯」のリスクが急上昇しているサインである可能性があります。 4. これまでの磨き方を見直そう!歯の根元を守るご家庭のケアと歯科のプロケア 歯の表面(エナメル質)よりもはるかにデリケートでむし歯になりやすい「歯の根元」を守るためには、若い頃と同じような歯ブラシだけの磨き方では不十分です。ご家庭でのアイテム選びと、歯科医院での専門的な予防処置を組み合わせて徹底的にガードしていきましょう。 ① 「歯間ブラシ」と「高濃度フッ素配合ハミガキ剤」を毎日活用する 歯ぐきが下がって歯と歯の根元に隙間ができてきた方には、通常の歯ブラシに加えて『歯間ブラシ』の使用が最も効果的です。歯ブラシでは届かない根元のくぼみや隣接面のプラークを直接かき出すことができます。 また、露出したやわらかい象牙質は強い力でゴシゴシ磨くとすぐに削れてしまうため、歯ブラシは「やわらかめ〜ふつう」を選び、軽い力で優しく小刻みに磨きましょう。その際、歯の根元の耐酸性を高めて再石灰化を促す『高濃度フッ素(1450ppm)』が配合された歯みがき剤やフッ素ジェルを毎日使うことが非常に有効です。 ② 歯科医院での「定期的なクリーニング」と「医療用フッ素塗布」 そして、ご自身では見えにくい奥歯の根元や歯の裏側を守るために欠かせないのが、歯科医院での定期検診とプロフェッショナルケアです。 当院(谷村歯科医院)では、専用の機器を用いて根元に付着したバイオフィルムや歯石を傷つけずに優しく除去するとともに、歯科医院専用の高濃度フッ化物塗布を行って露出した根元の歯質を強力にコーティングし、むし歯になりにくい強い環境を整えます。また、患者さまの隙間の大きさにぴったり合った歯間ブラシのサイズ選びや、歯ぐきをこれ以上下げないための正しいブラッシング指導も丁寧に行っております。 いつまでもご自身の大切な歯を根元から折ることなく、一生涯おいしく食事を楽しみ続けるために、手遅れになる前の今から、あなたのお口にぴったりのケア方法を谷村歯科医院で一緒に見つけていきましょう! 「歯ぐきが下がってきたのが気になる」「根元が茶色くなっている部分がある」という方は、どうぞお早めに当院までご相談ください。 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ: https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7
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次回の口腔外科外来は7月4日(土)です
毎月、大学病院の専門医による 『口腔外科外来』 を行なっております。 親知らずや口の中のでき物や違和感、あごの痛みや引っかかり(顎関節症)等でお悩みの方はご相談ください。 次回は7月4日(土)です。 ※口腔外科外来受診前に各種検査とご説明のため、事前に1度ご来院していただく必要があります。 (初診として口腔外科外来の予約は不可です。また、初診時に口腔外科外来の受診が必要かどうか判断いたします) ※口腔外科外来は完全予約制になります。 ※口腔外科外来でできる診査や処置には限界があります。診療所レベルでの範囲を超えると判断した場合には、大学病院の口腔外科または専門外来を紹介させていただきます。 詳しくはこちら
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【活動報告】日本歯科ボツリヌス協会の認定医取得講座に参加し、認定医試験に合格しました!歯ぎしり・食いしばり治療と次世代製剤について
こんにちは、谷村歯科医院 院長の谷村 将光です。 6月14日(日)に、飯田橋にある「東京区政会館」にて行われた『日本歯科ボツリヌス協会』主催の認定医取得講座に参加してまいりました。 この講座に参加して専門的な講義を受講し、最後に行われる認定試験に合格すると、協会認定の「認定医」の資格を取得することができます。 1. 歯科における「ボツリヌス(ボトックス)治療」の目的と効果 「ボツリヌストキシン注射(通称:ボトックス注射)」というと、一般的には美容外科や美容皮膚科で使われるイメージが強いのではないでしょうか。 たとえば、エラ張りを抑える「小顔効果」や、笑った時に上の歯ぐきが大きく見えてしまう「ガミースマイルの改善」、あるいは「眉間にシワが寄るのを防ぐ効果」など、美容目的で使われることが多いですよね。 一方、私たち歯科医院で行うボツリヌス治療は、主に無意識の『歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)』の改善のために使われます。 睡眠中の強い歯ぎしりや日中の食いしばりによって、噛むための筋肉(咬筋など)が過剰に発達してしまうと、食事の何倍もの強い力が歯に加わり続けます。その結果、せっかく治療した被せ物が壊れたり、健康なご自身の歯や歯の根が真っ二つに折れたり(歯根破折)して、最終的に「抜歯」になってしまうケースが少なくありません。 そこで、噛む筋肉にボツリヌストキシン注射を行って過剰な筋肉の緊張を和らげることで、歯ぎしり・食いしばりの力を適切なレベルにコントロールし、大切な歯や被せ物・インプラントを破折から守ることができるのです(もちろん、筋肉の張りが和らぐため、副次的な効果として嬉しい「小顔効果」もありますよ)。 2. 実践的なデモと、感染リスクゼロの「次世代・植物由来製剤」の導入 当日の講座では、座学での詳しい講義に続き、実際に会場の参加者が被験者となってボトックス注射の実演(デモンストレーション)が行われました。 講師を担当された先生はボツリヌス治療のベテランの先生ですので、筋肉の見極めや針を入れる角度など、やはり注射の仕方がとても上手ですね。実践的な手技を間近で確認でき、大変参考になりました。 より安全な「植物由来」の新しいボツリヌス製剤へ順次切り替え さらに今回の講義では、次世代の新しいボツリヌス製剤の紹介もありました。 実は、従来のボトックス製剤は、ボツリヌス菌が作り出すタンパク質(毒素)を抽出・精製する過程において、安定剤として「ヒト血清アルブミン(人血清)」を使用しているため、極めてまれではあるものの、理論上は未知のウイルス等による感染の可能性が100%ゼロではありませんでした。 しかし、今回新しく紹介された次世代のボツリヌス製剤は、人血清や動物由来成分を一切使わない『植物由来』の成分で作られているため、感染の可能性がまったくありません。 当院では患者さまの安全性を何よりも第一に考えておりますので、会場で早速この新しい製剤を注文いたしました!今後は、当院のボツリヌス治療もこちらの安全な植物由来製品へと順次入れ替えてまいります。 3. グアム大学での解剖研修に続き、今回の「認定医試験」にも無事合格! 実は私は、以前にもこのボツリヌストキシン注射を安全・確実に行うために、グアム大学での海外解剖研修に参加し、顔の筋肉や神経・血管の走行を直接確認する専門研修と認定医試験を受けたことがあります。 グアム大学で参加した「ボトックス治療」海外解剖研修と認定医試験に参加の様子はこちら 今回はそれとは別の協会(日本歯科ボツリヌス協会)での認定講習になりますが、これまでの経験に甘んじることなく、新たな最新知識の積み重ねや、さらなる治療の安全性の確立のために受講いたしました。 そして1日の講義の最後には、いよいよ「認定医試験」が実施されました。 事前に「講義をしっかりと聞いていればパスできますよ」と聞いてはいたものの、やはり試験本番で「もし落ちる可能性があるとしたら……」と思うと、いくつになっても緊張しますね。 結果は……無事に合格して、見事この日本歯科ボツリヌス協会でも「認定医」を修得することができました! 4. さらなる学びと安全性を確立し、患者さまへ還元してまいります 歯ぎしりや食いしばりは、ご自身では気づかないうちに大切な歯の寿命を縮めてしまう深刻なトラブルです。マウスピース(ナイトガード)だけではなかなか改善しない強い食いしばりや顎の疲れにお悩みの方にとって、歯科でのボツリヌス治療は非常に有効な選択肢となります。 今後も休日の学会や様々な研修会に積極的に参加して、さらなる学びと医療の安全性を確立し、当院に通ってくださる患者さまの人生を豊かにするお手伝いができればと思います。 歯ぎしりや食いしばり、ボトックス治療にご興味のある方は、どうぞお気軽に谷村歯科医院までご相談ください! 谷村歯科医院 ネット予約はこちらから 〒157-0072 東京都世田谷区祖師谷3-32-2 渡辺ビル2階 TEL:03-3789-8241 URL:https://tanimurashika.jp/ Googleマップ: https://maps.app.goo.gl/oAfUwBSwhy8V7bcp7